藤井聡太さんの応援を続けている私ですが,将棋は観るだけでも結構な時間がかかりますし,自分が対局する場合は,しっかりと環境を整えて打つ手に集中しないといけず,それだからこそ深みが出て面白いのですが,気楽に取り組むことはできません。
例えば,以前にレビューしたナインタイルであれば,初心者相手であってもルール説明が短時間で済み,気軽に遊び始められます。
しかし将棋の場合は,本などの教材の助けなしにルールを説明することすら困難です。
そんなとき,駒の動かし方は将棋と同じでありながらも,より気軽に遊べる「9マス将棋」であれば問題が解決します。
似た目的のミニサイズの将棋盤として,「どうぶつしょうぎ」も有名ですが,そちらは見た目が実に子ども向けです。
その点,こちらの9マス将棋は硬派な感じで,大人であっても非常に遊びやすいように思います。
9マス将棋とは
9マス将棋ですが,その名の通り「9マスの将棋盤を使って遊ぶ将棋」です。
普通の将棋(本将棋)では9×9の81マスの将棋盤を使って戦いますが,こちらは3×3の9マスにまで小さくしたものを使います。
マス目が小さくなったのはわかるけれど,駒はどうするの?
ルールはどうなるの?
どういった人が使うおもちゃなの?
これらの疑問を一気に解消するためには,上の動画を観てしまうのが一番です。
内容を簡単にまとめてみると,以下のようになります↓
基本情報
商品名:9マス将棋
発売:2016年8月25日。幻冬舎より
セット内容:3×3の将棋盤と駒が16枚
ルール:通常の将棋と基本は同じ(後述)
対象年齢:6歳以上
その他:考案は青野照市九段。日本将棋連盟監修
盤面が小さいため,ほぼ最初から王手の応酬になるので,「詰み」についての感覚が特に養われます。
基本的に生き残る道は1つしかないように思いきや,決してそのようなことはなく,初心者に将棋の面白さを知ってもらう以外に,中上級者が遊んでも取り組みがいのあると感じる局面が待ち受けているようです。
ルールや遊び方について,次章でもう少し詳しく見てみましょう!
9マス将棋のルールと遊び方
まず駒についてですが,この9マス将棋では,各プレーヤーが同じ8枚を使います。
具体的には,
- 王(正確には王または玉)
- 飛車,角
- 金,銀
- 桂馬,香車
- 歩
が1枚ずつです。
通常ルールであれば,潤沢に使えるはずの歩すら,各自が1枚ずつしか持てないことに驚いた他,9マスしかないのにこれら16枚をどうやって置くのかと最初は疑問でしたが,「初期配置」というものがこれら悩みを解決します。
初期配置は40通り(カードを別に購入して遊ぶ際は56通り)に定められており,指示に従って駒を配置し,さらには持ち駒も指定された状態でのスタートです。
駒を16枚全部使うことはありませんでした。
それどころか,最難関である上級の局面においても,初期配置はわずか4枚で,持ち駒がお互いゼロの状態で始まります。
もちろん,初期配置を自由に定めても構わないとのことですが,基本的には,
- 初期配置のパターンを選んで駒を並べる
- 交互に一手ずつ駒を動かし,相手の王を取ったら勝ち
というシンプルな遊び方に従うのが良いでしょう。
駒の動かし方は通常の将棋と変わりありませんが,将棋盤の縦横が通常の3分の1になっているということで,駒が成れるマスは敵陣の一段目のみとなっています。
なお,先手番はじゃんけんで決めるので,多くの場合,後手番が不利です。
9マス将棋の関連商品について
これまでに発売された,9マス将棋に関連したグッズは3種類あります。
これらをすべてを揃えることで,9マス将棋の面白さを余すことなく味わうことができました。
9マス将棋の世界で「3種の神器」とも呼べるであろうものの正体は,ずばり
- 本体
- カード
- 本
です。
本体
まずは,9マス将棋の核となる盤と駒のセットからです。
というか,この本体がなければ始められません。
詳しいレビューは別に記事にしてありますが,遊び方ガイドが30ページを超えるボリュームになっていて,先ほどの初期配置や遊び方以外についても色々書いてあります↓
9マス将棋カード
一つ目に紹介した本体だけでも遊べますが,この「9マス将棋カード」は,楽しみ方を広げてくれるのでおすすめです。
9マス将棋が発売されてから3ヶ月ちょっと経って発売になったこともあり,本体を発売した当初に不足していた「遊び心」をプラスしてくれます。
このカードを使うことで,初期配置は56種類にまで増え,より楽しく対戦できるはずです↓

カードには,初期配置だけでなくレベルも書いてあります。
また,このカードを裏返してシャッフルして遊ぶようにすれば,運の要素も多分に取り組むことができ,実力差を減らしてより楽しく遊べるようになるわけです。
初期配置の決定は,本を開いて1つ選ぶよりも,このカードを使って運に身を任せる方が平等に見えるでしょう。
また,工夫次第で色々な遊び方ができるところもこのカードの魅力です。
詳しくは先に紹介した記事に書きましたが,例えば,レベルの数を自分の得点にするなど,この将棋カードを使うことで初めて9マス将棋の真の魅力が引き出されると言っても過言ではないでしょう。
9マス将棋の本
こちらはカードよりも後に発売となった,9マス将棋の解説本です。
いくつかの初期配置から初めて,「歩を打つとどうなるか」,はたまた「金を打つとどのような変化が待ち受けているのか」や「こういった作戦はどうだろうか」などの解説が充実した,実に教科書的な指南書となっています。
9マス将棋自体は2人で対戦するものですが,この本は1人で読み進めることができるので,この本で学びつつ,実践に備えるという使い方が可能です。
なお,この本の著者は考案者自身ですので,9マス将棋のバイブル的存在になることは間違いなしでしょう。
全部で112ページで,図も多く載っていてわかりやすいです。
こちらについても先のレビューをお読みください。
購入者の声

ここでは,実際に9マス将棋を購入した方がどのようなレビューを寄せているのか,魅力別にまとめてみましょう!
気軽に楽しめる
たった9マスしかないので,すぐに対戦が終了して詰まらなく感じられるかと思いきや,逆に,早く終わるからこそ気軽に楽しめるところが9マス将棋の魅力のようです。
旅行のちょっとしたスキマ時間に遊んでみたり,将棋を始めたばかりの子どもを相手にしてみたりと,遊ぶ場面を選びません。
楽しい
もちろん,楽しくなければゲーム(知育玩具)としては採用されないでしょう。
ルールが単純だからこそ理解しやすく,将棋の面白いところとされる,「駒を取る・成る・打つ・王手する・詰む」をすぐに体験できてしまうところが,9マス将棋にしかない大きな魅力です。
本将棋の導入にピッタリ
9マス将棋は「どうぶつしょうぎ」を卒業した子どもや,初心者に駒の動かし方や将棋のルールを教えるはじめの一歩に向いています。
最近では5五将棋も登場していますが,それならば本将棋の方が良いように個人的には思いますし,学ぶ目的ならばスタディ将棋があるわけです。
9マス将棋は,最小と呼べるサイズ感で本将棋に役立つ多くのことが学べるので,パッケージに書かれていた「単純だけど奥が深い」というキャッチコピーそのままの感情を抱くことができます。
9マス将棋はTVでも紹介されました

2017年9月22日の19時,フジテレビ系列の芸能界特技王決定戦「TEPPEN」2017にて,この9マス将棋が取り上げられました。
出場者は,森本レオさん,つるの剛士さん,神木隆之介さん,そしてザブングル加藤さんでした。
記念すべき第1回ということで,芸能界で将棋の腕に自信がある4名が選出されたわけですが,ゲストは加藤一二三九段で,特別解説として竹俣紅女流初段が招かれていたものです(当時の段位になります)。
将棋のルールがわからない方でも楽しめることが大いに伝わってきただけでなく,選抜メンバーに抜かりがなく本気だったところが良かったです。
四段ですが,上のような豪華メンバーが集った「TEPPEN」だったので,番組の放送直後に,この9マス将棋が入手困難になってしまったことは言うまでもありません。
今では再販がかからないのか,中古でしか入手できない場面が増えてきました。
しかし,本来は実力のある玩具ですし,流行に流されるものではありませんので,是非機会があったら入手しておくことをおすすめします。
まとめ
以上,幻冬舎の9マス将棋の魅力を紹介してきました。
特に難しいルールはなく,小スペースで遊べて時間がかからないところが魅力です。
カードや本を一緒に揃えると,楽しさは倍増します。
本将棋と異なり,運の要素がほどよく含まれているので,子どもや初心者を相手に将棋を楽しむ際にはぴったりな知育玩具でしょう。
本を読み進めれば,1人であっても強くなれますし,将棋の世界にのめり込む最初の一歩となるはずです。
TV番組の中で,プロ棋士が考え込んでしまった問題もあり,単純に将棋のルールを知らない初心者だけのものではないところも魅力だと思います。
値段的にも数千円出せば,上で紹介した3種の神器すべてが買えてしまうので,興味がある方は是非揃えてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
