今回ですが,頭を良くするカードゲームである「アルゴ」についてレビューしたいと思います。
算数オリンピックの関係者や優秀な学生らによって生み出されたアルゴはルールが簡単で面白く,何度も遊ぶほど論理的思考力が向上するという夢のようなゲームです。
本レビューを通して,ルールや特徴について確認していきましょう!
アルゴとは
アルゴの作成に携わったのは,算数オリンピック委員会の若杉栄二氏の他,東京大学数学科の学生と数学者のピーター・フランクル氏です。
誰もが数字の持つ面白さをよく理解しているわけですから,そんな彼らが作ったアルゴが集中力や記憶力,さらには分析力といった論理的思考力をフルに使って相手に挑む対戦型カードゲームであると聞いても納得できます。
2002年に初版が発売されてから15年以上が経ちましたが,それでもまだ販売され続け,多くの方の高評価を増やし続けているわけですから「傑作」と呼ぶにふさわしい商品でしょう(2020年12月調べで,Amazonでは186件のレビューで星4.5/5です)。
コンパクトに収納されたケースには,「アルゴカード」と呼ばれる固いカードが24枚とポイントチップが40枚入っています↓↓
基本これだけを使ってゲームを行いますが,もう少し詳しくみると,カードは0から11までの数字が書かれた黒と白の2セットとなっており,チップは赤が4枚,青が8枚,黄色が12枚,緑が16枚です。
アルゴの基本的なルールは以下の通りとなります↓↓
- カードを並べ,裏返した状態で置く
- 相手のカードの数字を推理する
- 様々な条件をヒントに推理を続ける
- 相手のカードを先に全部当てたら勝ち
これとは別に,アルゴ独特のカードの並べ方についての基本ルールを覚えておく必要があり,まず,「配られたカードは自分から見て,左から右に数字が大きくなるように配置」してください。
写真はすべてのカードがオープンになっていますが,実際は伏せてあるので数字は見えません↓↓
写真は0と3と6と9の順番に並べたもので,6にだけアルゴのロゴが入っています。
続けて「同じ数字の場合,黒の方が白より小さくなる」ということも忘れずに覚えましょう。
例えば,上の状態で山札から黒の3を取ってきたら,左から2つ目に入れます↓↓
もちろん同じ数字がない場合,数字そのものの大きさに従って並べればOKです。
以上がアルゴの基本的なルールとなりますが,説明書にも同様の内容が書かれているので適宜参照してください。
なお,対象年齢については特に指定がなく,子どもから大人までプレイでき,人数は2人に限らず1人から4人まで遊べるところは意外と盲点だったかもしれません。
アルゴの遊び方
それでは実際のアルゴの遊び方についてまとめていきますが,「2人プレー,3~4人プレー,ペアプレー,1人プレー」の4つが知られています。
このうち,最後の1人プレーのみが特殊で,残りの遊び方はほとんど同じなので,まずは中心となる2人プレーからまとめていきましょう。
2人プレー
親を決めますが,すべてのカードを混ぜてシャッフルし1枚ずつカードを引いて小さい数字を引いた人とします。
その後カードを戻してシャッフルし直し,1人に4枚ずつカードを配り,残りを山札にして中央に配置してください↓↓
配られたカードは前章のルールに従って並べます。
それではゲーム開始です。
まずは親のターンですが,山からカードを1枚引いて,相手に見られないように数字を確認します。
次に親は相手の4枚から当てるカードを決め,引いてきたカードを裏にしたまま決めたカードの前に置いて,推理した数字を言います↓↓
これを「アタック」と呼びますが,アルゴではこのように相手の1枚のカードを指して,その数字を当てるアタックを繰り返しながらゲームを進めることに留意してください。
最初のアタックを受け,相手はノーかイエスで答えます。
ノーだった場合,アタックに使ったカードをオープンして(表にして)自分の列に並べなければなりません↓↓
逆にイエスだった場合,相手は当てられたカードをオープンします。
当てた側はさらに今のカードを使ってアタックを続けるかステイするかを選べますが,アタックは外れるまで何度も続けることが可能です。
逆にステイする場合,今のカードをふせたまま(オープンにしないで)自分の列に並べましょう。
何回かアタックしてからステイすることもできます↓↓
このように交代でアタックを繰り返し,相手のカードをすべてオープンにした方の勝ちです。
決着がつくまでを1ラウンドとし,次に親を交代してもう1ラウンドやったら1ゲームが終了となります。
ここでようやく,先攻後攻による有利不利をなくした形になるというわけですね。
3~4人プレー
基本は2人プレーと同じですが,ゲーム開始時のカード配布枚数が3人プレーは3枚,4人プレーは2枚ずつとなります。
全員が親を1回ずつやるので,3人プレーは3ラウンド,4人プレーは4ラウンド制です。
アタックはどの相手にすることもできますが,成功した場合,続けて同じ相手にアタックしてもよいですが違う相手を選んでも構いません。
アタックや親の順番は時計回りで行います。
1回のラウンドで勝者は1人です。
誰か一人のカードがすべてオープンになっても中断せず,自分以外のすべてのプレイヤーのカードがオープンになるまで続けましょう!
ペアプレー
ペアプレーは4人で遊びますが,上でみてきた遊び方とはかなり異なります。
まず4人が2人ずつ,AチームとBチームに分かれ,カードも1人に6枚ずつ配り切ってください。
つまり,ここでは山札は作られません。
向かい合って座っている相手が味方となりますが,ペアプレーではアタックする前に「トス」を行います。
これは味方に1枚だけカードを見せ,その数字を知らせることです。
まず親が「トス!」と味方に呼びかけますが,その味方がふせたままカードを親に渡します。
このとき何のカードを見せるかは,親ではなくトスを求められた側が決めなければならず,親がカードを指定することはできません。
その後の手順に関してはこれまでの遊び方と似ていて,親は自分のふせたカードの中から1枚を手に持ち,敵のカードにアタックします。
その後のイエスやノーの判定などは先の2人プレーのときと同じです。
勝敗がつくのは,チーム全員のカードがすべてオープンになったときですので,展開によっては1人で2人の敵を相手にすることも考えられます。
全員が親をやって(つまり4ラウンドで)終了です。
1人プレー
アルゴは1人でも遊ぶことができます。
子の遊び方においては対戦形式ではなく,どこまでカードを並べていけるかに挑戦しましょう。
やり方ですが,24枚のカードをよく切って,上から8枚をオープンにし,上から順番にタテに並べ,残りは山札とします。
山から1枚引いてふせたままどれかのカードの左右に置いてオープンしますが,この結果が基本ルールの並びになっていればセーフです。
2枚目以降も同じように行いますが,置く位置はすでに置いてあるカードの真ん中でも構いません。
ただし,横に3枚並ぶまでを限度としてください。
つまり,もし最後までうまくいけば,3枚ずつのカードが8段並ぶことになります。
この1人プレーを2人以上で遊ぶこともでき,誰か親を決めたら,そこから1枚ずつ代わりばんこに置いていき,ゲームオーバーになった人が負けです。
また,最初に8枚縦に並べる代わりに6枚とし,横に4枚まで置けるようにした「上級編」もあります(上の写真は上級編のものです)。
ポイントチップの使い方
保留にしていたポイントチップですが,1人プレーを除くすべての遊び方に導入することができ,カードだけで遊ぶよりもゲーム性を高めることが可能です。
チップは色ごとに点数が決まっていて,すべて10点刻みで,
- 赤:40点
- 青:30点
- 黄:20点
- 緑:10点
となります。
全部で800点分ありますが,最初平等に分けるので,色と枚数に注意して配布しましょう。
以下に遊び方ごとに1人が持つべきチップの数を示しましたが,人数で平等になるように配れば,自然とこの数になります↓↓
- 2人プレー:赤2枚,青4枚,黄6枚,緑8枚(半分ずつ)
- 3人プレー:赤1枚,青2枚,黄4枚,緑5枚
- 4人プレーとペアプレー:赤1枚,青2枚,黄3枚,緑4枚
チップのやり取りをするのはアタックが成功したときとラウンドで勝ったときで,1ゲーム終了後の得点を競うゲームとなるわけです(チップを使わない場合は勝利数を競う)。
詳しい得点としては,アタックで成功したら1回につき相手から10点奪います(なお,アルゴのロゴが付いた6を当てた場合はさらに10点を奪うことができます)。
また,ラウンドで勝った時は,残ったカードの枚数×10点を他のプレイヤー全員からもらえますが,ペアプレーでは敵の2人からもらうことと,残ったカードに6があるときは1枚につきさらに10点もらえることに注意してください。
なお,アルゴで6が特別視されているのは,その数字が「完全数」だからです。
完全数は約数を足すとその数になる性質があり,6だと約数は1と2と3なので,確かに1+2+3=6となりますね。
これまでに完全数は全部で33個しか発見されておらず,古代から神秘的な数だったそうです。
アルゴで遊ぶ時の注意点
カードの並べ方が基本ルールに則っていなかったときや,アタックされて嘘をついた場合は失格となり,その時点ですべてのカードをオープンにして,そのラウンドを降ります。
チップを使っている場合は,ペナルティーとしてさらに50点を勝者に差し出してください。
ラウンド終了後になって初めて失格が判明したら,全員に50点を渡さなければなりません。
似ている6と9のカードは混同しやすいですし,同じ数を並べる場合,黒いカードの方を白いカードより左に配置することも間違いやすいので特に注意しましょう。
また,考える時間が長すぎるとだらけてしまうので「1回30秒以内」などと決め,その時間内に解答するようにしてください。
その他,チップが足りなくなったらある人に借りたり,3~4人プレーで山札が無くなったら,手持ちのふせたカードのうちの1枚を使ってアタックしなければならないといったルールがあります。
アルゴのセット内容の一部を紛失した場合,封筒に82円切手を入れて送ることでカードやチップは3枚まで,説明書は1部を送ってもらえることも覚えておきましょう。
まとめ
以上,論理的思考力が自然と鍛えられると評判な「アルゴ」の特徴と遊び方についてレビューしてきました。
頭を使って遊ぶゲームには将棋や囲碁の他,トランプやウノなどであっても知的に遊ぶことができますが,頭を使うほどに楽しさが増すことがほとんどです。
このアルゴも色々なヒントを頼りに,いくつかの推理の中から最も確からしいもの(とはいえ1つには決まらないのですが)を選ぶことになりますが,それがピッタリ当たったときの爽快感は他のゲームでは得られにくいものがあります。
ルールを説明すれば初めての人でもすぐに理解できますし,慣れていない人同士が初見で戦うのも楽しいものです。
とはいえ,高い勝率を誇るのはやはり論理的に考えられる人で,その力は何度も遊ぶことで着実に高まっていきます。
是非アルゴで遊びながら,楽しく脳トレしてみてください↓↓
最後までお読みいただきありがとうございました。