今回はBANDAI SPIRITSとタカラトミーのコラボによって実現化された「超合金ライガーゼロ」をレビューしてみたいと思います。
定価はコトブキヤのゴジュラスジオーガやthreezeroのシールドライガーを超えているので,かなり高価な部類に入ると思いますが,それに見合うだけの品質を備えているのでしょうか。
最近の超合金では「彩色が甘い」だ「合金の量が少ないんじゃないか」などの不満の声を耳にすることも多く,実物に届いてみるまではずっと不安な気持ちが続くのが悩みどころです。
とはいえ,予約しないことには買えなかったり再販を待つ羽目になったりするので,ある種の賭けになってしまいます。
確かにサンプルモデルの展示はありましたが,やはり実物を手にしてみないことにはわからないことが多いものです(手に持った時の重さとか量産化に伴う仕上げなど)。
とはいえ,今回のライガーゼロは私にとってはとても魅力的だったので,すぐさま予約しました。
その理由の1つとしては,多少のパーツを装着することにはなるものの,プラモデルではないため,組み立てる作業が基本的に必要なかったからです。
実は我が家では未組み立てのZOIDSが複数個体眠っているのですが,「塗装やデカールを貼り付ける技術を向上させてから作ろう」などと思っていると,このようにいつまで経っても組み立てることはありません。
その点,塗装済みの可動フィギュアであればすぐに飾って楽しむことができます。
ちなみに,私にとって金属を使ったダイキャスト製品というのは今回のライガーゼロが初めてではなく,今はなきYAMATO社のシールドライガーを持っていて,そちらは今でも部屋で一番目につくところに飾っているくらいに気に入っているのですが,もう10年以上前のものになるのですね。
先ほど,家の物置からプラモデル版のライガーゼロも発掘してきたので,両者ともに今回の超合金ライガーゼロと比較してみましょう!
超合金ライガーゼロを開封してみた
超合金ライガーゼロの発売日は2023年の6月17日ですが,Amazonからその日に発送となったので,1日遅れで届きました。
パッケージの大きさは「35200円」という定価に見合うほどのボリュームだったように思います。
なお,実際は上のパッケージの中にさらに箱があり,再度別のパッケージが出てきたのがなんだか不思議でした。
箱を開けると,パーツ類がきっちりと収められています↓
超合金ライガーの実物は,サンプル展示であらかたのイメージは持てていましたが,素体の状態を実際に見てみると想像以上にスマートです(最近はイベントに参加した有志によるYouTube動画でも確認できるので有難いです)。
そして,ここから必要となる作業内容としては,
- 素体状態の完成
- ゼロユニットの装着
- ポージング
という簡単な3つの作業だけで済みます。
素体を完成させる
まずは素体を完成させましょう!
パイロットを乗せるためのコクピットパーツか,発行ギミック用の内部透明パーツ(光を透過したり散乱させたりする効果がある)を選んで頭部に取り付けることができますが,ここでは後者にしておきます↓
LEDで目が光る演出がある超合金ライガーゼロですが,電池は入った状態で届くところが親切です。
たまにしかスイッチはonにしないでしょうし,一般的にはサウンドギミックの方が喜ばれているようにも感じますが,私はLEDの光でテンションが上がるタイプです。
手元にあるリモコンでパッと点灯させられて,それでいて長期間付き続けるようなLEDシステムが(点滅状態でも構わないので)いつか開発されればと思います。
なお,ちょうど今,ゾイドのアニメである「フューザーズ」や「新世紀/ZERO」の動画がタカラトミー公式ホビーチャンネルからアップロードされていて,改めて「良いアニメだな」と思いながら観ているのですが,ライガーゼロの目が赤く光るなどの演出は確認できませんでした↓
逆にアニメだとストライクレーザークローの必殺技が光り輝いたりしますし,ゾイドワイルドのアニメ然り,光による演出はZOIDSを大変カッコよく魅せてくれるものですね。
その他だと,前脚の爪の数であったり,ダウンフォーススタビライザーの形だったりと,今回の超合金にはバンダイ独自のアレンジが複数取り入れられていることがわかってきます。
2024年1月にはチェンジングアーマーシステムのセットが魂ウェブ商店の方から発売されますが,アニメを見終わるころにはポチってしまうのでしょうか(私はシュナイダー派ですが,世の中だとパンツァー人気が高そうです)。
話を戻しますが,素体状態はゾイドコアユニットを胸のところに収納することで完成となります。
特に外れるようなパーツはなかったので,ここである程度触ってみて,超合金ライガーゼロの可動域に慣れておきたいところです。
もっとも,可動域には制限があるので,無理に力を加えることのないよう注意してください。
そうした意味では,ゾイドコアユニットの挿入が最初の難関となるでしょう。
首を持ってグイッと上に持ち上げないと入るスペースが確保できないわけで,時間をかけて恐る恐るやってみたのは良い思い出になりました↓
足を動かすと赤色のキャップが回転するのが楽しいです。
「全体的にウネウネしていて,間接はパキパキだな」というのが私の抱いた感想ですが,見た目的にはどう猛な印象が伝わってきます↓
飾らない,動物の本能むき出しと言いましょうか。
大いに訴えてくるものがあります。
ゼロユニットを装着する
続いてゼロユニット(白いパーツ)を装着していきましょう!
これが終わるとようやく,みなさんの良く知ったライガーゼロになります。
パーツ数はこれだけあるので,説明書を読みながらだと,初回の作業は20分くらいかかってしまうかもしれません↓
額アーマーやダウンフォーススタビライザーの取り付けが特に難しかったですが,簡単にポロリと取れてしまうようなことはほとんどなかったです。
挿し込み部分も負荷がかかりそうなものは金属でできていて折れにくくなっていますし,上手にデカールが貼られていて,彩色もそれほどは悪くありません↓
とはいえ,頭部側面アーマーのことに埃の上からクリアスプレーを吹いたような箇所があって残念でした↓
ただし,こちらについては交換対応していただきました(後述)。
ポージングさせる
最後にライガーゼロをディスプレイさせたら終了です。
それ用の台座や支柱が用意されていますが,これらの出来が素晴らしく,かなり頑強な作りで,しっかりと本体を固定できるので驚きました。
支柱にはロックが3つ付いていて,長期間の固定に向いています。
空中に浮いているポーズを取っても,ズレて倒れてくるようなことはありません↓
これにはライガーゼロの体重が程良く抑えられているところが効いているのでしょう。
もっと重かったのなら,長時間この体勢をキープすることはできないはずです。
唯一難しかった点は,ディスプレイジョイントを本体に取り付けるところでした。
ダウンフォーススタビライザーに触れて何度か取れてしまいました。
ただし,いったん上手く取り付けてしまえば,その後外れるようなことはありません。
いずれにせよ,折角,これまでに味わったことのない可動ができるわけですから,動きあるポージングで飾ってみたいものです。
参考までに,この超合金ライガーゼロは日本おもちゃ大賞2023のハイターゲットトイ部門の大賞を受賞していて,特許を取得した新技術が取り入れられています。
タカラトミーとオリジナル版ライガーゼロの比較
まずはタカラトミーのオリジナル版ライガーゼロと比較してみましょう!
家の倉庫に眠らせていたので黄変してしまっていたり,パーツが外れやすくなったりしていますが,丸みを帯びた見た目はかわいらしく,私にとってはこれぞZOIDSといった体型です↓
アニメ版に造形が近いのはオリジナル版だと思います。
頭のサイズはオリジナル版の方が大きく,後は同じくらいのサイズ感になりますが(スケールはどちらも1/72),全体的には超合金ライガーゼロの方がマッシブに見えます。
パーツが大きく展開するギミックを備えているおかげなのでしょうが,カマキリが体を大きく広げて威嚇してくるのと同様です。
オリジナル版に墨入れをしていなかったりデカールを貼っていなかったりという部分も多少は影響しているのでしょう。
全体的にもっさりとした印象のオリジナル版に対し,今回の超合金版はコトブキヤから出ているプラモデルの方に寄せているといいますか,スリムでエッジの利いたカッコいい造形となっています。
こちらについては,次章でYAMATOのシールドライガーと比較する際に再度語ることとしましょう。
イオンターボブースターやダウンフォーススタビライザー,胸部のショックカノンから尾部ビームガンなどの武装まで,伝わってくる情報量が圧倒的に多いのが超合金ライガーゼロです。
これらには,バンダイの独自解釈によるデザインの違いも見られます。
とりあえず,今回のライガーゼロが経年劣化でこれほどに黄変してしまったらさすがにショックすぎるので,UVカットのケースを注文しました↓
サイズは35cm以上あればよいかと思いますが,30cmくらいまでなら下げてもなんとか収まるように思います。
YAMATOシールドライガーと超合金ライガーゼロの比較
続いては,同じダイキャストモデルということで,私のお気に入りのYAMATOシールドライガーと比較してみましょう!
まず,持った時の重さが全然違います。
YAMATOのライガーは金属の使用量が多めで重いですが,今回のライガーゼロは程良い重量です(決して軽くはないです)。
YAMATOの方は尻尾部分のワイヤーがヘタレて自然に垂れてきたり,自重で関節がグニャっとしてきてしまい,ポージングが難しかったりします。
関節部分を接着剤で太らせるなどの技を駆使すれば対応できるのかもしれませんが,私が超合金エヴァンゲリオン初号機を以前購入したとき,そのような元気が湧いてくることなしに捨ててしまったのは今でもトラウマです。
といったわけで,超合金にそのような不安を感じていた私ですが,今回のライガーゼロはパキパキ可稼動するので大変安定していて安堵しています。
彩色はどちらも素晴らしいものです。
塗装済みのフィギュア(バンやフィーネにジーク)が付いていたのはYAMATO版の良いところですが,スタンドの出来は圧倒的に超合金のライガーゼロの方が優れていました。
ちなみに,YAMATO版のスタンドは本体をただ載せるだけのもので,危なっかしくて使う気にはなれません。
体型について言えば,YAMATOのものはオリジナルのZOIDSに沿った造形で,丸っこさが伝わってきます。
私はこのダサ可愛さみたいなものがZOIDSの魅力の1つだと思っているので,YAMATO版をこよなく気に入っていますが,爪部分の造形を見るとこれだけの差があるわけで,今回の超合金ライガーゼロの爪1本1本が独立して開閉することや,前脚に限ってはかぎづめまでもが出てくるこだわりには驚愕でした↓
ゴールドの色ですが,超合金のライガーは根元がイエローゴールドですが,爪先はピンクゴールドっぽくなっているコンビ仕様となっていて,全体でみると大変エレガントです。
前脚の指が5本,後脚のものが4本というネコ科動物の特徴についても学ぶことができました(笑)
確かにオリジナル版やアニメ版のライガーゼロと比べるとスリムに感じられる超合金ver.ですが,あれだけコトブキヤのZOIDSが売れているのを考えると,今の時代に受け入れられやすいのは超合金ライガーゼロの方なのかもしれません。
塗装不備とバンダイの対応について
今回の超合金ライガーゼロですが,いくつかのパーツで埃の混入や塗装の不備が見られました。
小さなことで相手方に迷惑をかけるのも悪いかなとも思ったのですが,折角,発売日に定価で買ったわけですし,UVケースも買って長く愛用していくことを決めたこともあって,お客様サポートに相談してみることにしました。
よくあるQ&Aを探してみると,「商品の彩色が気になります。交換してもらえませんか」という記事を見つけることができたので,今回の相談は決して珍しいものではないのでしょう。
以下に,実際に行った内容を記載しておきます。
まずは問い合わせをして,不備の疑いが見られるパーツがあったことを伝えました。
具体的には,塗装に剥がれが見られたパーツ(以下画像)と埃の上からコーティングされているものがあったという内容です↓
その際,購入店の領収書(Amazonのスクショ)やパーツの写真を複数送信することになりましたが,オークションなどで購入しているとサポートは受けられないので気を付けてください。
そして,同日の夜には返信が来て,初期不具合の判断がつきかねるので,着払いにてパーツを送る運びとなりました。
発送してから8日後に宅配便が届きましたが,結果はどうだったでしょうか。
計3点のうち,1点は「問題なし」との判断でそのまま返却となりましたが,残る2点は有難いことに,交換対応していただくことができました↓
あくまで私なりの解釈になりますが,埃の混入(サイズは1~2mm)に関してはコーティングの下にあるとわかったものは交換され,1mm程度の塗装の剥がれがあった場合も交換していただけるように思います。
ちなみに,そのまま返却となったパーツもあったはずの埃が除去されていました。
超強力なブロアーか何かで上手く処理していただけたのでしょう。
いずれにせよ,迅速かつ丁寧な対応で,BANDAI SPIRITSという会社に好感が持てた1件でした。
ちなみに,白地に赤色のシミが見られるなどの明らかな着色に関してはマイクロファイバークロスでふき取れることがありますし,埃についてもいくつかはブロアーで吹き飛ばすことができたので,サポートに相談する前に試してみてください(とはいえ,薬品を使うとか強く擦るとかはダメです)。
なお,超合金のライガーゼロについては,以下のような事例に対するコツがウェブ上にいくつか掲載されています↓
- 胸を閉じたときにスキマができる
- ディスプレイジョイントが外れない
- 支柱のロックが固くて動かない
- 喉アーマーが取り付けにくい
こちらについては,以下のページにあるQ&Aから「目的を探す」を選択してみてください↓
まとめ
以上,バンダイの超合金ライガーゼロのレビューでした。
造形は尖っている部分が多く,スリムでカッコよく,可動は素晴らしくて様々なポージングが可能になっている上,飾るのにも適した作りが印象的な出来だったように思います。
オリジナルのものと比べると得られる情報量が圧倒的に多く,値段差に見合う完成度で所有欲を十分に満たしてくれました。
YAMATO版はオリジナルのZOIDSに近い造形で,金属を使っていることがわかるズッシリとした重量を感じ取ることができましたが,超合金のものはいま流行りの造形とポージングを付けて気軽に飾れる程良い重みが印象的でした。
今では手に入れることが難しくなっている超合金ライガーゼロですが,チャンスがあれば是非購入してみてください。
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