前回は9マス将棋の魅力について言及しましたが,今回は購入してきた「9マス将棋」を実際に使ってレビューの方してみたいと思います。
本記事では,上で紹介した3種の神器(本体・カード・本)すべてが登場しますが,使ってみて思うのは「余裕があればぜひとも全部揃えてほしい」ということです。
この3種を揃えて初めて9マス将棋の真の姿が見えてくると言っても過言ではありません。
それでは本体の方から,早速レビューしていくことにしましょう!
9マス将棋本体のレビュー
9マス将棋の本体は,ちょっと大きめの参考書サイズの箱に入っています。
裏面はこんな具合になっていて,9マス将棋にまつわる簡単な説明と,セット内容が書かれていました↓↓
初期配置についてはカードを購入すると56種類にまで増えることについては別の記事ですでに言いました。
早速開けてみましょう!
字体が優しくて親しみを持てます。
中身を確認すると,
- 駒2セット(8種類×2)
- 3×3の将棋盤1枚
- 遊び方ガイド1冊
となっています。
まずは駒からですが,サイズ的には普通の駒とほとんど変わりません↓↓
上段の「9マス将棋」の駒に対して,下段に並べたのは,藤井聡太さんが将棋を始めるきっかけとなった「スタディ将棋」の駒です。
なお,9マス将棋では,王・飛車・角行・金・銀・桂馬・香車・歩をそれぞれ1枚ずつ使うので,これら8枚の駒がもう1セット入っていることになります(王のみ玉になります)。
続いて将棋盤を見ていきましょう↓↓
これまたスタディ将棋の将棋盤の上に,9マス将棋の盤を乗っけて撮影してみましたが,マス目は同じかやや大きめです。
なお,通常の将棋盤との一番大きな違いは,本製品の将棋盤が紙製だということです。
材質としては色紙を思い浮かべていただくと宜しいかと思われます。
かなり硬めの紙質ですが,木の板ではないので,曲げれば折れるので,扱いには多少注意が必要です。
裏面にしてみると色紙感が強まります↓↓
とはいえ,実際この紙製の将棋盤に,先ほどの駒を打ってみると,
ピシッ!
…なかなかいい音が出ます。
紙製なので軽くて値段も安いので,悪いことばかりではないのです。
木製のものと違って変にささくれやらができないのもメリットと呼べるでしょう。
私の場合,とにかく音が印象的でした。
実際に将棋盤に駒をセットすると,こんな感じになります↓↓
とにかく見た目がスタイリッシュではないでしょうか。
そして最後に紹介するのが「遊び方ガイド」です↓↓
表紙が目次を兼ねており,大きく分けて2部構成になっています。
全部で32ページからなる結構なボリュームの小冊子です。
前半の11ページでは将棋のルールが語られます。
具体的な内容としては,
- 将棋の基本(挨拶の大切さ・駒の並べ方・符号の呼び方)
- 駒の名前と動かし方
- 駒を取る,使う,成るの説明
- 王手と詰み
- 反則と特殊ルール(禁じ手と千日手)
- 詰め将棋の練習問題が6問
となっていて,9マス将棋に留まらず,通常の将棋(本将棋)の説明も載っています。
初心者は,ここで将棋のイロハを学ぶことができそうです。
次に後半部ですが,いよいよ9マス将棋を実践していくことになります。
最初にルール説明と遊び方があり,その後「40個の初期配置」が書かれているので楽しみましょう!
紹介されているルールは以下の通り↓↓
- 駒は全部で16枚
- 駒の動かし方や基本的ルールは本将棋と同じ
- 「成る」マスは敵陣の一段目
- 手番はジャンケンなどで決める
また,遊び方においては,
- 書いてある初期配置(ここでは40通り)の1つを選び,駒をその通りに並べる。
- 交互に一手ずつ駒を動かし,先に相手の玉を詰ませた側の勝利。
という簡単なものです。
もちろんこんな初期配置もあって,一手で終了してしまうものもありますが↓↓
上級編ともなると,プロ棋士も考え込んでしまう配置図も収録されています↓↓
初期配置の内容についてまとめると,例が1種,入門8種,初級8種,中級8種,上級15種類の計40種類で,答えは例と入門についてはすべてあります。
9マス将棋+スタディ将棋の駒
9マス将棋とは関係ないですが,まずは「9マス将棋」に先ほど紹介した「スタディ将棋」の駒を組み合わせた使用例を,ぜひ紹介させてください↓↓
サイズもピッタリで,何より駒の動かし方が書いてある分,わかりやすさがUP!
さすがに駒台まで使うのはやりすぎでしたかね↓↓
もし,初心者の方を相手に9マス将棋で指導する場合には,こういった組み合わせも十分に考えられるのではないでしょうか。
9マス将棋カードのレビュー
ここからは,3種の神器の2つ目である「9マス将棋カード」のレビューをしていきましょう。
外観ですが,「9マス将棋」に似たデザインになっていて,裏面には遊び方やセット内容などが書かれています↓↓
大きさを比較すると「9マス将棋」の半分くらいです↓↓
この「将棋カード」の中身はこんな感じ↓↓
初期配置カードは全部で56枚あり,オリジナルの初期配置が40種類だったのに対して16種類多く載っていることになります。
また,こちらの遊び方ガイドはわずか4ページの簡易的なもので,駒の動かし方の一覧も以下のようにありますが,
特筆すべきは,やはり「9マス将棋カード」を使った対戦について言及されていることでしょう↓↓
- 56枚の初期配置カードをシャッフルし,裏返して盤の脇に置く
- ジャンケンなどで先手と後手を決める
- 先手番がカードをめくる
- めくったカードに従って対戦!先手番から交互に駒を動かし,王を取ったら勝ち
なお,ゲームの勝敗については,
- 複数回対戦し,勝ち星が多い方を勝ちとする
- 複数回対戦し,勝者が★の数だけ勝ち点を得て,その合計が多い方が勝ち
というのが例として挙げられています。
後者の「★」というのは何かというと,各カードに書かれている★の数のことで,難易度によって1個から5個までの星が,各カードに割り振られています。
例えば,最初に紹介した9マス将棋「本体」の遊び方ガイドに載っている入門レベルの初期配置がこちらなのですが↓↓
「カード」の方では,同じ例が★の数によってレベル分けされています↓↓
なお,共通でない例も見受けられました。
単純に初期配置が16種類が足されたわけではなさそうです。
実際の対戦風景はこのような感じになります↓↓
まとめると,この「カード」は,9マス将棋のゲーム性を高めるのに最適です。
初心者であっても,運によって一手詰めのカードを手にすることができればどんな有段者にも勝てる可能性があるわけで,そういった楽しさもこのゲームの醍醐味でしょう。
以上の意味で,この「将棋カード」はあらゆるレベルの方におすすめです。
9マス将棋の本のレビュー
最後は「9マス将棋の本」についてのレビューです。
赤色を基調としていた,これまでの「本体」と「カード」に比べて,これだけ表紙が黄色くなっています。
羽生善治氏の推薦コメントも目立っていました。
中身については,ルール説明から始まり,入門編・初級編・中級編・上級編と章ごとに解説が続き,最後にオリジナルの初期配置が10問用意されています。
最後の問題ともなると20数手後にようやく決着するということで,すごい読み筋になりますね(この問題にのみ解答はありません)。
もう少し詳しく見てみると,入門編では「金」などを使った詰みの形を解説(あくまで9マス将棋での話),初級編では9マス将棋に出てくる「金・銀・飛・角・歩」の使い方(戦術)にまつわる解説があります。
上の画像には「頭金・腹金・尻金」といった単語が出てきており,最近動画などの将棋解説でそういった単語もちらほら耳にしていて気になっていたので,今回勉強になりました。
中級編は「歩」にまつわる解説が,そして上級編では「桂」を使った形や持ち駒が多い形などの特殊な例を解説しています。
これら○○編においては,すべてに正解の解説手順が書いており,実際に一手ずつ動かしながら,9マス将棋をじっくり研究することができる点で優れています↓↓
なお,本の一番最後に本将棋の基本的なルールが載っていますが,駒の動かし方や呼び方含めて「本体」を買ったときについてくる遊び方ガイドと内容は同じです。
9マス将棋から初めて本将棋に移行していくという流れで考えれば,この章構成は自然な流れだと言えるでしょう。
本全体を見ると,9マスという性質上,図が簡潔になる分,例が豊富でわかりやすいように感じます。
自学自習できる本書も,将棋の醍醐味は研究にもあるわけですから,やはりおすすめです。
まとめ
以上が「9マス将棋」とそれに関連した商品のレビューになります。
私が勝手に命名した「3種の神器」に加え,「スタディ将棋」の方も是非揃えてみてください。
最近は,あまり親や友達から将棋を習わないのでしょうか。
自分の周りにいる今どきの子どもたちは,将棋のルールを意外と知らないんですよね。
こんなに楽しい将棋の世界,知らずに終わるなんてもったいないなって思います。
そういった子が周りにいる方は,是非この9マス将棋を使って,一緒になって遊んでみてください!