人は周りの影響を受けながら,生涯にわたって発達します。
中でも乳児期や幼児期というのは,体の発達する速度が特に著しい時期です。
そうした発達を支えるために,保護者である大人は彼らが十分に発達できる環境を整える責任があるわけですが,与えるおもちゃの種類を変えることによって,運動能力であったり手先の器用さであったりが発達するための手助けができます。
確かに,発達の初期段階においては個人差が大きいと言われますが,発達していく中で見られる特徴や,与えるおもちゃの候補については,標準的なものを確認しておいて損はありません。
本記事で,新生児から小学校低学年ごろまでの,年齢別特徴についてみていきましょう!
0~3ヶ月で与えるおもちゃ
この年齢の特徴
- 目で動きを追うことができる
0~3ヶ月の赤ちゃんには,はっきりした色のおもちゃを与えるのがおすすめです。
例えば,歯固め用のおもちゃには色の濃いカラフルなものが多くあります。
耳も聞こえていることから,音が出るおもちゃもおすすめで,定番のオルゴールはもちろん,おしゃぶりに音の鳴る工夫が施されているものもそうした理由からです。
あまり聞きなれないおもちゃとしては「モビール(彫刻のようなもので,動くもの)」というものがあり,その不思議な動きが赤ちゃんの興味を惹きます。
なお,新生児は人の顔のような構図を好むことがすでに研究でわかっており,アンパンマンが特に好まれる理由には,どうやらこのことが影響しているそうです。
ちなみに,新生児の視力は0.01~0.02程度ですので,話しかけるときは,是非顔を近づけてみてください。
じっと見つめてきてくれることと思います。
3~6ヶ月で与えるおもちゃ
この年齢の特徴
- 物を掴むことができる
- 口に持っていく動作が見られる
- 色や音に対する反応が顕著になる
3~6ヶ月になった赤ちゃんですが,はっきりとした音や色をしているものは継続して与えつつも,握って振れるようなおもちゃを新たに与えましょう!
具体的には,ガラガラや起き上がりこぼしの他,引っ張って掴めるような工夫を施したおもちゃが,この年齢用に売られています。
それにしても,自然と起き上がってくるものは大人が見ても不思議に感じるもので,最近の私は,自宅用にパンチングマシーンを買ってしまいました(笑)
6ヶ月~1歳で与えるおもちゃ
この年齢の特徴
- 叩いたり触ったり,両手で挟んで持てる
- ハイハイして元気に動き回る
- 最終的には立つようになる
6ヶ月~1歳児の赤ちゃんに与えるおもちゃとしては,全身を動かして遊べるものがおすすめで,掴まって押したり,指を押し当てられるようなものがあります。
ボールのおもちゃは大き目のものから与えるようにし,ラッパや積み木のような手先の器用さを育めるものであったり,押し車だったりを与えるようにするのもこの時期です。
なお,行動範囲が広がることから不慮の事故が多くなってきます。
赤ちゃんは,体の発達に加えて理解力もまだまだ不十分ですから,思わぬ行動が起きても構わないような環境づくりを心がけましょう。
1~1.5歳で与えるおもちゃ
この年齢の特徴
- 物を上手に握れる
- 歩く
- ボールを転がして投げる
- お気に入りができる
1歳を超えると,半年前と比べて明らかに発達していることが見て取れるはずです。
心も発達し,お気に入りの物ができます。
そこで,与えるおもちゃとしては,片手で掴めて手首を動かせるもの,ペットのように引いて歩けるもの,出し入れして並べられるようなものを与えるようにし,子どもがさらに上手に体を使えるように促しましょう。
ボールは小さなものも与えられますが,お気に入りになりやすいものとしては,抱き枕や人形が候補として挙げられます。
上にまたがって乗れる木馬のようなものの他,指人形を与えるのもこの時期です。
1.5~2歳で与えるおもちゃ
この年齢の特徴
- 身の回りに関心を持つ
- 個々の形態を見分けられる
- 動き回りたがる
- 発話が長くなる
1.5~2歳の子どもには,ぜひとも図鑑を検討しましょう!
また,おままごと遊びは,動き回ってたくさん話すことになるので,この年齢にピッタリですね。
与えるおもちゃとしては,人形,立体パズルや太いクレヨンや砂遊びがその例です。
2歳からはこどもえんぴつが使えます↓
-
くもんのこどもえんぴつをレビュー!関連商品もまとめました
今回は,くもん出版が販売している「こどもえんぴつ」についてレビューしていきたいと思います。 本商品は形や材質に特徴を持たせており,文字を書くことが好きになる人気商品です。 特に,これから鉛筆デビューす ...
続きを見る
2~3歳で与えるおもちゃ
この年齢の特徴
- 手が知能の発達を助ける
- お手伝いをしたがる
- 着替えに関心を持つ
- 外でよく遊ぶ
2歳児に与えるおもちゃの例としては,おままごとは継続しつつ,ブロックやはめこんで遊べるものであったり,ハサミで切ったり絵を書くといった具合に,手と目の連携を深められるものが最有力です。
全身の運動機能の発達を促すためには,室内用の滑り台やジャングルジムの導入を検討する他,水鉄砲は屋外でも使えます。
2歳から2語文が出始め,3歳には会話ができるようになるので,ことば図鑑はこの時期に合わせて使うようにしましょう↓
-
アンパンマンのことばずかんのレビュー!遊び方いろいろ
今回ですが,毎年のように日本おもちゃショーで入賞してはロングセラーを記録している「アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんSuperDX」についてレビューしていきたいと思います。 まさに知育玩具の代 ...
続きを見る
また,2~4歳までが第1反抗期です。
情緒が発達しきっていないこの時期の幼児は,自分で気分を変えることが難しいことを覚えておきましょう。
3~4歳で与えるおもちゃ
この年齢の特徴
- 足取りがしっかりする
- 手首の回転が滑らかになる
- 声のコントロールができる
- 1人で長く遊べる
3歳児になると身長は1mに達し,視力は0.6~0.9になります。
このタイミングで与えるおもちゃですが,身体を大きく動かせるものが良く,三輪車(または幼児用の自転車)がおすすめです。
その他,より知的な活動を促すものを与えますが,パズルや型合わせの他,並べたり積んだり,組み合わせて形ができるものとして,レール付きの電車や人形の家や家具,さらには電話や時計のおもちゃが考えられます。
想像力を働かせて遊べるかどうかを基準に選びましょう!
参考までに,天才棋士の藤井聡太さんは,3歳のときにキュボロを使って大作を作り上げています↓
-
将棋の藤井聡太に続け!キュボロという積み木おもちゃを入手せよ
ここ数年,売り上げが急激に伸びて在庫薄になってしまっている知育玩具がありますが,それはcuboro社の積み木おもちゃです。 商品名も同じく「キュボロ(またはクボロ)」と言いますが,その歴史は1985年 ...
続きを見る
4~5歳で与えるおもちゃ
この年齢の特徴
- 運動器官は細かい加減が利くようになる
- 文字や数字に興味を持つ
- 友達とよくしゃべる
- 負けると悔しがる
- 語彙数が増える
- おもちゃを組み合わせて遊びを作り出す
手の器用さを高めるため,細かい手作業を必要とする粘土や折り紙,風船やシャボン玉がまず考えられます。
加えて,文字や数字を読んだり聞いたりできるものとして,数字遊びや数の大小や速度を競うゲームの他,かるたやトランプもおすすめです。
これらを使って簡単な勝負が行えますし,友達数人で楽しめるおもちゃであれば,自然と会話も増えるでしょう。
その他,実物に近い洗濯機やレンジ,キッチンやドレッサー,乳母車を組み合わせて遊ぶことで,想像力を生かした遊びを考えてくれます。
おもちゃとは直接の関係はありませんが,ブランコを漕いだり鉛筆でしっかり書けるようになるのが,大体この年齢です。
5~6歳で与えるおもちゃ
この年齢の特徴
- 手先がより器用になる
- じゃんけんの勝負がわかる
- 知的な遊びに興味を示す
5~6歳児は,自力で組み立てたり,組み合わせることができるので,簡単なプラモデルがおすすめです。
また,知的な興味を満足させるおもちゃとして,コマやけん玉,スポーツ玩具が挙げられます。
TVゲームもこの時期から導入しましょう!
ちなみに,藤井聡太さんが初めて将棋に出会ったのは5歳の年中のときです↓
-
スタディ将棋の徹底レビュー!解説書が充実
在庫ありの店舗が少なく,楽天では入荷待ちの状態,Amazonでは高値販売がされていた「くもんのスタディ将棋」でしたが,このたび無事に購入することができました! ※2020年以降は在庫ありの店舗がほとん ...
続きを見る
6~8歳で与えるおもちゃ
この年齢の特徴
- 友達との仲間意識が強くなる
- 外によく出かける
小学校に入学すると,友達と遊ぶことが多くなります。
そんなとき,カードゲームやボードゲームがあると良いですね。
友達が持っているおもちゃも欲しがるので,流行には気を付けましょう。
また,校庭が使えるので,野球やサッカーを筆頭に,外での遊びが増えます。
夏は網と虫かごを持たせては,虫採りに出かけましょう!
8歳以上で与えるおもちゃ
この年齢の特徴
- 理論的に物事をとらえ始める
8歳以降は,実物に近いもので遊ばせましょう。
囲碁将棋の他,工芸や手芸,その他のスポーツ用品が候補です。
まとめ
以上,赤ちゃんから小学低学年まで,年齢に与えるべきおもちゃを紹介してきました。
大人の期待の表れもあって,子どもに対象年齢が高めのおもちゃを与えることも多いでしょうが,傍で見ていてまだ早いようであれば保留して,時間を置いて与え直すようにしていただければと思います。
なお,再度繰り返しますが,本記事で挙げた年齢については絶対的なものではありません。
それこそ,はいはいの時期が長かったり,言葉が出るのが遅かったりするのは当たり前ですし,よく泣いたり,興味や関心の持ち方も多様です。
他人と比べることをせずに,自分の子どもの今と向き合って,しっかりと愛情を注ぎましょう!
発達段階を急がず,今持っている力を十分に活用し,遊びを楽しくしたり,生活を工夫したりすることで,生きる力が身に付きます。
最後までお読みいただきありがとうございました。