今回はEDITION cuboroから「バベルピコ」をレビューしていきたいと思います。
この新シリーズは,キュボロを知らない人にも楽しいゲームを提供したいというキュボロ社の思いから2014年に誕生しました。
なので,通常のキュボロとはもはや別物と言ってもよいもので,対象年齢は6歳以上で2人対戦となっています。
通常のキュボロとどのような違いがあるのか,そして独自の遊び方や実際に遊んでみたときの感想に興味がある方は是非お読みください!
バベルピコの特徴
バベルピコですが,英語だとbabel picoと綴ります。
日本語に直訳すれば「1兆分の1サイズの摩天楼」とでもなるでしょう。
このように,こだわりをもって塔のネーミングを考えるのはキュボロ愛好家の特徴で,以前レビューしたパターンバインダーに掲載されていた作品例にも「王の玉座」や「犬」などの名前が付けられていたものです。
なお,EDITION cuboroシリーズでは現在までに2つのゲームが発売されていますが,トリッキーウェイの方は依然高い人気を誇っています↓
どちらもキューブのサイズが通常のそれよりも小さくなっていることに注意してください。
バベルピコの場合ですが,中には1辺3cmのキューブが沢山入っていました↓
キューブ以外にはルール説明の紙が入っています。
キュボロスタンダードを私はすでに持っていたので比較してみると,サイズが小さいだけでなく,色が付いていたり,素材までもが実は異なっていたりしました。
8個を組み合わせて,ようやく通常のキュボロサイズを上回りました↓
バベルピコのキューブについて,色と数のバリエーションをまとめましょう↓
- Fig.A(グレー)が6個
- Fig.B(ホワイト)が6個
- Fig.C(ブラック)が2個
- Fig.D(ベージュ)が6個
- Fig.E(ブルー)が4個
全5種類の24個です。
EDITION cuboroのシリーズの特徴として,通常のキュボロを作るときに出てしまう削りカスを,トウモロコシなどの穀物資源とポリプロピレン樹脂を混ぜ込んだものをキューブにしているところが挙げられます。
まさにSDGs的な取り組みですが,「FASAL(ファサール)」と名付けられたこの素材は,バイオマスプラスチックの1種でウィーン大学が独自開発したものです。
日本では,カフェでもらうプラスチックのスプーンやストローなどに,バイオマスプラスチックが使われていることがよくあります。
一時,紙ストローが導入されましたが,評判が悪く,元のプラストローに戻すところも出てきている昨今です。
なお,「プラスチック」と聞いてなんだかやわらかそうなイメージを受ける方もいらっしゃるかもしれません。
しかし,それを濃密に集めて固めるとかなりの強度を誇るようになり,実際,キュボロの木よりもずっと強固です。
その反面,汚れているようにも見えてしまうキューブですが,環境にやさしく,値段を低く設定できます(キュボロシリーズとしては驚愕の3000円程度で買うことができます)。
とはいえ,子ども向けの知育玩具ということでキューブの角はちゃんとやすられていて,キュボロ社の情熱を見て取ることができるはずです↓
全体として,結構重く感じるので,気軽に持ち運ぶようなものではありません。
バベルピコの遊び方
さて,このバベルピコにビー玉は付いていません。
遊び方は,相手と交互にひたすら塔を積み上げていくだけなのでシンプルでわかりやすいです。
そして,これ以上置けないとなった方が負けとなります。
特に速さを競うようなものではないので,頭を使って戦略を練るようにしてください。
キューブには突起とくぼみがあるところがポイントです。
以下のように,突起のある面に突起の面を合わせても,斜めに傾いてしまうだけで用を為しません↓
これ以外にも特殊ルールが存在するため,よく考えないとすぐに積めなくなってしまうのがバベルピコの特徴ですが,以下でより具体的に遊び方をまとめます。
①各種キューブを半分ずつ配る
まずは両者が同じ数を持つよう,12個ずつキューブを配ってください↓
後列に示したように,ホワイトとベージュとグレーのパーツを3個ずつ,そして青が2個と黒を1個ずつ配ります。
②先手番を決めたら,交互に置いていく
最初キューブを置く際に心がけたいのが,塔の側面はすべてくぼみにしないといけないということです。
例えば,青いキューブを1段目に置くと必ず側面が突起になってしまうので,それ以外で始めることになります↓
1段目に関しては,必ず置かれたキューブのいずれかと接するように置くようにしなければいけません。
つまり,2個目を1個目のキューブの対角線上に置くことはできないということです。
③2段目以降,側面とスキマに注意して配置する
2段目以降は,側面にくぼみがくるように,かつスキマができないように注意して積んでいきましょう!
スキマについてですが,くぼみと凹みがどこか1ヶ所で合わさるように置く必要があるという意味です。
特にグレーのブロックは1つも突起がないため注意する必要があります↓
2段目以降,積む位置は対角線上であろうと構いません。
というのも,下の段と必ず接することになるからです。
ただし,段を完成し終わる前に上の段に取り掛かるのは反則となります。
④6段目まで到達したら突起が外に出てもOK
最高段となる6段目まで到達したら,これ以上はキューブが存在しないので,突起部分が上に出てしまうものが表れますが,それはルール上OKです。
ただし,「さらに上に続くように積み上げることが原則」なので,側面に突起が出てしまってはいけません。
以下の写真は,6段目まで見事に完成した塔を半分に切り開いてみたものです↓
うまく突起部とへこみが組み合っていることがわかるでしょう。
ですが,ゲーム中は相手の邪魔をするように働きかけるのが普通ですから,このように最上段まで達することは極めて稀です。
バベルピコはそれくらい難しいゲームで,変な話,2段目すらクリアできないことがあります↓
もちろん相手からしたら,最高の結果です。
まとめ
以上,バベルピコの遊び方を中心にまとめてきましたが,いかがだったでしょうか。
大体10分もあれば勝敗が決するゲームですが,プレイ中は相手の残りのキューブを見ては妨害のことを必死に考えるので,頭をかなり使います。
ルールを正確に知らないと全く楽しめないと言っても過言ではないので,まずはルール把握に努めましょう。
適当に積んでいって,
アハハ,負けちゃった
とはならない頭脳戦が醍醐味なので,考えることが嫌いな方には向きません。
強くなるためには,1人でどんどん積み上げては練習していく必要があります。
とはいえ,〇×ゲームではないですが,知能の高い大人が戦えば,ほとんど自由度の余地がなくなってしまうことでしょう。
自由にキューブを配分して始めるなどのランダム要素を追加するくらいのローカルルールを入れた方が楽しいかもしれません。
ということで,我が家ではさほどヒットしない商品になってしまいました。
キューブは先述した通り見た目が良くないので,インテリアとしても使いにくいです。
個人的には通常のキュボロか,先のトリックウェイの方をおすすめします。