今回は2020年に突如発売となって瞬く間に人気商品となったレゴマリオから,一番最初に買うべき「スターターセット」についてレビューしていきましょう!
ところで,LEGOシリーズには「マインドストーム」という有名な教育版のキットがあるのですが,こちらのレゴマリオにもプログラミングに通じる要素を垣間見ることができます。
クリボーやノコノコといった敵キャラクターをただやっつけるだけでなく,色々なアクションブロック(モニュメントみたいなもの)の役割を覚えては,スタートからゴールに至るまで,流れるようなアクションセットをプログラミングしていきましょう!
レゴマリオのスターターセットについて
このレゴマリオは,デザイナーであるジョナサン・ベニンクらの手による「レゴチーム」の商品です。
しかし,まるで任天堂が出したもののように錯覚してしまうのは,パッケージの形が家のような形をしていて,かつスーパーファミコン世代に突き刺さるような赤青黄緑の,シンプルながらも強烈な配色が印象的だからでしょうか。
さて,スターターセットと一口に言ってみても,実際はいくつかの種類があります。
現時点で購入できるかどうかはさておき,以下のようなものはすべて,レゴマリオのスターターセットに分類されるものです(カッコ内は商品番号を示す)↓
- レゴマリオとぼうけんのはじまり(#71360)
- レゴルイージとぼうけんのはじまり(#71387)
- レゴピーチとぼうけんのはじまり(#71403)
- レゴマリオとぼうけん!(#71439)
- レゴルイージとぼうけん!(#71440)
- レゴピーチとぼうけん!(#71441)
簡単に言えば,マリオかルイージかピーチのフィギュアが入ったものがそうで,たとえヨッシーやキノピオが好きでも,それらはスターターセットとしては機能しないことに注意してください。
いずれか1つを用意すれば遊び始められる他,2024年8月発売の4~6の数字を振ったセットは1~3をちょっと廉価にしたようなものです(厳密に言えば,キャラクター以外に含まれるアクションブロックはすべて異なります)。
今回はこのうち1番を実際に使いながら説明していきたいと思いますが,このスターターセットでは,はてなブロックやクッパJr,そしてクリボーなどがマリオの前に立ちはだかります。
なお,本商品に関して私が事前に把握していた情報は「コースを作ってマリオを動かすこと」,ただそれだけでした。
それはつまり,ほぼ何も知らない状態ということですが,いざパッケージを熟読しようと意気込んでみたところ,残念ながら英語で書かれていました↓
世界に向けて一斉販売されているレゴマリオですが,マリオの生みの親である日本に敬意を払って,最初のレゴマリオは我が国だけ3週間ほど早くに発売となったことを覚えておきましょう。
マリオと言えばリオ五輪の閉会式で安倍元首相がマリオに扮したシーンが強烈でしたが,日本が世界に誇るべき国民的キャラクターということで,このレゴも全世界で大ヒットしてくれることを望みます。
さて,本玩具の対象年齢は6歳以上となっていますが,遊び方の基本は,とにかく自由にコースを作って,自作のステージ(チャレンジと呼びます)をマリオたちにクリアさせればよいわけです。
スタートセットに入っていたゴールの旗がまるでピタゴラスイッチのように見えてきた方は正しい感覚を持っていて,実際にゴールとして使います。
TVゲーム版のマリオが立体となって現実に出てきたイメージです。
私の勝手な推測ですが,最初に本商品について聞いた時,コースの上を滑らすか何かして,マリオが自動で勝手に歩いていくようなものと勘違いしていたわけですが,それは大きな間違いでした。
自分でマリオを手に持ち,ほとんどの過程は手動で行います。
とはいえ,それが遊びの幅を狭めることはなく,むしろ気楽に自由に動かせるわけなのですが,後ほど詳しくみていくことにして,早速開封してみましょう!
1から5までの数字が書かれた小袋+αと,何やら「マリオの抜け殻」みたいなものが箱から出てきました↓
説明書はあるにはありますが,先述した通り,ほぼ別の言語で記述されていて日本語はほとんど見当たらず,内容にコースの作り方は書かれていませんでした。
記載があったのは,レゴマリオの組み立て方と完成したコースの一例のみです。
「これはもはや万事休すか」と諦めそうになった矢先,説明書に書かれていたQRコードに目が行きました。
どうやらこれは,アプリの導入が必要みたいです。
レゴマリオを起動するための準備として,単4電池2本とドライバーも用意しましょう。
レゴマリオ用のアプリと準備
私は幼少期にレゴで遊んだ記憶しかありませんが,最近のものがこのようにアプリと連携していることを知って大変恐れ入りました!
先ほどは日本語が見当たらず心配になった私ですが,みなさまご安心ください。
アプリは完全に日本語対応です。
しかも,次に何をどうすべきかがわかりやすく表示されてきます↓
最初の作業が見えてきましたね。
どうやら,
- レゴマリオを作る
- 起動してBluetooth接続する
という手順を踏むことになりそうです。
1については説明書の方にも作り方が載っていましたが,機器の操作に慣れるためにもアプリ上で行ってみましょう!
アプリの画面をタップするとこのような画面が出てきましたが,下の赤丸で囲ったところは組み立てについて解説したページに繋がっていました。
赤丸を付けた下側に青いブロックのような物が写っていると思いますが,そのマークがあるページは組み立て書があることを意味しています↓
表示された詳細な手順に従って,目に生気のない抜け殻のようなマリオに命を吹き込みましょう!
本体は重厚感があり,背中にはスピーカー用の穴も見つけられます。
スイッチをオンにした時の様子はこちらです↓
レゴマリオ、目がこっちをずっと見ている笑 pic.twitter.com/JuSXArpLbB
— さんくす (@thanks_redo) July 13, 2020
「レゴマリオタイム!」の掛け声とともに,眠りから目覚めたマリオ。
目はデジタル表示なのですね。
不思議とマリオの目線がカメラの方を追従してくることに気づいた方はいらっしゃいますか?
みんなに愛されるマリオだけに,ちょっとコミカルな形になっていても許せてしまえますし,別で衣装パーツなども発売されていたので買ってみました↓
中に何が入っているかわからないガチャガチャ的なものもありますし,お菓子のコードを読み込んだらマリオが喋るなどの拡張要素も追加されると良いですね!
とりあえず,妄想は止めて先に進みましょう!
レゴマリオのアクションブロックの組み立てと役割
上画像にあるアプリの基本画面をタップすると表示されてくるのが,キャラクターやアクションブロックの組み立て方とその役割についてです。
今回のスターターセットでは全部で8つの課題が与えられ,それらをこなしながら1つ1つ学んでいきます。
レゴマリオ
レゴマリオ本体についてはすでに完成形を示しましたが,もともとはこのようにバラバラの状態でした。
アプリには動画が2本載っていて,真似して作ることで基本的な動作も学べてしまいます。
レゴマリオには「モーションセンサー」が搭載されていて,数多くの動作を検知することができますが,ここでは「歩くこと」と「ジャンプすること」を学びましょう。
歩くたびにそれらしい音が背中のスピーカーから流れ,少し歩かせると(ジャンプ的なものを繰り返すと)コインを手に入れることができました。
跳ぶ距離に応じて,2種類のジャンプを使い分けられるようです(小ジャンプと大ジャンプ)。
そのときの効果音やマリオのセリフが違います。
クリボー
次にクリボーを組み立てましょう!
どの小袋を開ければよいかであったり,組み立ての詳しい手順をアプリ上で確認しながら作っていきますが,パーツを1つ付けただけで一気にクリボーらしくなって,ちょっと感動しました↓
レゴマリオで踏みつけるとやっつけたことになってコインをもらえるのですが,その際,クリボーの頭に乗っているバーコードみたいなものが重要な役割を果たしています。
このバーコードめいたものを持つものを「アクションブロック」と呼ぶわけですが,レゴマリオ(ルイージやピーチも含む)には読み取り用のセンサーが付いているわけです。
バーコードを読み取ってはその結果を記録し,bluetooth機能によってアプリ側に送信することができるので,コインのカウントがアプリ上で行えることになります。
はじめてのコース
クリボーのところにあった動画をすべて観ると「はじめてのコース」という課題が開放されました。
キャラクター以外のアクションブロックをここで初めて組み立てることになりますが,完成した土管とゴールフラッグの様子がこちらです↓
これら2つのアクションブロックは特に重要とされています。
というのも,土管はスタートを,ゴールフラッグはその名の通りゴールの役割を果たしているからです。
つまり,レゴマリオにおけるチャレンジ(コース作り)とは,土管に始まりゴールフラッグに終わるコースを作ることであると言い換えられるでしょう。
実際にここで1つコースを完成させてみました。
クリボーも使ったわずか3つのアクションブロックから成るコースですが,クリアするとアプリ上でコインの獲得状況などが表示されてきます↓
ちなみに,小さいパーツには予備パーツも含まれているところが親切です。
その他
はじめてのコースをクリアすると,一気に残り全部のコンテンツが開放されました。
ここまでは手取り足取りのチュートリアルでしたが,大体の流れはすでに掴めています。
アクションブロックの他,コースづくりに役立つモニュメント的なものもいくつか作りました↓
アクションブロックの数としては全部で7つになったわけです。
その他,簡単な砦めいたものやちょっとしたギミックを持つ造形物も含まれています。
組み立ての際はアプリを操作することで,3Dのまま回転してみることができてわかりやすかったです↓
空間の認識能力にも良い影響を及ぼしてくれるでしょう。
レゴマリオで育つ知的能力
レゴマリオで遊ぶことでどのような知的能力が育ってくるかについて,ここで考えてみましょう。
まずは感情面についてですが,上記画像で示したように,このマリオは色を識別できます。
青は水,緑は森,赤は火,そして黄色は砂漠のイメージでしょうか。
実際,青いレゴの上にマリオを置いてみると水っぽい効果音が流れますし,赤いブロックの上だと熱さで倒れてしまいました(なぜか私の手のひらにおいてもそうなりましたが)。
また,先に紹介したモーションセンサーについてですが,歩きやジャンプ以外にも,急激な落下や回るといった動作が検出可能です。
個人的に気に入ったのは「横にすると眠ってしまうこと」なのですが,暫くすると「I’m tired.」と発して,目を閉じてイビキまでかき始めたときは大笑いしました。
ここでレゴマリオの一番のウリであるコース作りについて復習しておきますと,
- アクションブロックを作って,各パーツの役割を知る
- そしてその特性を生かしたコースづくりをする
という2つが最大の目標となるわけですが,これはプログラミング作業を頭の中で行っていることに他なりません。
もちろんプログラミングの序の口レベルではありますが,レゴマリオをきっかけに,多くの小学校が採用するScratchや,それこそLEGOのマインドストームに繋げることも可能でしょう。
自分の力作を他のユーザーとシェアできるところもScratch的といいますか,参加型体験ができるのは大変良い試みだと思いました↓
レゴの要素をフルに生かして新しいモニュメントを組み立てる楽しみを味わいながらも,レゴマリオの特徴である魅力あふれるコース作りに励みましょう!
まとめ
以上,レゴマリオとぼうけんのはじまりスターターセットのレビューと,アプリの使い方,そして知育要素に触れてきました。
純粋にアクションフィギュアとして楽しむだけでなく,コース作りを通して創造力の養成やプログラミングごっこができることが,レゴマリオならではの魅力です。
しかも,今回紹介したのはあくまでスターターセットにすぎません。
実際は,多くの敵キャラクターやパワーアップパック(衣装)が販売されており,拡張セットは物凄い数が毎年新登場していて,どんどんと追加購入することができます↓
こういったものを揃えることで,様々なアクションブロックを含んだ複雑なコース作りが可能となるでしょう。
今回紹介したセットは,土管に始まりゴールフラッグに終わるわずか1~2分のコースとなりましたが,子どもに説明させてみれば,以下のようなストーリーを話してくれるかもしれません↓
土管に入った先は水の世界でした。なんとか泳いで島に辿りついたマリオですが,突然ぐるぐると地面が回転し始めます。目が回りながらもなんとか降りた先にあったのは,嬉しい嬉しいはてなブロックです!ちょうどキノコが出たのでそれを食べて元気になったマリオは,出会ったクリボーを簡単にやっつけましたが,あれ?今度は地面が真っ赤に燃えています!なんだか嫌な予感がしましたが,熱さに耐えながら駆けあがった先にそびえ立っていたのはクッパJrの砦でした。ゴールはもう目と鼻の先ですが,マリオはこのまま敵に見つかることなくゴールできるのでしょうか。
是非,レゴマリオを通して親子のコミュニケーションを積極的に取ってみてください。
意外な子どもの気づきに驚かされる親御さんは多いように思います!