今回は,カードを使ったしりとりゲームである,
ワードバスケット・ワードバスケットキッズ
のレビューの方していきたいと思います。
普通にしりとりをするのと比べ,カードゲーム形式でしりとりをすると,一体どれほど遊び方の幅が広がり,面白く遊べるのでしょうか。
ワードバスケットとは
「しりとり」をテーマにしたカードゲームで,日本産です。
作者は小林俊雄さんで,日本ゲーム協会が監修しており,販売元はメビウスゲームズとなっています(キッズ版は幻冬舎から発売)。
Amazonでの取り扱いも2007年の4月ということで,すでに10年以上の歴史があるベストセラーのカードゲームです(キッズ版は2012年~)。
ワードバスケット(通常版)のセット内容は以下の通りです。
文字カード45枚
『わ』のみ2枚ありますが,あとは1枚ずつです。
『を』や『ん』に加え,『濁点などのついた特殊文字』はありません。
ワイルドナンバーカード6枚
書かれた文字数の言葉代わりに使えるカードです。5文字・6文字・そして7文字以上の3種類です(細かい使い方は後述)。
ワイルドラインカード9枚
書かれた行の文字代わりに使えるカードです。
ルールブック
プレイ人数は2~8人,時間は10分が目安となっています。
なお,対象年齢の方は10歳以上ですが,6歳でもできる特別ルールに変えることもできます。
ただし,この後で紹介する,対象年齢4歳以上の『ワードバスケットキッズ』という姉妹品が出ていて,ややセット内容に違いがあるので,次の章の比較も参照してください。
ルールですが,場に出ているカードに書かれたひらがなで始まり,自分の手札のひらがなで終わる言葉を作るだけです。
が,完全語彙力頼みというよりも,発想力や瞬発力の方が大切になってきます。
知育玩具の中には,勉強的でつまらないものもあるのですが,このワードバスケットにおいてはそのようなことはありません。
楽しく遊びながら,脳を適度に刺激することができます。
それでは遊び方について,以下で詳しく見ていくことにしましょうか。
遊び方説明
まずは準備をしましょう!
真ん中に箱を置き,すべてのカードをよく切って一人5枚ずつ配ります。
残ったカードは2つに分け,裏返したまま,箱の両側に置いておきます。
山札のカードを一つ取って箱に投げ入れたら開始です!
上のように,箱に『そ』が入り,自分のカードが上記の5枚だった場合,『そらまめ』と言いながら『め』のカードを箱に投げ入れることができます↓↓
すると今度は『め』で始まる単語を考えるといった具合で続けていきます。
細かなルールとしては,3文字以上の単語に限るだとか,伸ばす音や小さい『つ』なども1文字として数えることや,普通名詞以外の固有名詞はよく知られているもののみ可などありますが,そこらへんは臨機応変にやっていきましょう。
さて,ここからは,ワードバスケット特有のルールになります。
リセットについて
どうしても単語が思いつかないときなどに,リセットしてカードを箱に投げ入れ,新しいカードセットを受け取ることができます。
例えばさっきの場合で,リセットをすると,
「リセット4枚」
と言いながら,文字のカードが上になるように箱に投げ込み,
山札から,5枚のカードを受け取ります。つまり,投げ込んだカードの枚数より一枚多いカードを持つことになるというわけです。
こうすれば,例えば次に,『なめこ』といって『こ』のカードを出すことができます。
特殊カードの使用について
さて,実はリセット前の手持ち4枚の中には,『ワイルドナンバーカード』と『ワイルドラインカード』の2枚が含まれていました。
『ワイルドナンバーカード』は,場のカードで始まり,そのナンバーに示されている文字数の言葉の代わりに出すことができるカードです。
つまり,先ほどの場面では,出ている『め』に対して,「メリーゴーランド(8文字)」と言いながら,『ワイルド7+カード』を出すことができたわけです↓↓
このとき,場に出ている文字の解釈は,『ど(と)』になります。
さて,もう一つの特殊カードとして,『ワイルドラインカード』というものがありますが,カードに書かれている行のどの文字の代わりとしても使えるカードです。
例えば上の写真の場合ですと,ヤ行の文字である,『や』と『ゆ』と『よ』のいずれかとして使えますので,
「床屋」
と言って出すことができ,このとき場のカードは『や』扱いとなります。
このまま続けて,「野球チーム」と言いながら『む』のカードを使い切ったとします。
そのときは「リーチ」と宣言しましょう。
なお,最後の単語の文字数は4文字以上となります。
「むじな」は3文字ですし,どうしても浮かびませんでした。
結局わからずじまいだったので,以下のサイトで調べましたが,こんなサイトがあるんですね。
「胸花(むねばな)」とは聞いたこともありませんが,これで全部カードを出せたので終わりになります(ところで『ムジナ』ってタヌキの意味だったんですね。恥ずかしながら初めて知りました)。
ハンデを付ける場合,子どもでしたら,2文字も許してあげたり,あまりに強すぎる人がいたら,4文字以上のしばりを設けることもできるようです。
他にもルールはありますが,以上が主な遊び方となっています。
考案者が出ているプレイ動画がありましたので,最後に載せておきます↓↓
ワードバスケットキッズとの違い
ワードバスケットキッズは,ワードバスケットのルールを子供向けによりわかりやすくしたものになります。
ワードバスケット通常版とキッズ版の主な違いについて紹介しますと,
キッズ版は箱が貧弱だがカラフルで大きい
スペシャルカードがわかりやすく,イラストもかわいらしい
ルールがよりわかりやすく,子どもの知育にぴったり
となっています。
箱は,通常版は固く,丈夫な印象でしたが,キッズ版は強度が弱い紙で,箱の中の作りもやや貧弱です。
箱のサイズに比例して,カードもキッズ版は大きく,カラフルで,しかも特殊カードの内容がよりわかりやすくなっています。
『なんでもカード』は,どんな文字の代わりにも使えるカードで,『たべものカード』,『いきものカード』は,食べ物や生き物の名前であれば,どんな文字の代わりにも使えます。
『オーバー3』は3文字以上の単語に,『オーバー4』は同様に4文字以上の単語に使えます。
さらにキッズ版はひらがな表も付いて,子どもの知育にピッタリです。
ルールの違いにおいては,『リセット』のルールがありません。
全交換の代わりに,手札の1枚を山札の2枚と交換することができます。
また,山札がなくなった場合にもゲームが終了したり,スペシャルカードなしで遊んだり,純粋にカードのイラストで名前当てクイズもできる仕様となっております。
まとめると,ワードバスケットの通常版は,ゲームそのものの面白さや,スピードや戦略を競うのに特化しており,キッズ版はワードバスケットを商業用かつ子ども向けにアレンジしなおした気楽に楽しめる商品だと言えます。
まとめ
以上,ワードバスケットのレビューとキッズ版との比較についてでした。
ルールにおいて,忘れやすい点だけ最後にまとめると,
5枚配ってスタート
単語は3文字以上,最後のみ4文字以上(キッズ版は2文字以上,最後のみ3文字以上)
リセット(1枚交換)・リーチ宣言忘れ・間違いはペナルティーで1枚追加
伸びる音は『あ~お』の母音になる(例:「バター」は→「あ」につながる)
となります。
『ボキャブラリーの数は,その人の知的レベルを表す』というのは,ある意味世界共通の認識となっています。
しかし,このワードバスケットでは,語彙数の量を相手に見せつけるというよりも,全然単語が思いつかず,焦ってしまう結果になるかもしれません。
大人が集まっても十分楽しめるものなので,是非,このワードバスケットを使って,単語をすぐ口に出せる『頭のキレ』みたいなものを維持しておきたいものですね。
なお,競争というよりも,純粋に子供と楽しく遊びたいといった場合は,圧倒的にキッズ版をおすすめします。