今回はテンデイズゲームズ社の「私の世界の見方」というカードゲームをレビューしてみようと思います。
相手のことをどれだけ理解できるかが鍵となるカードゲームですが,扱うジャンルは「言葉」です。
プレイ人数は最大9人までと,かなりの大人数でも楽しめます。
それではユニークなルールを含めて,使用感の方,まとめていきましょう!
私の世界の見方とは
セット内容は取り扱い説明書の他,「私の世界カード」が90枚と「それカード」が392枚となっています。
前者がどのようなものかと言いますと,上記画像の右上に見えているカード群となりますが,両面に文章が書かれているもので,これがいわゆるお題です。
一方,右下のそれカードですが,これだけですと確認できるのは吹き出しのイラストのみですが,めくると裏に単語が書かれています。
使うカードの種類としてはこれだけなので大変にシンプルですが,カードの枚数はかなり多く,箱の大きさ的には百人一首とか英語の辞書くらいのサイズとなっているでしょうか。
ゲームの目的を簡単に言えば,対戦相手と言葉遊びを楽しむためのカードゲームで,技術というより感性が問われます。
生まれはスイスで,Urs Hostettler氏による作品だそうです。
とはいえ,日本には和歌の文化がありますし,最近だと流行語大賞もあるくらいですから,こういった言葉遊びのゲームは受け入れやすいのではないでしょうか。
なお,日本語版は先述の通り,日本にあるテンデイズゲームズが作成しています。
プレイ人数は2人から9人まで遊べて,対象年齢は10歳以上です。
私の世界の見方の遊び方
それではゲームの準備に移りますが,ここでは4人以上でプレイする場合のルールを説明します(2人や3人で遊ぶ場合は,配るカードの枚数などに違いがあるので,2つ先の章をお読みください)。
前章で紹介した私の世界カードは分かりやすさを重視し「お題カード」と呼ぶことにしますが,こちらをよく切って山札とします。
次にもう1種類あったそれカード(回答カード)を1人に12枚ずつ配ってください。
残った回答カードは,裏向きのまま複数の山札に分けて置きましょう↓↓
ゲームの所有者が最初の親となり,お題カードを1枚読み上げます。
ここでは,
価値がありそうに思えて,実はそれほどでもないものは○○です
というお題だったとしましょう。
それを受けて,他のプレイヤーはカードにある「○○」の部分にふさわしいと思われるカードを自分の手札の中から1枚選び,お題カードの上に重ねなければなりません。
例えば,みなさんが以下のような手札を持っていたとして,一体何を選ぶでしょうか↓↓
ここでのポイントは,親プレイヤーの気持ちになって考えてみることです。
自分が面白いと思って「ここにいる人たち」を選んでみても,プライドが高い人が親であれば,まったくウケないかもしれません。
反骨精神を持っている親であれば「礼儀作法」を選んでくれるかもしれません。
私はこのとき「割れた腹筋」を選びました。
というのも,親プレイヤーがかつて運動部に所属していたことを知っていたからです。
回答カードを出すときは裏にして置かなければなりませんが,これはつまり,誰が出したのか親側からはわからなくするために行います。
さらにその後ダメ押しではないですが,親プレイヤーが回答カードの山から1枚を取ってそれらに加え,混ぜた中から1枚選ぶことになるわけで,もちろん子プレイヤーは自分が出したカードを特定させるような物言いをしてはいけません。
例えば,私が親に向かって「お前は前に運動部だったからきっと選んでくれるだろうなぁ。」などと誘導することは禁止です。
あくまで,親プレイヤーが冷静に中立の立場で判断できるよう,みんなが協力してください。
最も気に入った1枚を決めたら,親はそれをみんなの前で発表します。
この後においては,どんなコメントをしてもOKです。
理由を問いただしてみるだけでなく,第2位やビリを発表しても面白いでしょう。
得点と2回戦について
親に選ばれた回答カードを出した人が得点できます。
このとき,お題カードをもらうようにしてください。
これが得点の代わりになるので,自分の前に置いておきます。
さて,この後に回答カードを補充するのですが,得点した人とそうでない人の間に差が付けられており,獲得したお題カードと手札が合わせて12枚になるように補充すると覚えておきましょう。
つまり,得点できた人はお題カードを1枚もらってしまったので,手札のマイナス分とそのお題カードのプラス分が相殺して手札を追加することはできず,2回戦は11枚の回答カードで戦わなければならないということです。
最初はまだ良いですが,4人プレイの場合,お題カードを最終的に7枚取らなければ勝利とならないため,最終戦は手札が6枚の状態でやらなければならなくなります↓↓
6枚のお題カードを取得しているため,手札と合わせて12枚になっていることを確認してください。
このとき隣に1度も勝ててない人がいれば,その人の手札(12枚)の半分しかないことになるので,それだけ良い回答が選びにくくなっているわけです。
さてここで,親がプレイヤーからでなく,山札から引いたお題カード(大体は脈絡のないカードになるはず)を選んでしまったときの処理について触れておきますが,そのときは「親の失敗」となり,これまでに獲得したお題カードから1枚捨てなければなりません。
そして同じプレイヤーが再度親をしなければならないわけで,他のプレイヤーも含めた全員がお題カードを補充してから再開します(親もお題カードを1枚失っているので,ここで1枚補充してください)。
ただし,獲得したお題カードが1枚もない場合に失敗しても,得点がマイナスになることはありません。
勝利条件と2~3人プレイについて
プレイ人数によって,最終的な得点(獲得枚数)は異なりますが,
- 4人なら7枚
- 5人なら6枚
- 6人なら5枚
- 7~9人なら4枚
が勝利条件です。
それでは2~3人でプレイする場合はといいますと,やや特殊なルールとなります。
3人でプレイする時は,手札を12枚から15枚にし,親が山札から加えるお題カードも1枚から3枚に増量しなければいけません。
ただし失敗したときのペナルティーがやや緩くなり,1回目に失敗しても得点のマイナスはなし,2回続けて失敗したときにのみ得点を失うことにしてください。
この場合の勝利条件は5枚となります。
そして2人で遊ぶ場合は,山札を相手にとった協力ゲームとなり,手札は12枚で変更がないものの,交互に親プレイヤーになる他,山札から加えるお題カードは3人のときと同じく3枚に増やしてください。
さらに得点が特殊で,お互いが当てることができたら初めてお題カードを2人共通の得点とし,失敗したらお題カードを得点とは別にして置き,失敗ポイントとして数えます。
回答カードはいずれも12枚まで補充し,勝利条件は得点が失敗ポイントより7点多くなった場合です。
お互いの仲の良さというか息が合うかどうかが問われるのですが,意外と山札のカードに良い回答が混じることも多く,7点上回るためには結構時間がかかりました。
補足
最後にここまでで紹介しきれなかった特殊ルールや勝利のヒントについてまとめましょう。
まずは2枚のお題があるカードについてです。
これは上の画像のように,空欄が2ヶ所に存在するもので,このときは回答カードを2枚重ねて出さなければならず,最初に読まれる方を下にして出します(めくったときに最初に読む方が上にくるようにする)。
ジャッジの際に山札から加えるカードも2枚になる他,2枚のペアが混ざらないよう,この場合は,親プレイヤー以外が場所だけを入れ替えるなどして対応してください。
カードの補充は得点したお題カードと手札の合計が12枚になるように補充するので,得点者は1枚,それ以外のプレイヤーは2枚補充します。
なお,空欄が2つのカードはルール的にやや複雑になりうるので,最初は出たら引き直すなどして,扱わないことが推奨されている他,子どもを含めて遊ぶ場合は内容の難しいお題カードは除くなどして工夫してください。
とはいえ,最近の子は意外と言葉を知っていたりするので,特にそういった気遣い無しでできることの方が多いようです。
また,親の決定は絶対なので,どんなに理不尽な理由で選んだとしても納得しなければなりません。
とはいえ,もしも適当に選んで手札から取ったカードを選んでしまえばマイナスですし,決定に至った理由を説明してもらい,「色々な考え方の人がいるもんだなぁ。」と味わっては,それを楽しんでください。
まとめ
以上,シンプルなルールながら楽しく遊べる私の世界の見方を,ルール説明を中心にレビューしてきましたがいかがだったでしょうか。
特に気を付けるべきところは,プレイ人数によってルールや勝利条件に違いが出てくることと,得点した人とそうでない人で,補充する回答カードの枚数に違いがあることです。
4人以上でプレイする時は,得点カードとお題カードの枚数の合計が12枚になることに気を付けてくださいね。
その他,誰が何のカードを出したかわからないことに注意することと,親が選びそうなカードを選ぶことが大切だということを覚えておきましょう。
大喜利的な内容のカードゲームは他にも出ていますが,カードで単語を答えさせるものはそこまでの数はありません。
私の世界の見方は時間もかからず,運も影響してくるところが面白く,黙って遊ぶカードゲームと異なり,親による理由説明などの時間が入るため,プレイヤー同士のコミュニケーションも楽しめるところが魅力です。
ゲームが終わると,それまで知らなかった相手の一面がわかって,より仲が深まったような気さえします。
大人が子ども相手に遊んでも,選ばれるのは意外と子ども方だったりするので,是非幅広い年代で楽しんでみてはいかがでしょう↓↓
最後までおよみいただきありがとうございました。