一時は在庫ありの店舗が見当たらず,楽天では入荷待ちの状態,Amazonでは高値販売が普通だった「くもんのスタディ将棋」ですが,このたび無事に購入することができました!
その魅力については,すでに藤井聡太さんが学んだ将棋盤!スタディ将棋の魅力とはで語っていますが,今回はそんなスタディ将棋の使用感を中心にレビューしてみたいと思います。

スタディ将棋は天才棋士の生みの親
くもんのスタディ将棋ですが,私が購入した理由として藤井聡太さんが関係していたことは確かです。
彼が年中になった夏,両親が将棋を指さない藤井家において,祖母の育子さんが贈ったのがこのスタディ将棋でした。
当時の藤井聡太さんは将棋のルールをまったく知らなかったわけですが,この将棋盤の特徴はなんといっても,初心者でもすぐに遊ぶことができてルールを自然に覚えられるところです。
駒や盤のような必要な道具が揃うだけでなく,覚えにくい駒の動かし方に迷わずに済む工夫が施されている他,基礎知識を学べる解説書も一度に手に入ります。
はじめの一歩にスタディ将棋を選択する。
これが最善手であることに間違いはなかったようです。
唯一,将棋の嗜みがあったとされる藤井家の祖父であっても,聡太さんにはすぐに敵わなくなったと言い,5歳の冬になると地元の将棋教室に通うことになります。
後述していますが,このスタディ将棋の解説書には詰め将棋の問題がいくつか載っており,実際彼がまだ小学生だった頃にプロ棋士を抑えて満点優勝したというのはもはや伝説です↓
第1ラウンド唯一の50点満点、藤井聡太奨励会二段。「ペン回し」の要領で消しゴムを器用に回していました。藤井二段の詰将棋スタイルでしょうか。 #tsume2015 pic.twitter.com/a7FT4hsXSh
— 詰将棋解答選手権実行委員会 (@shogi_problem) 2015年3月29日
スタディ将棋の基礎知識
くもん出版が開発したスタディ将棋は,くもんトイシリーズの中の「かんがえるシリーズ」に属しており,自立的に学ぶ意欲を育てることができる知育玩具です。
自立学習ができる能力は学習指導要領においても言及されていて,特に令和時代の学びで重要視されています。
本玩具は日本将棋連盟が監修しており,将棋のルールだけでなく,駒の作りや解説書にもこだわりが見られるものです。
特徴は大きく分けて3つあります↓
- 将棋の駒一つ一つに動かし方が描かれていて,本をその都度開かずとも遊ぶことができる
- ルールや将棋の実践例,さらには詰め将棋の問題が掲載された解説書が付いているので,将棋を深く学ぶことができて興味が湧きやすい
- 将棋盤は半分に折りたたむことができ,駒台は駒ケースになる
今回紹介するのはリニューアル前のもので,現行品は,以下のように将棋盤と駒台,さらにはスキルアップブックがこれに付いてくる(単純に上位互換)と考えておきましょう↓
以下では,将棋盤と駒台(駒のケースにもなる箱),解説書,そして駒40枚の計4点について詳しくみていきます。
対象年齢は5歳以上ということで,先ほどの藤井聡太さんの開始時期と一致していました。
玩具の安全基準に合格していることを証明するSTマークがついており,子どもが安心して使うことができ,将棋盤の材質はシナと発泡ウレタンとABS,駒にはイジュ(沖縄などにある木)が使用されています。
旧式のものは駒台もシナからできていて(新式はプラ製),子ども用でありながらも,本格的な将棋盤であるように感じられました↓
スタディ将棋の使用感
スタディ将棋の箱を開けると,ビニールで密封された将棋盤が出てきました。
将棋盤だけではなく,駒までがしっかりと封入されています。
上の写真右に見えていますが,中にシリカゲルが入れられていて木の質が悪化しないように配慮されており,実際は将棋盤の中にもシリカゲルが入っていたので驚きました。
なんといっても,スタディ将棋最大の魅力はこの駒です↓
一つ一つの駒の動かし方がわかりやすく描かれています。
成ることができる駒を裏返してみると,成った場合の動かし方が描かれています(成れない駒は裏返しても何も描かれていません)。
上の画像で言うと,上の列にある駒をひっくり返すと下のようになるものと理解してください。
次に駒台についてみていきましょう!
漢字の通り,駒を置く台のことですね。
将棋盤もそうでしたが,材質はプラスチックではなく木製ですので,良い木の香りがしました↓

駒台はこのように,駒を入れるケースも兼ねていました↓
知育玩具としては,片付けも重要な要素と考えられています。
ところで,自分は知らなかったのですが,玉(ぎょく)と王(おう)と読み方を変えて,王様の駒が2種類ありました(基本的に,年上の方が王の駒を選ぶとのことです)↓
駒のケースはしっかりとかみ合わないところもありますが,折りたたんでしまうので,別段問題はありません↓
将棋盤は折りたたみになっているせいで,1mm程度,真ん中の方が高くなります。
中心部は3cmほどの高さですが,端部分は2.9cmとなっていました。
とはいえ,使用にあたって気になるほどではありません。
それよりも,将棋盤を裏側に折り返すことで,駒の入った駒台と解説書が収納できることの方を評価すべきでしょう↓
半分のサイズでコンパクトになります。
この状態で将棋盤を上下左右に振ると,駒台が中で滑る音がしますが,しっかりと将棋盤を折って閉じているので,中で開いて駒が出てきたりすることはありません。
見た目とは裏腹に,中が空洞になっているためでしょう,重さは想像以上に軽かったです↓

さて,解説書の方も見てみましょう!
この解説書は親切にもくもんのHPでダウンロード可能なので,スタディ将棋を持っていなくても読むことができます(興味がある方は印刷してみてください)↓
しっかりとした紙質で,将棋の教科書として使えそうな丁寧な作りだというのが第一感です。
駒の動きとパワーについて書かれたルールから解説は始まり,「歩なし将棋」というものを通して,初心者が将棋を簡単に体感できるように工夫されていました↓
実践例の後には詰め将棋の問題が付いていて,やってみると下の問題がわからず,ついにはヒントを見てしまったものです。
良い頭の体操になりました。
この本をきっかけに,詰め将棋に興味を持つ方も出てくることでしょう↓

駒の動きに慣れてきたら,普通の駒を代わりに使うことが可能です。
参考までに将棋盤の枠の大きさですが,3.5cm前後のほぼ正方形をしていました。
これは標準的な駒も使用可能という意味です。
まとめ
以上,くもんのスタディ将棋のレビューでした。
スタディ将棋は,思っていた以上に本格的な将棋盤で,木製であるけれど軽く,購入者の評価が高いのも納得です。
とにかく駒の動かし方がわかりやすいので,将棋を学び始める際は特におすすめです。
もちろん,藤井聡太さんが初めて将棋に出会ったときのグッズでもあるわけですから,私のように最近「また将棋を始めてみようかな」と思われた方にとっては,モチベーションを高める意味でも勧められます。
スタディ将棋が届いて早速,観終わったばかりの藤井聡太四段と澤田真吾六段(どちらも当時の段)との28連勝目をかけた対局を再現してみたものが上の画像です。
実際に将棋盤で指しながら観戦するとすごく良いです。
景色が全然違いますし,臨場感が伝わってきます。
将棋で頭を使った後は,不思議なことに頭の回転が速くなり,難しい大学の入試問題が解きやすくなって驚きました(私は普段,塾の先生をしています)。
将棋には思わぬ附随効果がありそうで,実際「将棋を指すことで論理的な思考力が高められる」とも聞きますが,そこで培った能力は将棋以外のところにも大きく影響を及ぼしてくれるでしょう。
今後はこのスタディ将棋と共に,藤井聡太さんの対局を楽しく観戦するつもりです。
これから将棋を始められる方にプレゼントしたり,私に似た気持ちでいたりする方は是非購入してみてください↓
最後までお読みいただきありがとうございました。