今回はパズルと迷路の要素が組み合わさった,くもんの「ロジカルルートパズル」について,その遊び方をレビューしていきたいと思います。
「道を作る」ことで論理的思考力をアップさせられることについては,将棋の藤井聡太さんが使っていたキュボロもそうですが,2020年以降,特に注目されるようになりました。
今では,迷路やカードを使う多くの知育玩具も登場してきています。
子どもには幼少期のうちから,落ち着いて考えることの楽しさに気づいてもらいたいものですが,今回のロジカルルートパズルにはどのような学びを期待できるでしょうか。
ロジカルルートパズルとは
今回紹介するロジカルルートパズルですが,くもん社から出ている知育玩具で,対象年齢は4歳から使い始めることができます。
もっとも,大人が遊んでみてもそれなりに面白く,後述する問題集の難易度高めの問題に手こずることもあるほどです。
なお,小学校のプログラミング教育に繋がるという評判から,コロナ禍で休学期間中だった際に大いに売れていました↓
これはどんなおもちゃなの?
と聞かれれば,商品名を補足する形で,
頭を使ってロジカルにルート(経路)を考えるパズルです
と答えられますが,内容物は説明書(兼問題集)以外に3種類です↓
- ボード
- パズルピース
- ボール
ボードには滑り台のように傾斜が付けられており,何やらボールの色とボード下部にある穴の色が一致しています。
ちなみにピースは複数の形をしていて,以下のように自由にボードにはめられるようになっていますが,勘の良い方はそろそろ遊び方に気づかれたかもしれません↓
上段のスタート地点から下段のゴールにまで達する道を作る。
これが,このロジカルルートパズルの最も基本的な遊び方になります。
なお,本知育玩具で遊ぶことで培われる資質・能力としては,論理的思考力・問題解決力・集中力が挙げられ,子どもをうまく褒めてやることができれば自己肯定感も高められるでしょう。
また,先ほど「プログラミング教育にも役立つ」と言いましたが,複数種類あるピースのそれぞれの役割を認識しては適材適所に配置することでボールを思い通りの方向に誘導する作業は,その過程に試行錯誤を伴うため,まさにプログラミング的思考を養うのにうってつけです。
例えば,上のピースは以下のような役割を持つことがわかるでしょう↓
- 緑のピースはボールを隣に移動させる
- 白いピースはボールをそのまま真っすぐ進めさせる
ロジカルルートパズルでは「自由な発想に任せた遊び方」と「問題集を解いていくスタイル」の2つが選択可能ですが,次章から個別にみていくことにします。
自由な発想に任せて遊ぶ方法
まずは,適当にピースを並べてボールを転がしてみましょう!
このとき,ボールやゴールの色に注意しません。
転がしてみると,赤と緑のボールが正しいゴールに到達しましたが,斜めに大きく動くコースを作ると達成感があります↓
くもんのロジカルルートパズルでは、自由にボール動きを楽しみましょう! pic.twitter.com/XoUNpOjAub
— さんくす (@thanks_redo) June 30, 2020
子どもは見ているだけでもきゃっきゃとはしゃいでいますので,ひとまずはボールの動きを楽しむことができればOKです。
とはいえ,時期を見計らっては第2段階に進むようにしましょう。
このとき何をするかと言いますと,適当にピースを組んだ後,ボールを転がすことなしで,同じ色のゴールに入るようにと,スタート地点に置くボールの色を考えるようにします。
あみだくじを指で逆順に辿る行為に近いものを感じますが,そう考えると○×ゲームや数取りゲームで遊ぶことも知育に役立つのでしょう。
話を元に戻しますが,試しに以下のようなコースを作ってみたので,みなさんは初期のボール配置をどうしたらよいか考えてみてください↓
最初は指を使って辿っていっても構いませんが,頭の中だけで道を処理できるようになると,より高度な論理的思考力が身に付いたと考えられるでしょう。
このとき,よく子どもの様子を観察しておいてほしいのですが,4つのボールのスタート地点を決めた後で最後の一個を,辿る作業をせずに残ったスタート地点にすぐ配置できるようになったら,これはかなり高度な思考ができている証拠です。
このシーンを目撃した際には,親としてわが子の成長を大いに喜びましょう!
ちなみに上の問題の正解は,左から「黄色・緑・紫・赤・水色」の順でした。
自由に遊ぶことに十分慣れたようであれば,いよいよ問題集を使った遊び方に移行してください。
問題集を解いていく遊び方
続いての遊び方は,ロジカルルートパズルに付属の「問題集」を用いたものとなります。
収録されている問題数は全60問で解答付きです。
先に進むにつれて問題の難易度が徐々に上がっていくところに,くもんらしさを感じます。

大まかな手順は以下のようになります↓
- 問題通りにピースやボールをセットする
- 使えるピースを手元に用意する
- ボールが同じ色のゴールに入るようにピースを配置する
- ボールを転がして答え合わせを行う
問題のレベルは1~6まであり,レベル1は実に簡単ですが,レベル6の最後の問題は大人でも悩むものです。
これからいくつか紹介していきましょう!
レベル1
ところで,問題集を用いた遊び方で初めて登場するパーツの1つに「スターターピース」があります↓
ボードの左側に1・2・3・4などと数字が振ってあることを確認できると思いますが,これはレベルを表していて,ここでは1にセットしましょう。
レベル1にある問題は全部で4問で,1問目はこのように単純なものとなり,黄色のピース(問題用ピース)の置き場所が指定されています↓
問題集で「?」が付いているところに使えるピースをセットして,道を完成させてください。
レベル2
問題集のレベル2をみていきますが,全部で10題です。
?が2段分を占め,使えるピース数は4~6に倍増しています。
以下画像のように,空いている7マスを白いピースと緑のピース3個で埋める出題などが見られました↓
簡単なところから埋めていくと分かりやすいのですが,こういったことを教えてはいけません。
子どもが自力で気が付けるように,親は辛抱強く見守らなければならないことに注意です。
とはいえ,子どもが長い間悩み続けて「やーめた」となってしまう事態は避けたいので,その場合は正解となるピースをヒントとして1つだけ盤面に置いてあげると良いでしょう。
レベル3
スターターピースを3に合わせて開始です。
全部で9題で,9~11個のピースでもってコースを完成させます。
ちなみにこのレベルから,トンネルピースが新しく登場してきます↓
これは実は直線ピースと交差ピースがくっついているピース(緑と白が横に繋がったもの)なのですが,外からだと中が見えないため,視覚に頼ることなくそういうものだと理解する必要があります。
つまり,試行錯誤することになるわけですが,忍耐強く観察することが求められるわけです。
レベル4
レベル4では,12~15ピースを使って全10問に挑戦します。
かなり難易度は高くなりますが,試しに9題目をやってみましょう↓
使えるパーツは左に出した12ピース,埋めるマスの数は20です。
以下では私のやり方を紹介しますが,長距離動くことになるボールに注目します。
この場合は水色です。
横に3マス動く必要があるので,緑色のパーツを3つ使わなければなりません。
正解は一つだけとは限りませんが,とりあえず組んでみましょう↓
次に残った場所を確認してみると,1マスのところ(①)は白ピースしか置けませんし,黄色のボールをゴールに入れるために②に緑を配置することにします↓
しかしこれだと,残りのパーツでどうにもうまくいきません。
なので,自由度が低い青いトンネルパーツをどこかと交換します。
白と緑が横に配置されている箇所に注目しますが,上の画像だと2ヶ所あるので,どちらか1つを青いパーツに入れ替えましょう。
あとは残ったパーツを上手に並べたら出来上がりです↓
実際にボールを転がしてみて,正解であることを確認しましょう。
レベル5と6
これらはどちらも難しいので,一気にまとめて解説します。
レベル5は15~16ピース,レベル6では16~19ピースを使って解きますが,問題数はレベル5は12問,レベル6は全14問です。
ここまで結構な数の問題を解いてきましたが,レベル5以上は考えられるバリエーションが少なくなるので,より頭を使う必要があります。
私の体感的には,レベルが1つ上がるごとに2倍くらい難しくなり,もしもレベル4が3分で解けるようならばレベル5には6分,レベル6だと12分くらいがかかるはずです。
ここでは一番最後の問題を頑張って解いてみることにしましょう↓
使えるピースは白が4個,緑が10個,青いトンネルが2個となります。
先のルールに従うと,紫のボールが4つ横に移動しているので,最低でも緑のパーツが4つ必要です。
ですが,残った2つを白いパーツを使って何とかしようとすると,すぐに白が足りなくなってしまいます。
そこで以下のように,緑を2つ重ねて白を節約する技を使っておきましょう↓
ここで左下の部分に注目しますが,1つしかないマスには白を置き,その下の2段には緑のピースを入れて黄色のボールのルートを完成しようとすると,今度は緑が不足してしまいます。
そこで,トンネルピースが使えそうな位置との交換を試み,ここでは左下の2ヶ所を置き換えることにしました↓
ここまでくると,後は残ったところを適当に埋めて完成できるはずです。
まとめ
以上が,くもんのロジカルルートパズルの遊び方のレビューになります。
最初自由にコースを作っていましたが,問題集をやる段階ともなると,大人も悩んでしまう問題揃いで,一つちゃんとしたやり方を発見できたときにはかなりの達成感がありました。
すべて解き終えた後の遊び方ですが,時間を測ってタイムアタックにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。

その他,問題集をサイコロを使う双六のように見立てて,止まったところの問題を解いて,できたらサイコロを振って先に進んでいきますが,わからなかったらサイコロを振った数だけ戻るのがマイルールです。
また,以下のような記録シートがあり,自分で問題を作ることもできます↓
試しに子どもに1つ作ってもらいましたが,うんうん唸ってこちら側が解く様子を眺めるのが楽しいようです。
片づけはこのように,ボードの裏に全て詰め込んで収納するだけでした↓
気に入ったようでしたら,今だと3Dロジカルルートパズルも発売されています。
見た目が立体的になった分,対象年齢は6歳以上,問題数は103問と解きごたえが増しているところが特徴です。
是非お子さんと一緒に楽しんでみてください↓
最後までお読みいただきありがとうございました。