お気に入りのフィギュアやドールは,ケースに入れずにそのまま飾るのが見た目的に一番美しくカッコよく感じるものだと信じていますが,長い目でみると必ずしもそうとは限らないのかもしれません。
確かに,手ですぐ触れられる位置に置いてあればすぐに別のポージングを試せますし,ケースごしに色合いが変わることも避けられます。
しかし,窓から入る日光の紫外線(UV)によって本体が変色してしまうかもしれませんし,溜まった埃が化学変化を起こして取れない汚れになってしまう危険性が高まることも確かです。
こうした劣化を味として受け入れられる方は少数派でしょう。
もちろん人生は有限で,趣味に没頭できる時間はあまり長くないかもしれませんが,アクリルケースはUV対策ができる他,流行に左右されず長く使用できて独自のディスプレイも試せるわけです。
当記事ではまずはUVのもたらす悪影響から話を始めることにして,続けて「UVカットアクリルケース」の魅力や使い方についてみていくことにしましょう!
UVのもたらす被害について
太陽の光に含まれるUV(ultraviolet rays)は「紫外線」という日本語が示すように,人間の目で捉えられる範囲から外れた波長の光となるため,目に見えないところが厄介です。
これは赤外線も同じで,私はうっかり非対応の食器を電子レンジに入れてしまい,火花が発生して破損させてしまったことがあります。
強い紫外線は日焼けやメラニン色素の沈着を引き起こすとあって,外に出かける際はUVカットのクリームや日傘を使って対策することを欠かさず考えますが,室内のUV対策に関しては軽視されがちです。
主に南向きの窓がある部屋で問題が起こりがちですが,我が家の窓は外から中が見えない型ガラスを使っているにもかかわらず,そこから45cmしか離れていない本棚に置きっぱなしにしていた本はここ数年で見事に退色してしまいました↓

本来であれば左側の本のようにカラフルだったものが,右では色が抜けて白っぽくなってしまっています。
窓から45cmというのはあまりに近すぎる状況かもしれませんが,90cm離れたところにあるお気に入りのプラモデルの方はどうなっているのでしょうか。
残念ながらUVが当たる裏面は黄色くなってしまい,ゴムを使用したパーツはべたついています↓

カメラの都合上,塗装部分の黄色みがいまいち伝わらないように思うので,足元のキャップ部分に注目していただくと,右側のものが確かに劣化していることがわかるでしょう。
使われている素材によってUVの影響を緩和できたり,窓から同じ距離であっても位置が高いところにある方が影響を受けにくかったりもするのですが,UVは地面で跳ね返ることも覚えておきたいところです。
日傘を差していても日焼けしてしまうのは,まさに光が地面で反射するからに他なりません。
さらに今度は距離を約2倍にして170cm離れたところにあるドールの剣を見てみると,こちらも以下のように色褪せていましたが,こちらはガラスケースに入れた状態での結果となるため,ガラスを1枚挟んだ程度ではUVを妨げないことがわかりました↓

元々剣の持ち手は真っ青だったのですが白みがかっていて,これを味とは呼べません。
ところで,UVメーターを使って部屋内の紫外線量を色々と測ってみたところ,部屋のシーリングライトからの発生はわずかで,日中のガラスケース内は強かったです。
ところで,いくらUVの被害を避けたいからといって,日光の当たらない場所にフィギュアやドールを飾るというのは大変味気ないものですし,昼間だけいちいち仕舞うというのも面倒でしょう。
もっとも,こうした劣化は暗室に置いていてもそうなることがあるため,UVだけでなく温度や湿度なども影響することは覚えておきたいところです。
先の劣化したワイルドライガーも,目にする面は無事だったわけですから,向きを変えずに同じ位置なら,これからも長く自分の目を楽しませてくれることでしょう。
しかし,目に見える部分の色変に気付いてしまうと,物によっては魅力が低下したように感じられるものですし,将来的に別の位置に動かす予定があるとか全方向から楽しみたい作品であればなおさら,何かしらのUV対策をする必要があるわけです。
そんなときは「UVカットができるアクリルケース」を使ってみてはいかがでしょうか。
UVカットできるアクリルケースの魅力

前章で述べた要望を叶えるためには,フィギュアが太陽の光で照らされても紫外線の被害を受けないUVカットのアクリルケースを選ぶことが重要だと考えられます。
というのも,底以外が透明であって明るさを阻害しませんし,ガラスと比べて重さが軽くて取り扱いに優れるからです。
同じように透明なものであっても,薄いフィルムを用いたコレクションケースは埃除けにしかならず,私も昔に使ったことがあるのですが,中のフィギュアと擦れてしまうだけでも傷ついてしまうほどの強度しかなく,それをリカバーすることはできませんでした。
結果的に安物買いの銭失いになってしまうでしょう。
おまけに,肝心のUVカットはほとんど期待できません。
厚みが違えば多少数値も異なってきますが,窓から入ってきたUVの量を100%とすると,UVカット率は以下のような結果になります(すべて窓付近に近づけた状態で,先の記事のUVメーターを使って計測しています)↓
ケースの素材とUVカット率
プラ製フィルム:100→71%(29%カット)
戸棚のガラス:100→32%(68%カット)
3mmアクリル(UVカットなし):100→8%(92%カット)
UVカットアクリル:100→0%(100%カット)
すでにガラスがUVカットをあまりしてくれないことは明らかですが,70%程度のカットでは夏場の直射日光に対抗できません。
また,UVカットが付いていない通常のアクリル板であっても,重ねて6mmにすると99%カットできることがわかりました。
ところで,アクリルケースには埃が付着しやすいという欠点があり,人によってはそれを理由に選ばないこともあるでしょう。
加えて,見た目的には直に見るのが一番なわけですから,普段はケース内で保管し,たまに換気や掃除を兼ねてケースから出してみるのがベストのように思います。
このときに値段が安いアクリルケースを選んでしまうと,最初から傷が付いていたり耐久性に難があったりで,お気に入りのフィギュアの方を見るたびにストレスが溜まってしまうことになるので注意してください。
なお,ケースのサイジングも重要で是非ともオーダーをすべきです。
以下では,私がよく利用している「とうめい館」のアクリルケースを紹介してみようと思います。
アクリルケースのサイズ選び

とうめい館はAmazonや楽天,Yahooショッピングという大手ECサイトで購入することができ,台座の色や高さを選べたり背面をミラー仕様にできたりする他,細かなオーダーの相談も乗ってもくれるのですが,サイズを自由に決められるところが一番の魅力です。
分厚いアクリル板(とうめい館のは5mm)も選べますが,私はUVカット仕様のものばかり購入しています。
続いてケースのサイズを選択しますが,幅や奥行きは10cmから高さは90cmくらいまで細かく指定することが可能です(自分で数値を入力してミリ単位で注文することもできます)↓

フィギュアが窮屈な空間にギリギリで入ってしまうとその魅力が半減してしまうので,余裕を持ったサイズ感になるように注文しましょう。
ちなみに,フィギュアを入れる場合とドールを中に入れる場合とで多少選び方が異なります。
フィギュアの場合はこのページが参考になり,
- 幅と奥行き=実際のサイズ×1.1+5cm
- 高さ=実際のサイズ×1.1+2cm
などと書かれていました(幅と奥行きに関しては小さいものは+5cmの代わりに+2cmなどとします)。
一方,ドールを飾る場合にはこのページが役立ち,
- 幅=実際のサイズ+6~10cm
- 奥行=実際のサイズ
- 高さ=実際のサイズ+5cm
で落ち着きました。
なお,幅に関してはさらに長くしても良く,高さはさらに短くしても構わないとのことで,特に前者はスペースが許すのであれば特に余裕を持たせておきたいところです。
とはいえ,これらはあくまで目安ですし,ポージングによって寸法が大きく変わったりもします。
個人の美的感覚も考慮するべきでしょうし,高さが高い場合は台座を使ってもよいわけです。
それに横幅が余ったときは2体目や小物を飾るなどして対応することも可能でしょう。
ちなみに,フィギュアのコレクションケースとしてかつて一世を風靡したのはイケアのデトルフで,その一室の大きさは約40cmの立方体(37×43×40cm)でした。
これはフィギュア界隈において今でも大変使いやすいとされているサイズです。
なお,最も避けたいのは小さいサイズのケースを買ってしまうことで,どこかが壁面と触れてしまうのは論外でしょう(ただし,ドールの奥行に関しては例外です)。
ゆえに,サイズ選びに迷った時はひとまわり大きめを購入することをおすすめします。
アクリル板自体の厚みも選べるので,見た目にこだわる方は台座とともに厚めのものをチョイスしてみてください。
一般的には厚みが3mmであるのが普通で,5mmのアクリル板は豪華な領域に分類されますが,先のデトルフのものを測ってみたところ,サイドのガラスの厚みが5mm,上下のパーティションのガラスは3mmとなっていました。
やはり,比較対象にすべき理想モデルはデトルフで間違いなさそうです。
とうめい館のUVカットアクリルケースのレビュー

今回注文したとうめい館のUVカットアクリルケースですが,バンダイのライガーゼロの超合金フィギュアを主に入れるものとして,形は35cmの立方体で厚みが3mm,台座の色は黒でミラーなしのものを選びました。
このお店は注文を受けてから作成するため納期が気になるかもしれませんが,注文から届くまでに1週間もかかりませんでした(注文ページには「4~6営業日の出荷」とありました)。
また,特注での対応の相談にも乗ってくれ,何ができて何ができないのかを丁寧に教えてくれます。
1つケチをつけるとすれば,工具用品に関してはもっと安く手に入ることが多いところでしょうか。
Amazonやヨドバシカメラに行ってみれば,アクリルの研磨剤やクロスにスプレーなど,ずっと安い値段で購入できます。
とはいえ,アクリルケースの値段はその品質に見合ったもので,利用者からの評価も高いです。
楽天市場のUVカットケースのオーダーページを例にとると,100件以上のレビューがあってその平均は星4.8個となっています。
さて,上記ケース到着時の様子ですが,段ボールの開封時に傷が付かないように余裕を持って梱包されていました。
ハサミを使うときはアクリル部分に刃先が触れないようにだけ気を付けてパーツをはずしていきますが,大事には至らない梱包と言えるでしょう。
ちなみに以下の写真は手前にもアクリル板があるのですが,言われなければ気づかないレベルです↓

大変クリアで,台座もまるで鏡のように反射していました。
組み立ては,台座部分にアクリル板のボックス(底部分だけ空いている)をはめるだけなので簡単です。
もっとも,はめ込み方法については3種類から選べてそれぞれに特徴があります↓
とうめい館の台座の特徴
カバー乗せタイプ:最もポピュラーで,台座とカバー表面が平らになるので見た目にすっきりする
カバーかぶせタイプ:台座ごとアクリル板で包むタイプ。内寸は台座の高さ分だけ低くなる
カバー落とし込みタイプ:カバーを5mmほど落とし込んでセットするので外れにくく持ち運びに優れる
切断面も大変にきれいで,満足度の高い逸品でした↓
アクリルケースの取り扱い

アクリルケースを扱う上での注意点ですが,フィギュアやドールを入れてアクリルボックスをかぶせる際に擦れてしまうことがあります。
そのため,出し入れの際はゆっくり慎重に作業してください。
もちろん,落下させてしまったり物がぶつかりにくいところに置きましょう。
もっとも,アクリル板は軽くて透明度が高い反面,傷つきやすく埃を引き寄せやすい性質を持ち合わせているため,定期的なケアは必要です。
その際,アクリルケースの3種の神器のようなものが知られています↓
- 研磨剤
- クロス
- 静電気防止剤
まず,傷を取るには研磨剤とクロスを使用します。
アクリサンデーのものは臭いがきつめですが,一回磨いただけでかなりきれいになり,さらに回数を重ねることでピカピカです↓

クロスもウェルシーという専用のものを使っていますが,こちらは他のものでも代用可能でしょう。
研磨剤は使用前によく振ることを忘れないようにしてください。
アルミや真鍮,ステンレスの艶出しにも使うことができます。
なお,我が家ではアクリルケースにあまり触れることがない関係で,傷が付くことをあまり心配する必要がなく,どちらかと言えば埃対策の方が重要かもしれません。
こおとき,プラスチック用の静電気防止剤を用いますが,ポリケアは汚れの除去も可能です。
最初に積もった埃をできるだけ除去しておきますが,本体を押すと泡状のものが出てくるので,それを伸ばすようにして仕上げます↓

こちらはカメラの清掃に使う方が多いように思いますが,アクリルケースに一度塗布すると1ヶ月単位で持つことになり,埃を引き寄せにくくなります。
特に地面に垂直な面に関しては効果が高く,上から降ってくる分に関しては防げずに堆積しますが,何もしていない状態よりも除去しやすいです。
光で強く照らさないのであればほとんど気にならないでしょう。
私は普段,埃を引き寄せやすい鏡やガラスに用いることも多いです。
簡単に掃除できて効果が高いのでそこまでの負担はありません。
特にポリケアはおすすめです↓
アクリルケースでドールの魅力を引き出す
私はドールをアクリルケースに入れることもあるのですが,魅力を引き出す工夫について最後にいくつか紹介しましょう。
LEDライトで照らす
まず1つ目ですが,よく顔出し配信をしているYouTuberが使っているリングライト(女優ライト)を照明代わりに使っています↓

色温度を変更できるものだとより楽しめるのでおすすめです。
ライトで照らすことによって,光が弱まる夜間帯はもちろん,日中であってもムラがなくなって見た目がずっと良くなります。
整う程度の結果ではなく,根本からその商品の魅力を大きく変えてしまうほどの効果があるため,是非やってみてください。
市販のコレクションケースの中には,LEDが内臓されているものも売られているくらいですから,アクリルケース+照明の相性は良いです。
なお,アクリルケースを使うことで照明を簡単に置くことができるようになり,先ほどのリングライトであれば天井部分に設置するだけでお金もかかりません。
ところで,とうめい館のケースは台座部分を上蓋として使う(上下ひっくり返して使う)ことで中の物を取り出しやすくできる裏技も知られていて,このとき下方向から照らすことが可能です。
私は今ではさらに照明器具を充実させ,2台以上で照らすことが多くなっています↓
ジオラマ的にする
アクリルケースを使用するときの飾り方として,背景にポスターや写真を貼り付けてジオラマを作成することも可能です↓

写真をラミレーター加工して,外側にマスキングテープまたは中と外とでネオジム磁石を使って固定しますが,後者はアクリルケースの厚みをものともしません。
このとき,オーダーできる強みを生かして,例えばケースの背面部分をA3サイズ,側面をA4サイズなどと発注すれば貼りやすくなるでしょう↓
規格サイズの例
A3(420×297mm),A4(297×210mm),A5(210×148mm),B3(515×364mm),B4(364×257mm),B5(257×182mm)など
今やCreemaやメルカリなどで,様々な見た目をした写真やポスターを簡単に手に入れられますし,自宅やコンビニで自作のものを印刷しやすくもなっています。
写真は薄いので,裏側からライトで照らすことによって後光が差すような演出も可能です。
まとめ

ここまで,フィギュアやドールをUVの被害から守って魅力的に飾るためのアクリルケースについて色々と語ってきました。
できる限りケースに入れずにおきたいものですが,高価なものだったり,長く大切にしたいものだったりを太陽光が当たる場所に飾りたいときは,透明度が高く扱いやすいUVカット仕様のアクリルケースがおすすめです。
今回紹介したとうめい館ですと,オーダーでカットしてもらえるので面倒くさいサイズ選びに煩わされることはありません。
台座についてはデフォルトの5mmサイズだと物足りないので,私は25mmのものを選ぶようにしています。
当然ながら品質はしっかりしていて,その透明度はそこにあることを忘れてしまうほどです。
時間が経つと共に埃は付着しますし,素手で触れば指紋も付きますが,先に紹介したアクリルケアの3種の神器の他,はたきやマイクロファイバー手袋を使うようにするとラクができます↓
飾る内容によってはケースの背景にも気を使うとその魅力が引き立ち,一緒に入れる小物選びにこだわってみたり,上でみてきたように照明や写真などを用いたりするのがおすすめです。
UVによる品質劣化の恐怖から解放され,お気に入りの物に囲まれた素敵空間に癒されながら,豊かな趣味ライフを楽しみましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。