今回は「Tinyfox」という中国メーカーのドールについてレビューしていきたいと思います。
とはいえ,2019年に設立された比較的新しい会社ということで,よく知らない方も少なくないでしょう。
なので,まずはその特徴からみていくことにします。
Tinyfoxの特徴
Tinyfoxとは文字通り,「小さなきつね」という意味です。
公式ページで商品を購入するとその世界観が書かれている紙が入っていたので紹介しますが,中国語で書かれていたものを自分なりに解釈したもので恐縮ですが,1匹の子ぎつねが自分の思い描く「リトルフォックスタウン」なるものを創り出すことを決意したところから話が始まります。
その街には数多の動物以外に,ファンタジーに出てくる魔女や竜なども含まれているそうです。
なお,最初の住人を子ぎつねが泥で作り,それにキスをすると命が芽生えたというエピソードや,時間が経つとアジサイの海と沈まない月が生まれたなどとする設定は,まさに日本の国造り神話を彷彿させるものでした。
なお,今回レビューしていくのは1/6スケールのドールということで,その具体的な仕様をみてみましょう↓
Tinyfoxの1/6サイズドールのサイズ
- 全高27.5cm
- 肩幅4cm
- 腕の長さ7.5cm
- 脚の長さ4cm
- 首回り5cm
- バスト10.6cm
- ウエスト10cm
- 腕周り16cm
- 太腿周り9.5cm
- ふくらはぎ周り7.2cm
いわゆるソフビ製の球体間接ドール(海外だとMJDと呼ばれるもの)になりますが,アゾンのピュアニーモやタカラトミーのリカちゃんなどは,同じ1/6スケールで身長は23cm前後なので小さく思えてきます。
背の高さだけならまだしも,横に関しては倍くらいとなる関係で,ボリューム的には2体分くらいあると言っても過言ではありません。
確かに,値段もそのくらいの差になっています。
また,Tinyfoxではアイやウィッグの取り付けが前提となっているところも独特で,どちらかといえば,1/3や1/4サイズのドールに近いと思っておく方が適切かもしれません。
ボディはABSとPVCで出来ていますが,2024年には色移りのしにくい素材に変更されており,製造元の改善意識が高いことがうかがえます。
なお,ボディのカラー展開はホワイト(白巧)以外にピンク(粉普)があります。
さて,実際はオリジナルドールを中心に販売する会社となるわけですが,サイズとしては4分の1スケールから始まり,その後6分の1サイズが加わった形です。
しかし後者は日本でも結構な人気を誇っており,今ではカスタムした顔パーツがオークションにもちらほらと見受けられるようになり,カスタムに使えるパーツもこれまでより手に入りやすくなってきています。
Tinyfoxの公式商品としては,新商品が毎年何回か登場し,中には過去の製品が再版されることがあったり,限定物の企画もそれなりにあったりしますが,確かに入手経路にまだ限りはあるものの,以下のようなショップで購入することができます。
Tinyfoxのセット内容
すべてがまったく同じとはならないでしょうが,Tinyfoxの1/6スケールドールの一例を紹介しましょう。
今回注文したものはラペオニアが企画したクリエイターとのコラボということで,具体的には「TinyFox×適当緑 猫耳量産型女子 黒猫(2024年11月発売)」になります。
なので,箱はそれ専用のデザインになっているわけですが,マグネットが仕込まれ,パチッと開けられる仕様で,厚みもあってしっかりしたものでした。
42.5×16.5×11cmの箱は,ぴったり80サイズということで,送料を意識して最適な箱で送られてくるのでしょう。
中には
- ドール本体
- 衣装
- 特典
が入っていました(あとは紙の資料が数枚入っていましたが,そこまで重要ではないので今回は省略します)。
以下で個別にみていきますが,ドール本体は顔とボディからなるので別にみていくことにしましょう。
Tinyfoxのドールの顔はかわいい
まず驚いたのは印刷のきれいさで,国産のものにも引けを取らず,それでいて海外の雰囲気も併せ持っている印象です↓
物凄く可愛いですが,この状態にたどり着くまでに大変な段階を経てきています。
すでに述べたように,アイとウィッグを装着しなければいけないわけです。
ちょうど季節は冬だったので,ソフビは硬くなっていて,蓋を外すところからドライヤーの出番となりました。
ヘッドの固定もこれまでに見たことがないもので,「プルタブ」と呼ばれるものでしっかり固定されています。
アイの取り付けだけであればよければヘッドを外さなくてもできなくもありませんが,後学のためにと取り外しに挑戦してみることにしました。
プルタブの下部分にはCの形をした「ネックガード」が挟まっていて,この形状が実に複雑です↓
一度取り外してみると扱いがわかりましたが,最初はどうすればよいかわからない方も多いでしょう。
ここで知っておくべきことは
- プルタブは下にゴムバンドが付いていて,結構上まで伸びる
ということです。
ネックガードは硬い素材でできているので,温めてみたところで柔らかくなることはほぼ期待できません。
なので以下の手順に従って取り外してください↓
- プルタブをかなりの程度引き上げる
- ガードを抜き去る
- プルタブの向きを90度変える
- ヘッドがボディから外せる
ちなみに,キャストドールを扱ったことがある方はゴム引きを持っていると思いますから,それを使えばOKです。
針金でも自作できるとは思いますが,最悪ペンチを使ってプルタブを掴んで引き上げることもできるでしょう(ちなみに,Tinyfoxの旧タイプボディはプルタブ仕様ではなかったようです)。
ゴムの力は強めですが,結構な長さ,上にビヨーンと伸ばせることを実感してください。
これで90度回転させ,次にネックガードを除去します。
これはCの形をしていて,開いている口の部分をドールの目の方に向けた状態になって収まっているように思いますので,それを後方に引き抜くイメージです。
プルタブを大きく引っ張ることができていれば,ただ傾けるだけでも自然と外れるように思います。
ここまでできてしまえばあとはもう簡単なので安心してください。
ヘッドが外せたら,次にアイを入れます。
ひっつき虫のようなものが封入されているので,アイをくぼみに入れたら,上からそれを練ったもので仮固定(例えば上と下部分だけ付ける)し,その後,好きな位置に調整しましょう。
時間はかかりますが,これから長くそのままの状態だと思えば時間をかけるところです。
終わったら本格的に固定して,蓋を閉め,最後にウィッグを着けます。
私は色移り対策はしませんでしたが,する方はその前に何か間にかませてください。
Tinyfoxのボディは安定している
Toinyfoxのボディーですが,太腿が太めでがっちりとしています。
とても扱いやすく自立もしました。
靴を履かせるとさらに安定しましたが,長時間立たせておく場合はスタンドがある方が安心でしょう。
公式から出ているボディタイツが買えるので,服からの色移りが心配な方は買ってみてください。
上の写真でも使っていますが,色の展開は1種類のみなので,ボディの色合いは変わってしまいます(先述しましたが,色移りがしにくいボディになるように工夫されてもいます)。
一方,ハンドパーツはやや取れやすく,複数種類が入っているなどはありませんでした。
また,ボディのメンテナンス用なのか,やすりが入っていました。
Tinyfoxでは衣装にこだわりが見られる
Tinyfoxの衣装はオリジナルで,魅力的なものが多いです。
今回のドールでいうと,ネコ型ドールということで,尻尾が出せるようにパンツに空間が設けられていたり,ファスナーやネクタイピンが猫関連のものになっていましたし,マグネットで取り付けられる猫耳もセットになっていました。
もっとも,こうした衣装も込みでクリエイターがデザインしたものですから,衣装が良いのは当然なのかもしれません。
とはいえ,イラストを立体に起こすのはメーカーの技術によるものですし,通常のものもTinyfoxのデザイナーが考案しているわけですから,Tinyfoxの衣装は総じてセンスが良いと言って構わないでしょう。
購入店や時期によっては特典が付く場合も
公式サイトだと,最近は缶バッジが付くことが多くなりましたが,それ以外のお店だと,ボディタイツや綿手袋などが特典としてもらえることも少なくありません。
広く取り扱いがないということで値下げ競争はおきにくいですが,そうであってもたまに各種割引が利用できることはあります。
それ以外に今回の商品ですと,対となる商品も同時購入することでアクリルスタンドを購入することができました。
その他,イベントで出店されているときに予約・購入すると,何か特典が付くこともあります。
まとめ
以上,Tinyfoxの特徴についてと実際の商品のレビューでした。
特に1/6スケールのドールは独自の存在感を誇り,日本のメーカーが売っているものと,ボリューム以外に,デザインの面でも結構な違いがあって独自の魅力に繋がっていました。
期間限定品もあり,数が少ないものは知る人の間ですぐに売り切れになってしまうことも少なくないので,気になったものがあった方は早めに購入しましょう。
もちろん,顔パーツや衣装を後で別に買って交換することも可能です。
最後までお読みいただきありがとうございました。