藤井聡太さんの大活躍で将棋ブームに火が付き,自分の家の近所にも将棋教室ができたり,文化センターで将棋関係のイベントが行われたりすることも増えました。
そして,そんな藤井フィーバーによってニュースで頻繁に目にするようになったのが「鳩森八幡神社(はとのもりはちまんじんじゃ)」です。
調べてみると,どうもプロ棋士を目指す人々が祈願に訪れる神社のようで,藤井聡太さんの活躍にあやかって,勝負事に強くなる「王手守」の売れ行きが好調とのことでした。
飛躍の1年を過ごしたい私としては是が非にでも手に入れたいお守りのように思われ,このたび出かけてみることにしたというわけです。
今回の記事は,そんな鳩森八幡神社の紹介と王手守のレビューを中心に行ってみたいと思います。
鳩森八幡神社とは
鳩森八幡神社のある地は,昔,仏教でめでたい兆しとされる瑞雲(紫色や五色をした雲のことで「彩雲」とも呼ばれる)がよく目撃されており,ある日,白雲が降り立ち,村人が見に行くと多数の白い鳩が西に飛び立ったことから「鳩森(はとのもり)」と名付けられたようです。
その後,ご神体が欲しいと村人が願ったため,円仁が応神天皇・神功皇后のご尊像を作り,八幡宮として奉られるようになりました。
円仁と言えば天台宗の最澄の弟子ですが,平泉にある中尊寺や浅草の浅草寺などは彼が作ったものです。
また,八幡宮は国内だと稲荷神社に次ぐ数を誇っており(44000社くらいあるようです),応神天皇と言えばまさに八幡神で武運の神様として祭られていますが,私は源氏の守り神である鶴岡八幡宮を学んだ際に覚えました。
なお,瑞雲という単語は今回初めて知りましたが,以下のような雲を指すそうです↓
確かに,何かが起こりそうな印象を受けます。
なお,私が鳩森八幡神社を初めて訪れたのは2017年12月の昼過ぎでした。
ちょうど新年の気運を高めたいと思い,頑張る誓いをしたかったというわけです。
アクセスですが,将棋会館がある千駄ヶ谷駅の他,国立競技場駅や北参道駅が最寄り駅となります。
すべて徒歩5分圏内ということで,どの駅が特に近いということはありません↓
自分は千駄ヶ谷駅で降りましたが,ちょうど通り道の東京体育館でバスケットボールのウィンターカップがやっていました↓
そんな東京体育館を左に見ながら歩いていくと,すぐに鳩森八幡神社の鳥居が顔を出します↓
訪れるなら新年を迎えてからの方が良かったのかもしれませんが,年末には年越の大祓が行われ,1年の穢れを祓うことで清々しい気持ちで新始を迎えることもできるとあり,このタイミングもありでしょう。
実際は年末の昼下がりということで人はまばらで,外国の方が多かったです。
写真を境内で撮るのはさすがにちょっと気が引けてしまったので,以下の境内の画像は鳩森八幡神社HPからの引用させていただいております。
境内の様子
神社の中には小さな社(末社と呼ぶ)がいくつもあり,一体どこにお参りしたらよいのか迷いましたが,一番奥に札所があり,そこで無事に王手守を買い求めることができました。
お参りもすぐ隣で行うことが可能です。
二礼二拍手一礼との記載もありました↓
将棋堂は将棋連盟の代表が訪れる祈願祭の時くらいにしか開かないということで,中に祭られている大山康晴氏が書いた王将駒は見られませんでしたが,横に吊るしてあった絵馬には,「将棋が強くなって沢山勝てますように!」などの願い事がたくさん書かれています。
実際,勝ち上がらないと後がない奨励会の方のものと思われる絵馬もあり,彼らの熱い気持ちが伝わってきました。
なお,扉が開いた際はこのような感じになるようです↓
2017年は私が訪れた2週間ほど前に祈願祭が行われており,「永世七冠」を達成した羽生善治竜王が参列されていたとのことでした。
タイミングもありますが,全体的に静かな雰囲気の神社で,浮かれ気味だった私の頭の中を引き締めてくれたように感じました。
なお,この神社を訪れた後で少しぶらぶらしてみたい方は,女流棋士の香川愛生さんが詳しく解説されている動画があるので参考にしてみてください↓
神社内部の様子も動画だとわかりやすく,食事処の紹介もあります(鳩森八幡神社が登場するのは6分後あたりです)。
王手守のレビュー
ここからは,鳩森八幡神社のお守りをいくつかレビューしていきましょう!
2017年3月20日に初めて発売となったのは「王手守」でしたが,藤井聡太さんの活躍と共に買い求める人が増え,同年の7月25日に再販売がされるまで一時在庫切れだったこともありました。
2023年には藤井聡太八冠が誕生し,鳩森八幡神社の御利益も変わらぬ状態を保っているように見受けられます。
なお,王手守は「棋力を向上させ様々な局面で差し勝てるよう」に祈願されているようですが,実際は勝負事(受験でも仕事でも)において勝利を求める人がよく買っていくそうです。
ところで,このお守りには将棋盤が描かれているのですが,9マス将棋の盤を使って再現してみると以下のようになります↓
「2三と金」で王手がかかっていますが,王がどこに逃げても取られてしまうので,これは完全に詰みの状態です。
最弱の駒の筆頭である歩がと金にまで成り上がって目標である王を打ち倒すわけですから,これまで名前が知られていなかった自分も,努力することで大きな力を手に入れては夢を実現できるように感じてきました。
お守りの裏面には神社の名前が記載され,紐の色は元気さまたは駒色を彷彿させる山吹色~橙色をしており,全体としては優しい印象に仕上がっています↓
ちなみに,鳩森八幡神社には他にもたくさんの種類のお守りがありました。
私は王手守を求めてこの地にやってきたわけですが,比較的新しくラインナップに加わったという受験合格のお守りは教え子にあげる用で買っておくことにします↓
こちらも色合いが良いですね。
青い色がとても深くてきれいなお守りだったように思いますし,カラスの羽のように本体を傾けることでその色合いは変化します。
こちらは「合格鳩守」という呼び名で,2017年5月に新しく仲間入りしたものです(2023年のものもデザインにやや違いがありますが色合いは同じで赤色もありました)。
そしてあともう1つ購入したのですが,こちらは当時最新のお守りとなります↓
その名も「王手勝守」です。
ちなみに,お守り本体は木箱の中に封入されていますので,上の写真は外観を見ているにすぎませんが,なにやら将棋盤のような縦横の線が入っているのがわかりますでしょうか(「黄金の王手守」とも書かれていますが,HP上では王手勝守となっています)。
それでは箱を開けてみましょう!
中から出てきたものは,まさに黄金色の豪華なお守りとなります↓
眩いほどの金色を纏ったお守りは,最初に紹介した王手守と同様,ただ勝つことを祈願したものです。
ですが,その見た目から受ける印象は大きく異なり,並々ならぬパワーを感じる表面部分に加え,裏面には,鳩森八幡神社の名前の由来にもなっている白い鳩の羽がデザインされているのが印象的でした↓
大空に翼を広げて飛び立つ鳩からは数枚の羽が。
たいへん力強さを感じさせるデザインではありませんか。
HPによれば「勝利へと向かう思い,勝利へと向かう力の向上」といった願いがこめられているそうです。
精神面も身体面も高められるお守りと言えます。
お守り全体の配色についてもこだわりが見られ,色々な種類の黄色を確認することができました。
そして,このこだわりは表面に記載された盤面の内容にまで及んでおり,以下の形は実は2手詰みの形となっています(自分の銀のみスタディ将棋のもので,統一感がなくてすみません)↓
この配置は左右対称で美しいとされる形ですが,この局面を実現するためには桂馬が2段跳ねることが必要となるわけで,人々はこの桂馬の動きを次のように呼ぶそうです。
『天使の跳躍』と。
…なんだか良い話じゃないですか!
1つのお守りにこんなストーリーがあるなんて,久々に感動しました。
まとめ
以上,鳩森八幡神社の様子と,2017年の藤井フィーバーと同時期に登場した王手守,合格鳩守,そして王手勝守のレビューでした。
神社自体はとても落ち着く反面,境内から出ると静かに燃える決意のような気持ちが自分の内面に芽生えている,そんな神社だったように思います。
なお,お守りの値段についてですが,最初に紹介した2つのお守り(王手守と合格鳩守)は500円でしたが,最後の王手勝守に至っては1000円しました。
ですが,高価な分,木製の箱に入れられ,金色に光るその様子は見ていて大変美しく特別なご利益がある気がしてなりません。
私は大変気に入りましたし,実際これを机の目に留まる位置に飾り眺めながら,2018年は仕事的に大いに勝ち進んだ1年となりました。
是非,勝負事を控えている方は,鳩森八幡神社の方,参拝なさってみてはいかがでしょうか↓
最後になりましたが,藤井聡太さんの活躍があったからこそ,このような神社を知ることができたことを言っておかずにはいられません。
彼と同じ時代を生きられることに感謝しながら,今後も応援の方,続けさせていただきたく存じます。
これまでの将棋会館はまさに鳩森神社の隣にありましたが,新しい将棋会館がどのようなものになるのか楽しみです。
最後まで記事をお読みいただき,大変ありがとうございました。