今回は,くもんの「くるくるレッスン」という知育玩具を使って,時計の読み方を学んでいく方法についてみていきたいと思います。
時計というのは,いったん読めるようになってしまえば特に難しいとは感じなくなりますが,実際は60進法と24進法を含んでおり,10で繰り上がること(10進法のこと)しか知らない子どもからすれば到底理解できないものです。
ドリルであれば絵を書いて教えることになりましょうが,楽しく学べる玩具があるならそれを使わない手はありません。
本記事の構成として,まずは商品についてのレビューから始め,続けて子どもにどう教えていけばよいのかという勉強手順について紹介しましょう!
くるくるレッスンのレビュー
くもんのくるくるレッスンですが,対象年齢は3歳以上となっています。
とはいえ,本格的な時計の勉強が出てくるのは小学校に入ってからなので,ただ弄って遊ぶためのものとはせずに勉強目的で使うのであれば,6歳以上が使っても全くおかしくありません。
子どもの頃に話は限りませんが,時計の読み方をいつ学ぶかというタイミングについては別段いつでも良いわけですから,周りの子と比べて「○○ちゃんはできるのに」などと比較をしないことが重要です。
さて,値段にして1,000円ちょっとで買えてしまう本玩具ですが,セット内容は大変シンプルで,本体と取扱説明書のみとなります↓
電池を必要としませんが,本体の下部を見るとスピーカーらしき穴が見えるわけで,これは何かといえば「チーン」というベルの音がアナログ的な仕組みによって鳴る場所であって,何か音源を再生するようなことはありません。
なお,時計の文字盤については赤と青と白の3色で色分けされています。
実はこれこそがくるくるレッスン最大の特徴となるわけですが,色を頼りに簡単に時計を読むことができるわけです。
ここでは以下の状態を例に説明しましょう↓
まず「〇時」については,赤い短針が指しているところの赤い部分の数字を読みます。
ここだと9だとわかるので,9時だとわかるわけです。
続けて「〇分」は,青い長針が指している青い部分の数字を読みましょう。
30という数が見えるので,30分だとわかりました。
以上合わせて答えは「9時30分」となるわけですが,1人で答え合わせまでできてしまうのがくるくるレッスンの面白いところです。
それには,本体下にある赤いシャッターを下ろしてみましょう!
すると,チーンという音とともに,表示窓に正しい時刻とイラストが表れてきました↓
1番左にはイラストがあり,朝と夜の生活の様子が描かれているので,いずれは午前や午後の使い分けも教えられるでしょう。
あとは,おまけ的な要素が付いていて,それは本体裏にあるカバーです↓
これは「ステップアップカバー」と呼ばれるものですが,これを取り外して表の文字盤にセットすることで,ヒントなしの普通の時計としての文字盤に変えることができます。
つまり,実際の様子に近い状態になるわけですので,カバーをセットして正確に時計を読めたら見事卒業です。
もう1つのセット内容である,取り扱い説明書の内容については,次章で勉強の方法について語るので,そこでまとめています。
なお,最後に注意点ですが,実はこの時計の針を反時計回りに回してしまうと,先述した表示窓の時刻がズレて表示されてしまうことがあります。
その際は裏面の右下にある調整ダイヤルを回して,正しく表示されることを確認してください。
できるだけ禁止教育は避けたいものですが,このくるくるレッスンでは基本的に時計まわりにだけ長針を動かすことが推奨されています。
逆回しは,時間表示がずれる原因になるので,子どもには最初,「時計は右回りにしか動けません」などと教えてから始めましょう。
くるくるレッスンの基本的な勉強方法
さて,くるくるレッスンの特徴については分かっていただけたかと思いますが,実際にどのように教えていくのがよいでしょうか。
一応,上のような内容の取扱説明書がありますが,これだけでは不十分です。
まずは何より0から60までの数が読めなければいけませんし,小学校の授業では,足し算や引き算を用いて何時間経ったかなどの計算もさせられます。
1つ1つステップアップして学んでいきましょう!
何時を読めるようにする
まずは「何時」から学びます。
子どもには赤い短針の先にある数字を読み上げてもらいますが,最初は長針を0分のところに置いた状態で始めるのがおすすめです。
これは何時でしょうか↓
正解は2時です。
なお,ただ数字を読むだけではつまらないので,ストーリーも補って説明しましょう。
例えば,
- 今日は寝坊してしまって,起きたら時計はこのようになっていました。今何時ですか。
であったり,
- 学校に間に合わないと大変だと走って教室に向かいましたが,着いて学校の時計を見るとこのようになっていました。何時に着きましたか。
といったふうにします。
こうすることで,実際の生活と時刻がつながったものとして認識されるというわけです。
何分を読めるようにする
短針の次は長針に注目し,何分かを読めるようになりましょう!
0分から15分,30分,45分,そしてまた0分といった具合に1周させては青い針の読み方を教えますが,このとき短針もゆっくりと進んでいくことも示します。
ただし,1つだけ注意したいのは,実際の時計にはくるくるレッスンにある0から60までの目盛りは存在しないということです。
ゆえに最終的には以下の状態を示して,時刻は2時30分で,長針は6(30ではない)を,そして短針は2を指していることを教えなければいけないことにはご注意ください。
とはいえ,自転車に乗るときにまずは補助輪を付けて始めるのと同じように,いきなり本物の時計を使わないことにも大きな価値があります。
ステップアップカバーを付ける
なお,本物の時計と同じ文字盤にするには,裏面のステップアップカバーが活躍します↓
なお,このとき,時計の目盛りが大きく5分おきに並んでいることに触れたり,カバーを付けた状態で3時42分,9時33分といった細かい時刻まで言えるようになることを目指しましょう。
ここまでできるようになったら基本的な学習は終了です。
くるくるレッスンの発展学習
時間と足し算について教える
小学校では,基本的な内容について学んだ後で,時間の経過について教えます。
このとき,足し算の考えが入って来るわけですが,
- 5時の2時間後は何時ですか
- 1時間は何分ですか
などを教えましょう!
もちろんこの場合も,実際の生活とリンクさせると良く,「5時から習い事に出かけて2時間後に帰ってきました」などと説明します。
また,後者においては,4時30分の30分後が,4時60分ではなく5時になることを理解させるのがポイントです。
時間と引き算について教える
足し算ができるようになったら,次に引き算も交えて,
- 6時20分の30分後と30分前はそれぞれ何時何分か
的な問題をわからせます。
説明する際には,先の注意事項に反するので心苦しいのですが,くるくるレッスンを逆回しすることもやむなしでしょう。
午前と午後の使い分けを知る
仕上げの理解は,午前と午後の使い分けについてです。
短針が12時間で1周することを教え,例えば「午前8時」と「午後8時」は,針の様子は同一であっても,外の様子は「明るい」と「暗い」でまったく異なります。
1日が24時間からなっていて,短針が1日に時計を2周して回ることであったり,午後8時を20時ということがあることまで教えましょう。
最終的には以下のような問題が解けるようになるはずです↓
- おじいさんの家から自宅まで400分かかります。午後8時に自宅に着くためには,おじいさんの家を何時何分に出発すればよいですか
まとめ
私がこのくるくるレッスンを購入したのは「私,時計読めないんだ…」という,知り合いの子どもの一言がきっかけでした。
その時なぜか,彼女がひどく寂しそうに感じられたので,何とか数日間で時計を読めるようにしてやろうと一念発起したわけです。
まずは色を頼りに何時何分かを読めることを目指し,その後ステップアップカバーを付けて行います。
発展学習については余裕があればで構いませんが,いつかテストに出てくるのは確かです。
なお,上手く読めるようになった暁には,置時計でも腕時計でもご褒美に買い与えてやったら子どもは大喜びでしょう。
また,時計という単元を教える際には子どもごとに適したタイミングがありますので,もしも子どもが拒絶の反応を示すようであれば無理強いはせず,ましてやできないことを責めることなく様子を伺い,また数ヶ月後にでも再提示してみてください。
その際,くるくるレッスンと今回の記事内容を役立てていただければ幸いです。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。