根強く売れ続けているおもちゃというのは,いつの時代であっても楽しめるものです。
加えて,AIに取って代わられないものの価値がより高まっている昨今ということで,デジタル化できない魅力により大きな注目が集まっているように思われます。
おもちゃではありませんが,例えばダウンロードやストリーミングが席巻している音楽界においてレコード人気が高まっているのもそのためです。
さて,今回レビューするのは世界的に有名な「ジェンガ」ですが,こちらも例に漏れることなく,子どもの知育目的から大人どうしの白熱した戦いまで,幅広い年齢層に受け入れられています。
バリエーションは多いですが,スタンダードなものは大変シンプルな見た目をしていて,一流のものは飽きないように様々な工夫を凝らす必要すらないことを現代人に思い出させてくれるかのようです。
とはいえ,意外とルールについて忘れてしまうこともあるかと思います。
以下ではその歴史や豆知識の類も含めて,色々とまとめてみることにしましょう!
ジェンガの歴史と基本知識
ジェンガの歴史ですが,1974年にイギリス人のレスリー・スコットという女性が開発し,1983年にロンドンで発売されたのが最初だとされています。
日本でも1980年代に発売されました。
ところで,「ジェンガ」という言葉の由来が何であるかをご存じでしょうか。
私は知りませんでしたが,実はスワヒリ語で「組み立てる」を意味しているとのことです(参考:Wikipedia)。
それでは以下に,最も基本的な仕様とルールをまとめてみましょう↓
ジェンガの仕様
- 同一の形をした54本の直方体のブロックから成ること
ジェンガの基本ルール
- 縦横3本に組み上げた18段のタワーの状態から開始する
- 最上段以外の段から片手のみを使ってブロックを抜き,最上段に積み上げる
- 上から2段目のブロックに関しては,最上段に3本揃っているときにのみ抜くことができる
- タワーを崩したら負けとなる
とはいえ,後で紹介しているように,本数やブロックの重さやデザインの違う「ジェンガ」もたくさん売られていますし,ルールの方もブロックを抜く際に使用できる指まで指定するような細かいローカルルールが数多く存在するわけです。
競技ではなく遊びでしたら,自由に楽しむことこそが第一の目的であることを決して忘れてはいけません。
学生時代を思い返してみれば,普通ではない遊び方の方が面白かったはずです。
大手玩具メーカーが取扱説明書に記載しているルールを次章で紹介してはいるものの,ここでは,
- ブロックに触れてしまったら必ずそれを抜かないといけない
- ブロックを叩いて抜けそうかどうかの判断をしても構わない
のどちらを採用するかを開始前に皆で決めておき,あとで何か悩む局面が訪れた際にはより楽しめる遊び方を優先するようにしてくださいとだけ言っておきましょう。
ところで,ジェンガは単純な積み木のパーティゲームのように考えられがちですが,1人で黙々と積むことに集中できたり,ワンプレイだけで数十分かかる白熱したバトルが繰り広げられたりすることも多々あります。
ジェンガが得意な芸能人も多く,西野七瀬さんによるジェンガタワー(2020年7月4日にフジテレビの番組内で披露)も凄かったのですが,私がこれまでに最も感動したのはオードリーの若林さんによる素晴らしい勝負術です(「オードリーさん,ぜひ会ってほしい人がいるんです」など)。
他の例だと,テラスハウスのようなお洒落な若者が遊ぶシーンで度々登場していますし,カルテットというドラマではフライドポテトをジェンガのように見立てて積み上げては食していた他,小さな子どもにとっては積み木代わりになるなど,年代問わず幅広く遊ぶことができます。
是非,ジェンガプレイ中の独特の緊張感を楽しんでください↓
なお,目指す指標としては30段が1つの目安となっており,その場合,タワーの高さは開始時の3倍になるという話ですから,これまた驚きです。
海外の動画を観ると,「36段」などというとんでもない記録も打ち出されていますので,1人で記録にチャレンジする方はこういった数字を念頭に挑戦してみてください。
ジェンガのレビューとルール
ここではタカラトミー製の通常のジェンガ(クラシック)と「ジュニア」と呼ばれる簡易版の2つを使ってレビューしてみることにしましょう!
発売時期がそれぞれ2010年と2009年ということもあって,今同じものを買おうと思えば中古品を探すしかありませんが,代わりに手に入りやすいものとしてハズブロ社のもの(こちらも王道をいく仕様です)があります。
まずはクラシックですが,天然の木材を使って作られているため,良い木の匂いがします↓
持つとかなりズッシリときますし,崩れたときの音も重厚なものです。
かといって,木のトゲでケガしたり衣類や指を汚すような雑な作りにはなっていません。
一方のジュニア版ですが,ブロックがプラスチックでできているため,軽くて小さい上に値段はお手軽で,持ち運びにも適しています↓
両者を比べると,木製のジェンガは安定性に優れていて高級感がありますが,プラスチックのジュニア版は素材の性質上,スルっと抜ける感覚が気持ち良いです。
重量があってタワーが高くなる分,ゲームの緊張感は前者の方が大きくなり,物理の知識がある方からすればこれは位置エネルギーを用いて説明できるでしょうし,生物学的な視点でみても,感動は恐怖するところから生まれることの好例と言えるでしょう。
取り扱い説明書に書かれていた詳しいルールを,以下に記しておきます↓
- 順番を決め,最初の人から右回りにゲームを開始する
- 最上段以外のブロックを片手で抜き取り,一番上に互い違いになるように乗せる
- 1層が3本になるまではその上に積むことはできない
- 抜く際に他のブロックに触れてもよく,途中であきらめて元に戻し,違うブロックに移っても構わない
- 積んだ人は,積み終わってから10秒待つか,次のプレイヤーがブロックに触るまでが責任時間となる
- 崩してしまった人が負け
ここで強調したいのは,上で赤字にした部分はジュニア版のルールには存在しないということです。
推察するに,こうした違いがローカルルールを生む1つの要因になったのでしょう。
なお,とある番組で,タワーが完成して10秒以上が経過していたものの,相手がブロックに触れる前に自然とタワーが崩れてしまうハプニングがありましたが,その際,プレイ開始前に責任時間をどうするか決めていなかったということで,判定結果は「引き分け」となりました。
このことは,開始前に取り決めを行うことの重要性を私たちに教えてくれるものです。
その他,私がジェンガのTV対決の際に見かけた特殊ルールとして,「上から3段は触ってはいけない」というものや「2本積んだ時点で1段とみなす」ことがありました。
ある程度,識者に意見を求めることができるテレビですらこのような様子なので,ジェンガのルールに関しては何か絶対的なものがあるとは考えずにやっていくのが良さそうです。
ちなみにプレイヤー間であまりに実力に差がありすぎるときは,強い人であれば「利き手を使えない」ようにし,弱い人の場合は「両手を使ってよい」などのオリジナルルールを追加すると良いでしょう。
ジェンガのバリエーション
前章で紹介したクラシックやジュニア以外にどのようなジェンガがあるのでしょうか。
製造元や年代も考慮するとバリエーションは数百種類にも及ぶ可能性がありますが,大きく分けると3種類に分類できそうです。
ルール追加版
より楽しくするために特殊なルールや装置が追加されたジェンガがあり,パスチャレンジはトレイごと持ち上げては相手に受け渡さなければいけません。
タイマー入りのジェンガはローカルルール作りの参考にもなるでしょう。
ラブジェンガNEXTは2006年のもののリバイバルで,ブロックごとに何らかのコミュニケーションを行うための指示が書かれており,合コンやパーティに用いられます。
ルール追加版の例
ジェンガパスチャレンジ(ハズブロ,2018),ラブジェンガNEXT(タカラトミー,2014),イマドキジェンガ(タカラトミー,2012),恐怖ジェンガ(タカラトミー,2012),ジェンガブーム(ユーエース,2012),人生ジェンガ(タカラトミー,2010),ラブジェンガ(トミーダイレクト,2006),ジェンガウルティメイト(トミーダイレクト,2003)など
見た目変更版
人気キャラクターの絵柄や特殊なカラーリングを施したジェンガがあり,含まれるセットもフィギュアやカードの他,その世界観にちなんだ小道具が付いてきます。
素材も木製やプラスチック製に限らず,紙製や段ボール製のものまであるくらいです。
見た目変更版の例
ジェンガスーパーマリオ(ハズブロ,2020),ジェンガフォートナイト(ハズブロ,2020),ジェンガXL(タカラトミー,2015),ハローキティジェンガジュニア(タカラトミー,2013),LINEジェンガジュニア(タカラトミー,2013),ジャンボジェンガ(タカラトミー,2011),ブラックジェンガ(タカラトミー,2007),ウルトラマンジェンガジュニア(トミーダイレクト,2004)など
新スタイル
最近になって,従来のジェンガとは見た目や遊び方が大きく異なるものが登場してきています。
「ジェンガでブロック!」はチーム戦で,カードを引いた人が仲間に,使用するブロックなどを指示しては組み立てさせるものです。
木製ブロック28個の他,カード200枚と王冠ブロックが含まれます。
ブロックの形もこれまでにないものですね。
その他のジェンガ例
ジェンガでブロック(ハズブロ,2022)
まとめ
以上,テーブルゲームの決定版,ジェンガの遊び方を中心にレビューしてきました。
今回紹介してきた内容のうち,覚えておきたい知識としては,
- イギリスが発祥地
- 片手でのプレイが基本
- 他のブロックに触れても良い
- 積んだ後は10秒間待つ
- 1人でやる場合は30段を目指す
- 様々なジェンガが存在する
といったところでしょうか。
最後に触れたジェンガのバリエーションですが,数字が印刷されていたり自分の名前を入れられたり,カラフルな物やキャラクターものから大きいものまで,時期によって手に入れられるものが違うので,遊びたいと思ったものを直感で選ぶと良いと思います。
迷うようなら最もスタンダードなクラシックがおすすめで,オリジナルルールの追加をどうするかの方に頭を働かせるのが良いでしょう。
おもちゃのレビューサイトとして,この度,世界的に有名な「ジェンガ」をやっと記事にできたことに安堵しています。
対象年齢は6歳からとなっており(物によっては15歳以上のものもありますが),子どもの手先を器用にしてくれたり,積み木代わりの知育おもちゃとして用いたりできて,もちろん大人も様々な方法で楽しめるパーティーゲームの決定版というのが当サイトの結論です。
最後までお読みいただきありがとうございました。