子ども時代に学んだ知識というのは長い間経った後でも意外と覚えていて,社会でも役立つことが多くあります。
今回はくもんの「地図パズルシリーズ」から,グローバル化が進む社会を生きていく子どもに勧めたい
世界地図パズル
のレビューの方,していきましょう!
こちらは簡単に言えば,世界の地図を材料にしたパズルやすごろくなどで遊ぶことができ,自然と国名や位置について学ぶことができる代物です。
ちなみに,「世界に目を向ける前に日本のことから」と思われる方には,「日本地図パズル」の方も売られているので,そちらから始めてみるのがいいでしょう↓↓
世界地図パズルのパッケージとセット内容
「くもんの世界地図パズル」は対象年齢5歳以上で,いわゆる知育玩具に属するおもちゃです。
販売するのは,スタディ将棋やこどもえんぴつのレビューでもお世話になった「くもん出版」。
同シリーズとしては先に紹介した日本地図の方がよく売れていますが,役立ち度(知っていると恥をかかずに済む大きさ)としてはこちらも負けてはいません。
特徴としては,大きな州別のピースから始めて,最終的には国別のピースをはめられるようにステップアップしていけるという「スモールステップ」の学び方が挙げられます。
このパズルで遊ぶと高められる能力ですが,
- 手先の器用さ
- 手と目の扱い(協応作業力と呼ぶそう)
- 知識の幅
- 集中力と達成感
- 自ら学ぶ力
- 親子のコミュニケーション
など挙がっており,詳しくは次章以降,実際に遊びながらみていくつもりですので,ここでは「沢山あるんだな」とだけ思っていただければよいかと。
結構な歳になってしまった自分ですが,州や有名な国以外の,特にアフリカやアラブ諸国に関しての名前はほとんど覚えられていません。
そんな私が子どもにそれ以上を求めるのもなんだかあれですよね。
これを機にしっかり学び直してみたいと思います。
セット内容についてですが,私が本作を購入したのは2019年1月のことであり,2020年2月からはリニューアルしてさらに充実していることをご了承ください(メインは同じですが,赤で色を付けた付属品に違いがあります)↓↓
- パズル台1個
- 州別ピース14個
- 国別ピース85個
- 国名確認地図(裏面:世界遺産すごろく)
- コマ・サイコロ用シート
- 世界の気候区分(裏:世界の言葉)
- ピース収納袋1枚
- 州別白地図6枚
- 解説書&世界の国旗チェックブック
国の数は全部で196ヶ国あるそうなので,ピースに掲載されていない国も結構あるのはしょうがないですね。
また,1ピースに1国名とも限らず,子どもが持って遊ぶ大きさに適さないものは2つ以上の国名が1ピースに書かれているものもあります(もっとも「国名確認地図」でそういった国をすべて確認できます)。
遊び方のレビュー
さて,これから世界地図パズルでの遊び方についてみていきますが,子どもと遊ぶ際に注意するのは,「つまらない,できない」と思わせてはいけないということです。
棋士の藤井聡太さんが将棋の楽しさを知ったのも,祖父母が素人で弱く,子どもでもすぐに勝てるようになったからだと語っています。
簡単な段階から1つ1つ成功体験を積み重ねていく「スモールステップ方式」というのは,くもんの十八番と呼べるお家芸です。
同梱されている解説書通りの遊び方に沿ってやっていけば問題ありません。
ステップ1:州別ピースのみで遊ぶ
まずは州別ピース(藤色のみのパーツ)で遊んでみましょう!
ある程度知識のある大人は別として,何も知らない子ども,しかも文字も読めない子どもにとっては,この州別ピースの段階さえ難しいと感じるようです。
どのような過程で子どもが学んでいくのかを実際に見せてもらいながら,できない場合であっても辛抱強く待ちましょう。
大きな州をはめると島国のパーツだけが以下のように残ります↓↓
日本もアジア州の一つなんですね。
こういったパーツにも一つ一つ州の名前が書いてあるので、教育的な価値を感じます(さすがに送り仮名までは入りきらなかった様子)。
そしてこれが完成形となります↓↓
ステップ1で使うのは1色からなるパーツだけなので,ちょっと味気ない出来にも思えますが,色に頼らずやらなければならないため,観察眼は鍛えられましたし,扱いにも慣れることができました。
ステップ2:1つの州だけ国別ピースを使う
ステップ2では1つの州だけ国別ピースに置き換えて遊びます。
国別ピースの数が少ないものから置き換えるのがスモールステップのコツのようです。
数が少ない順に並べると,
- オセアニア州
- 北アメリカ州
- 南アメリカ州
- ヨーロッパ州
- アジア州
- アフリカ州
の順番です(色も合わせてみました)。
一番少ないオセアニア州で3ピース,アフリカ州ともなると28ピースもありますので,州別ピースより難易度は圧倒的に高くなりますね。
ステップ1では「オセアニア州」と一括りにされていたものも,国別ともなれば,オーストラリア・ニュージーランド・インドネシア&パプアニューギニアのように別の3ピースです。
また,表面の材質なども色々工夫されているのは明らかで,子どもがもし舐めてしまっても安全なものを予算を考えながら選別するのは,思った以上に大変なことなんでしょうね。
ステップ3:国別ピースを使う州を少しずつ増やす
上の色分けを参考に,少しずつ州を国別ピースに置き換えて慣らしていくのが第3段階です。
パズル的には複雑な部分を先に見つけるようにするといいのでしょうが,子供はきっとそれを自然に学び取るのでしょう。
大人の口からはあえて何も言わずにおきます。
自ら学ぶ力というのは,そういうところから芽生えるものなのでしょう。
しかし,北アメリカ州を組み立てただけでも,アメリカ本土が思っていた以上に小さいことに気づいたり,思わぬところに書いてあったハワイ諸島の位置が新しい発見だったりと,大人でも多くを学べる仕上がりになっているように思います。
ちょうど「親も子供と一緒に遊ぶとコミュニケーションが取れてよい」とありましたので,これは一石二鳥ですね!
解説書にはこれでもかというくらいに詳しく,遊ぶ順について書かれていることには驚きました↓↓
これほどまでに,くもんは独自の学習法を徹底しています。
ステップ4:すべての国別ピースを使って遊ぶ
そして最後の段階がこちらです。
色分けされているのを頼りに,最初私だけでやってみたときには10分ほどで完成させられましたが,やはり自分の手で置くと記憶に残りやすく感じます。
そういえば昔,塾の先生に,
「国境がまっすぐ引いてあるのは不自然じゃない?そういう国は住民が立ち退きを余儀なくされた歴史があるんだよ」
と教えてもらったことを思い出しました(植民地だった国に多くみられます)↓↓
他に感じたこととして,旅行した国のことをよく覚えているように,遊びを通して楽しく学んだ知識というもの(それも子ども時代に覚えたもの)も忘れにくいということです。
その対象がどうでもよい知識(アニメキャラの生年月日や技名など)ではなく,社会で役立つ機会が多いと思われるものに関しては,記憶力の優れている若いうちに覚えておいてほしいというのは,多くの親の共通の願いでしょう。
その他の遊び方
ここではメインのパズル以外に使えるものを紹介しますが,まずは「国名確認地図」と呼ばれるものからです。
すべての国についてここで確認できるので,仕上げにこちらの上に国別ピースを載せて遊ぶことができます。
その他,白地図も入っているので塗り絵をするのもいいですし,小学校の自由研究など,世界地図に習熟するための工夫ができそうです↓↓
州別ですが,コピーすればいろいろと遊べます。
リニューアルで追加されたすごろくはサイコロとコマ付きですし,世界遺産や気候図は中学生の社会の授業にも使えそうだと感じました↓↓
まとめ
以上,くもん出版の世界地図パズルのレビューでした。
遊び方の手順としては,
- 州別ピースのみを使った低めの難易度で開始
- 1つの州のみ国別ピースに置き換えて遊ぶ
- 複数の州を置き換える
- すべて国別ピースにして遊ぶ
といった基本的な遊び方のほか,付録を随時取り入れたり,時間を測ってタイムアタックをするのもいいですね。
白地図は自由研究や社会の勉強には大いに役立ちます。
私が挑戦した中で最も難しかったのは,何の頼りもなくアフリカを作ることでしょうか(笑)
大人であれば,スマホのアプリを探せば世界地図について学べるパズルに簡単に出会うことができるでしょうが,子どもにとっては,手を使って実際に触れてみること自体にも価値があるように感じました。
「あのとき世界地図パズルを一緒に遊んだから,今とっても役立っているよ!」なんて将来子どもに言われることを夢見て,是非やってみてはいかがでしょう↓↓