「ドール用のスタンド」ですが,そもそものサイズが大きく,安定性もしっかり確保しないといけないだけあってそれなりの値段がします。
もちろん,ドールを寝かせた状態で置いておくというのであれば不要ですが,ちょっとウィッグや服を着せる際にもスタンドがあると便利です。
また,ドール用のスタンドにはいくつか種類があり,用途によって向き・不向きもあります。
おすすめのスタンドについても併せてみていくことにしましょう!
ドール用スタンドが必要になる場面
ドール用スタンドですが,1体であればまだしも家に数十体のドールがあるような場合,すべてのドールに1台ずつ購入する必要はないでしょう。
寝かせて置いておく以外にも,膝立ちの状態で飾ったりクッションやイスに座らせたりするのであればスタンドは無くて大丈夫です。
とはいえ,立たせた状態で飾るのであればスタンドは必須と言っても過言ではありません。
確かにオビツボディを使用したドールの場合,脚パーツにマグネットが内在されているため付属するスチール板だけでもポーズ次第では比較的安定して飾ることができますが,わずかに重心を前後左右に移動させるだけでも倒れてきてしまうので,やはりスタンドは必要です。
ともかく,ドールが顔から倒れて傷つがついてしまうことだけは絶対に避けなければなりません。
最近は地震も多いですし,ふとした弾みでドールにぶつかってしまうことも多々あるわけです。
また,普段は座らせて飾っているドールであっても,ウィッグや衣装を交換する際,スタンドに固定しておきたくなるときもあります。
基本的な考え方としては,ドールごとにどのような飾り方をしたいのかを考え,「立たせて飾りたいドールの数+1台分」のスタンドを用意するようにしましょう。
スタンドはそこまで品薄になるようなことはないので,必要に応じて買い足していくのが良いように思われます。
なお,値段が安くなるほど重量は軽くなり,安定度も同じだけ下がってしまうので,特に理由がなければしっかりとした作りのものを購入するのがおすすめです。
ドール用スタンドの用途と種類
購入することを決心したら,スタンドの種類を何にするかを決めなければなりません。
室内用か野外用か
周りを見渡してみるとかなり多くの種類が売られていることに気が付きますが,室内で使うか野外で使うかで最適解が異なります。
部屋用であれば見た目が美しく,地震のときやちょっとぶつかったときに倒れにくい堅牢な作りのものを選ぶ必要があるわけです。
逆に外用であれば少しの間だけ倒れないようにできればよいわけですから,そこまでちゃんとした作りのものを選ばなくても良いわけで,人混みの中ですぐにセットできたり軽くて持ち運びがしやすかったりするものが好まれる傾向にあります。
フォークのような形をしているスタンドや,傾斜に置くまたはカメラ映りを配慮して作られたようなスタンドはまさに野外向きです。
なお,川の流れが急なところや強風の中で撮影するために,それらの衝撃に耐えられる頑丈なスタンドも売られています。
土台について
ドール用スタンドの土台(ベース)に使われる素材としては以下の4種類が主なもので,密度や特徴も併せて確認してみてください↓
素材 | 密度(g/cm3) | 特徴 |
金属 | 7.9 | 重いががっしりしている。傷もつきにくく仕上げによっては目立ちにくい。 |
プラスチック | 1.3 | 安さが魅力。取り扱いにも優れ,軽いソフビドールに使用可能。 |
アクリル | 1.2 | 傷は付きやすいが丈夫で,厚みのあるものは高級感と安定感の両方を備える。 |
木 | 1.4 | 傷が目立ちにくく地面に置いても滑りにくい。軽くて高級感があるものが多い。 |
こうして並べてみると,金属製のスタンドのみが重く,他はほぼ同じくらいの軽さであることがわかります。
そのため,金属以外の土台はある程度の体積があるもの(大きく平べったいかやたらと分厚いもの)であることを確認しましょう。
ドール本体の材質に使われるソフビもレジンキャストも密度自体は変わりませんが,前者は薄く空洞が広く設けられがちであるのに対して,後者のドールは実が詰まっていて重いです。
なので,キャストドールに薄いプラ製のスタンド(値段が安い)を使うのはまったく勧められません。
ドールの自重だけでも簡単に倒れてしまうでしょう。
なお,アクリルと木製の土台部分を比較してみると摩擦係数が高いのは後者ですから,より滑りにくくなっています。
外で撮影するとき多少傾斜があるような坂にアクリル製のスタンドを用いると滑って動いてしまうやすいですし,付いた傷が目立ちやすいのもアクリルの弱点です。
支柱について
次に土台から伸びたポール部分についてみていきますが,形状として腰で支えるものとサドル型で股部分を支えるものの2種類があります(片足の太腿部分を支えるものもありますが数は少ないので省略します)。
これらのうちどちらを選ぶべきかは着せる服装に従ってください↓
スタンドの支え部分の違い
腰支え:パンツスタイルが中心のドール向き
股支え:スカートを履くことが多いドール向き
とはいえ,広がるスカートであれば腰支えタイプであっても使用できますし,むしろ股支えのものより見た目がきれいに映るので(股部分のパーツが見えないため),結局のところ個人の好みに落ち着きます。
次章ではおすすめのスタンドをいくつか紹介していますが,同じ股支えタイプのものの中で何を選ぶのかはやはり各自の好みによるもので,実際に使ってみて使いやすいと感じたものを買い増していくのが一般的です。
なお,股下の長さが異なるドールの場合(例えばDDとMDD),スタンドの支柱の長さもそれに合ったものにする必要があるため,多くは兼用となっていないことに注意しておきましょう。
色について
色については使用されている素材そのものの色である場合がほとんどで,土台が透明なものだと床の色が透けて見えるために存在感は薄くなります。
逆に木目の美しさを強調する土台には高級感が感じられる他,黒や白といった色付きの土台であればレフ版のような効果を発揮することになるでしょう。
なお,わざわざ塗装を施しているものもあり,例えばボークスのドルフィースタンドの色はモーヴカラーです。
モーヴというのは一般的に「薄く灰色がかかった紫色」と定義されますが,私の目にはほんのりゴールド色がかかったグレーに見えます(全体写真は次章参照)。
メーカーの説明によると,この色には肌を美しく魅せる効果があるそうです。
もっとも,土台部分に関してはシールを貼るなどして自分好みにカスタマイズすることもできるでしょう。
この他,変わったスタンドとしてはヘッドスタンドやウィッグスタンドがあります。
寝かした状態で保管したくないもの(高級なカスタムヘッドや造形ウィッグ)にはこれらを使ってみると良いでしょう。
ただしヘッドスタンドは現状入手しにくいです。
おすすめのドール用スタンド
最後におすすめのドールスタンドを紹介しましょう!
Volksのドルフィースタンド(腰支え)
昔は鏡のようなメタルスタンドや木製のものしかありませんでしたが,今ではモーヴカラーのものが利用でき,腰支えのものであってもギュッと腰回りを締め付けるタイプのものではありません。
すき間ができるためフィット感には欠けるのですが,不思議としっかり固定されますし,何より衣装に跡が残ることがないところが気に入っています。
この他,ドール本体と接する部分には透明な樹脂が使用されていてソフビへの色移りも見られません。
高さ調節のアジャスターも使いやすく,ベースのサイズも小さめで床のスペースをそれほど取りません。
個人ディーラー様のスタンドも目立ちますが,メーカー製のものはこれまでに培ってきたノウハウの量が違います。
総じてコスパと完成度が非常に高いスタンドです。
Selen’sのサドルタイプスタンド
上で熱弁しておいてなんですが,私が一番愛用しているのはSelen's製のスタンドになります。
こちらは当初から同じ六角形をしていて,最も流行ったのは10年くらい前になるでしょうか。
メーカーのHPは当時のときと同じなので,時代を感じる方も少なくないでしょう。
ドール歴が長い方であればこれまでに1台は購入したのではと推察しますが,アクリル板の土台というのは当時はまだまだ珍しく,4mmの厚みがあるので見た目的に高級感があります(他に木製やステンレス製の土台も選べます)。
また,Selen'sのサドルタイプの使い勝手に慣れてしまうと,逆に他のタイプのものが使いづらくなったりするものです。
これは別に悪いことではなく,沢山購入したときも見た目が揃っているとより美しく思えてきます。
オプションでカメラの三脚などに取り付けられる4mm穴を空けてもらうこともできますが,アクリル板だと多少目立ってしまいますし,摩擦係数が小さいため滑りやすく,かつ素材的に傷つきやすいこともあってわざわざ野外撮影に持っていく人は少ないでしょう。
とはいえ,重さは軽く分解もできるため,全くいないわけではありません。
見えないドールスタンド【リベルテア】
こちらは個人ディーラー様のものになりますが,アイディアが秀逸だったので挙げておきます。
支柱部分が自由自在に形を変えられるため,セッティング次第で撮影時にスタンドが映らないようにすることが可能です↓
スタンドが目に入らなくなった途端,人形感がなくなります。
先で触れたオビツドールも同様ですが,スタンドを隠して自立させればドールが生き生きして見えてくるはずです。
とはいえ,支柱の形を曲げてフィットさせる際にドールの支えがない状態になってしまう点は不便で実際何度か倒れそうになりました。
別にもう1つスタンドが必要になるほどです。
また,支える安定性に欠けるため,例えばこのスタンドだけでずっと飾っておくようなことは考えられません。
やはりスタンドは用途に応じて使い分けることが必要です。
まとめ
以上,ドール用のスタンドが必要になる場面とその種類を中心にみてきました。
ドール用のスタンドは色やデザインだけで決めるのではなく,素材や形状,そして用途にも気を払って選ぶことが大切だということがわかっていただけたのではないでしょうか。
おすすめのところで紹介したスタンドはどれも完成度が高く,購入しても損した気持ちにはならないはずです。
スタンドがあればポーズも取りやすいですし,写真を撮影する際に動きを出すこともできます。
ドールそのものではありませんが見た目の一部として感じられるスタンドなだけに,値段に妥協することなく自分が気に入ったものを買い求めるようにしてください。
基本的には壊れることがないため,一度購入したものを長年使い続けることになると考えればそこまで値段は気にならないでしょう。
良い1台に出会えることを祈っています。
購入できるページについて知りたい方は以下の記事をどうぞ↓
ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。