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ラブレター恋文の遊び方!数分でできる駆け引き型のカードゲーム

今回は,ラブレターというミニマルカードゲームの中から,和風にアレンジされた「恋文」を取り上げてみましょう。

最近は相手との駆け引きが楽しめるものを好んで遊んでいる私ですが,ウボンゴといいHanabiといい,どうしても時間や人数が必要で,その場に2人しかいなかったり,家を出るまでの時間が短い場合などに断念せざるをえないことを残念に思っていました。

そんなときに出会ったカードゲームがラブレターであり,こちらはプレイ人数が2~4人で楽しめ,かかる時間は5~10分ということで,即購入するに至った次第です。

なお,絵柄やセット内容が多少異なるなどのバリエーションがいくつか存在しましたが,子どもたちと遊ぶことも考えると,坊主めくりは盛り上がりますし,鬼滅のヒットもあったことから,和風の恋文を選びました。

タイプとしては,勝者を1人決める心理戦になるわけですが,やってみると面白いのなんので,早速,内容をみてみましょう!

ラブレター恋文のセット内容

ラブレター恋文のセット内容

ラブレター恋文は,トランプとほぼ同じサイズ感で持ち運びしやすいデザインです。

セット内容からもそれは明らかで,説明書以外にはカードが24枚のみとなっていて,そのうち8枚は実質使わないので,16枚のやり取りになります。

ゆえにルールもシンプルなのですが,まずは,本ゲームの舞台設定についてみていくと,昔,地方の山奥に小さな山城と城下町があり,とある大名が一帯を平和に治めていたそうです。

その大名には娘がいて,気立ても良く大層美しい姫だったことから,彼女が結婚を考える歳になると,身分の違う多くの若者たちが会いに来るようになりました。

ですが,当然城内に入るわけにはいきません。

そこで城に仕えるものたちに,彼女への恋文を届けてもらうことになったというわけです。

プレイヤーは恋文を出す立場にいる若者で,そして手札はそれを預かる城内の協力者となります。

自分以外のプレイヤーがすべて脱落するか,山札がなくなったときに最も大きな数字のカードを持っていた人が勝者となる,そんな内容です。

といったわけで,カードを眺めてみると,姫を筆頭に,家老や侍が1枚ずつあります。

姫の左上には8という数字が書かれていますが,これがその手札の強さを示す他,下部に書かれているのはそのカードが使用できる能力(効果)です。

姫を捨てるなんてとんでもないことですから,

  • このカードを捨て札にしたら,あなたは脱落する

というのが姫の能力になります(笑)

陰陽師や巫女,浪人に忍びの役職については各2枚ありますが,強さが1しかない女中のみが5枚もあるのですが,このバランスが絶妙なのです↓

ラブレター恋文のカード全種類

姫以外の効果についても整理しておきましょう↓

カードの効果

家老:手札の強さが12以上なら脱落

侍:ほかのプレイヤーと手札を交換する

陰陽師:選んだプレイヤーの手札を捨てて1枚引かせる

巫女:次の手番が来るまで自分に対する相手能力を無効化

浪人:他プレイヤーの手札と比べて,弱い方が脱落する

忍び:他プレイヤーの手札を見ることができる

女中:他プレイヤーのカード名を言い当てたら脱落させる

なかなか,役職に沿った能力になっていますね。

なお,このカードゲームを作ったのはカナイセイジさんという日本の方です。

恋文は幻冬舎から出ていますが,一番最初に出たのはArclight Gamesのラブレターで,世界に向けて,洋風のお城を舞台としており,キャラクターとして兵士や魔術師などが出てきます↓

その他,付属品などが異なるものの,基本的には両者とも同じ内容です。

私はサイズ感や絵柄で恋文を選択しました。

話を元に戻しますが,先にしめした全カードの画像のうち右側に写る8枚は,恋文で使わなくてよいカードです。

正確に言えば,このうち4枚はカード情報の一覧表で,あとの4枚はアレンジ目的用となります。

後者について,例えば女子だけでプレイするのであれば,姫ではなく若殿に恋文を届ける仕様にできますし,能力が家老より少しやさしい御目付にしたり,代筆屋(捨て札にしていると,ゲーム終了時に手札の強さ+2)や妖狐(直前の捨て札と同じ内容になる)を混ぜて複雑化することが可能です。

ですが,和k殿や御目付はともかく,初回プレイにおいては,これらを使わずに進めるようにしましょう。

 

 

ラブレター恋文の準備

それでは,ラブレター恋文で遊ぶ前の準備について説明します。

まずは必要カード16枚を混ぜて,裏向きの山札としましょう↓

ラブレター恋文の山札

このとき,1枚だけ横によけておきますが,これはジジ抜きのときに行うものと似ていて,最後までその絵柄を確認することはできません。

なお,2人で遊ぶ時は例外的に,この他に3枚のカードを表向きにおいて公開し,推理の判断に使うこととします。

続いて,各自が山札から1枚ずつ引き,それを手札としますが,あとはジャンケンで最初のプレイヤーを決めたらゲームスタートです。

今回は,陰陽師を手札にしている私からのスタートとなりました(自分にのみ一覧表も配っていますが,なくても構いません)↓

ラブレター恋文開始時の様子

 

 

ラブレター恋文の手順

自分の番にすべきことですが,山札から1枚引いてきます。

ここで数字が4の巫女(これも良いカード)を引いてきたのですが,このうちどちらかを捨てて使わなければいけません(なお,家老や姫は使う能力は持たないので,捨てても何も起こりません)。

とりあえず,巫女を捨ててディフェンスに徹しましょう。

次に左のプレイヤーの番ですが,いきなり勝負に出てきました!

なんと浪人を捨て,私から見て右隣りの人と対決です!

数字が3の浪人のカードが左に出ていることを確認してください↓

2番目の手順において左プレイヤーが浪人を使用した様子

ただし,勢いは良かったものの,結果は挑んだ方の負け。

早速,左の彼が脱落しました。

なお,脱落すると,そのとき持っていた手札もオープンにして去らなければなりません

見てみると,彼の持ち札は強さが2の忍びだったので,ある意味,無謀な勝負ではありましたが,相手が女中である可能性に賭けての勝負でした。

最も枚数が多いのが女中ですので,もしかするとと周りは状況を見つめていました。

しかしそうはうまくいかず,残るプレイヤーは3人です。

続いて,対面の人が1枚引いて,忍びを使います。

私が巫女で防御していたこともあって,右の人のカードの内容をこっそりと知ることを選びました(すごくニッコリしていたのが不気味です)。

なお,この時点で忍びは使い切ったことになります(全部で2枚しかないので)。

次に右の人の番ですが,忍びによって中身を知られたカードを捨てず,女中を使って私のカードを知りに来ました。

ただし,私は巫女を使っています。

ゆえに効果は無効となり,何も起こりません。

ですが,一体どうしてわざわざ女中のカードを使ってきたのか,すでに中身を知られているカードを持ち続けているのかは考えどころです。

さぁ,ここで私の番ですが,女中を引きました↓

手順の5で再び私の番となった時の様子。陰陽師と女中がある

あなたならどうしますか?

左の陰陽師は選んだプレイヤーの手札を捨て札にし(このとき,能力を「使用」することはできない),山札から1枚引かせられるカードで,右の女中は相手の持つカードを当てると相手を脱落させられるカードです。

この流れなら,陰陽師の方ですよね。

右のプレイヤーの手札を捨てさせましょう。

先ほど,向かい側の人が鬼の首を取ったかのような嬉しそうな表情をしてましたからね。

なんと,右プレイヤーが持っていたカードは姫でした!

本来ならば,手札を捨てた後に山から1枚引くのですが,途中で脱落したら,その後の効果は無効となるため,姫を捨てた時点で右プレイヤーは脱落し,山札から1枚引くことはしません。

残るは,対面の相手と私の一騎打ちです。

相手は次のターンで家老を捨ててきました。

数字は7の強いカードですが,まだ陰陽師(強さ5)や侍(強さ6)が残っていますからね。

おそらく,家老を持ち続けてそういったカードを引くと脱落となってしまうことを恐れてのことでしょう。

逆に考えると,対面の持つカードはこれら2つではないことがわかります。

次に私の手番ですが,侍を引いてきました↓

手順7で私は侍を引きました

相手と交換できるカードなので,ちょっと交換してみますか。

なんと,相手も私と同じ女中を持っていました(笑)

次は相手のターンですが,女中だとわかっている私に対して,相手も女中を使うわけにはいきませんので,たった今引いてきた浪人を使ってきましたよ(というのも,女中は相手のカードを女中とだけは言うことができないからです)。

相手との数字勝負となりましたが,「両者が同じ数字のときは何も起こらない」という設定なので,そのまま私の番となりました。

良いカードよ,来い!

ここで来たのは陰陽師です。

相手のカードが女中であることを知っているだけに,ここで女中を使うわけにもいかないかと思うので(実際それだと100%負けます),ここでは陰陽師を使ってみたときのその後の展開について考えてみますしょう(陰陽師は自分に対しても使用することができます)。

簡易化してみると,このような状況です(裏返しのカードのうち2枚が山札で1枚は最初に伏せたカードで使われません)↓

最後の1つ前のターンの様子

まずは,陰陽師を自分に使った場合で考えてみましょう。

山札の中身ですが,これまでの捨て札から判断すると「女中が2枚の巫女が1枚」です。

とすれば,山札のカードは3分の1の確率で巫女のはずで,それを引いた場合,相手は次のターンで女中を引くことになり,私の手札が巫女だと言うしかないため,私の負けが決まってしまいます。

逆に,もしここで私が3分の2の確率で女中を引ければ,相手が手にする最後の手札は巫女か女中のいずれかとなり,相手が女中を引いたら引き分け,巫女を引いたら負けになるという結末です。

つまり,

私の勝つ確率は0,引き分けの確率は「3分の2×2分の1=3分の1」,負けは3分の2

となります。

一方で,陰陽師を相手に使うとどうなるでしょうか。

相手は女中を捨て,1枚を引いた後にもう1枚(つまり残りの山札全部)を手にします。

その内訳が,もしも女中2枚であればドロー,巫女が入っていれば数字勝負で相手の勝ちです。

相手が女中を2枚手にする確率は3分の1ですが,巫女が入る確率は3分の2もあります。

つまり,この場合も,

私の勝つ確率は0,引き分けは3分の1,負けが3分の2

となります。

よって,今回はどちらを選んでも私が勝つことはできなかったので,引き分け狙いが最高の結果ということがわかりました。

実戦では,私は相手に陰陽師を使い,相手は女中を使ってきたので,結果は引き分け。

内容としては,以下のような状態になったということです↓

ラブレター恋文の最終勝負の結果

最初,裏向きにしたカードは巫女だったのですね。

 

 

まとめ

ラブレター恋文

以上,ラブレター恋文のセット内容からカードの説明,さらには遊んだ時の様子を1回戦分再現してみましたが,なんとなくでも,このゲームの心理的な駆け引きが伝わったのでしたら幸いです(わかりづらかったらすみません)。

今回紹介した戦いでは,無謀な左プレイヤーが1ターン目という早期に脱落し,2ターン目ではまさかの姫が右プレイヤーから捨てられることになりました。

残るプレイヤーは2人となりましたが,最後の最後で何とか引き分けに持ち込むことができ,私も胸をなでおろした次第です。

いずれにせよ,このように1度でもプレイしてしまえば,次からは,カードの効果の一覧表を見ずとも,簡単に遊べそうな気がしてきませんか。

確率の計算については別として,初めて遊ぶ相手が子どもであっても,すぐにルールを覚えてくれました

持ち運びに優れ,一勝負にかかる時間はわずか5~10分です。

運も勝敗に影響してくるゲームですので,絶対的な誰か1人が勝ち続けるようなこともありません。

協力型のゲームではないですが,後味が悪いものでもないので,多くの人に好まれるカードゲームだと思います。

頭の中で長時間計算されないよう,カードを引いてから捨てるまでの制限時間を決めてもよいかもしれませんが,心理戦もこのゲームの醍醐味なので,そういった時間も楽しめる余裕が欲しいところです。

実際,最初から最後まで姫を持ち続けていた人が,最後の最後で女中と交換させられたりすることもありました。

勝ち方にはかなりの数が考えられ,名局と呼べそうなものも生まれていますが,そのとき,決まって場を盛り上げるのは,最初の方に脱落したプレイヤーだったりしますから,各々見せ場は作れるという意味で,負けても楽しめるゲームでもあります

現に,今回の場合,左プレイヤーの人が無謀な戦いに挑んだからこそ,右プレイヤーの姫を捨てさせることにつながったわけですし,最後まで楽しそうにしていたのも彼でした。

是非,みなさんも,ラブレター恋文というカードゲームで,心に残る名勝負を繰り広げてみてください!

ありがとうございました。

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