子どもの空間認識能力をアップさせてくれる知育玩具はいくつかありますが,今回は「賢人パズル」を紹介します。
パズルという名が付いているように,いくつかのブロックを組み合わせて形を完成させるわけですが,ここでは立方体が作れればプレイヤーの勝ちです。
とはいえ,「さぁ,自由に作ってみましょう!」と言われるだけでは,大人であってもできないかもしれません。
なんとも敷居が高そうな賢人パズルですが,そこで,付属するテキストの出番です。
問題集形式で,実際にはある程度,組み上げた段階からスタートすることができるため,プレイヤーはその続きを組み立てるだけでよくなります。
もっとも,このように言葉で説明しただけではイメージが沸かないと思うので,次章から実際の商品を使ってレビューしていくことにしましょう!
賢人パズルのセット内容
賢人パズルのセット内容ですが,
- 木製プレート
- ブロック7つ
- テキスト
のわずか3種類です。
これらの中からテキストを取り去ってもパズルとしては成り立つのですが,そこは幼児教室に明るいエド・インターの知育玩具。
テキストがあることで対象年齢は大幅に下がり,下は3歳から遊べるようになっているわけです。
テキストは全部で32ページから成り,56問が収録されていました。
読み進めるほどに問題が難しくなっていくのが特徴で,紙質はオールカラーで光沢がありますが,折れや水濡れには弱そうです。
実際の収録問題の様子や解き方については次章で詳しくみていくこととして,ここではそれ以外の2種類について説明していきましょう。
木製プレートは賢人パズルを組み立てるときの土台となるもので,こちらも無くて困らないものですが,利用することで,より崩れにくく,かつずれにくくなっては運びやすくなるのが特徴です↓
手に取ってよく見てみると,きれいにやすりで磨かれており,子どもが触れても危なくありません。
同様に,ブロックに使われている塗料も,子どもが舐めても安全なものが選ばれていて,本玩具はヨーロッパのCEマークを取得しています。
日本ですと,ST(Safety Toy)マークがそれに近いものです。
ブロックは全部で7個から成り,それぞれが異なる形をしていて,別の色で分けられています↓
このうち,左にある5つは平面として使うこともできますが,右の2つは明らかに立体です。
なお,平面のブロックだけを使って長方形が作れたりすれば,さらに遊びの幅が広がったのでしょうが,残念ながら合計したブロック数は19と素数でした。
もっとも,そちらの役割を果たす玩具も売られているので,脳ブロックなどに任せましょう↓
賢人パズルの解き方
お待たせしました!
ここでは賢人パズルの解き方について考えてみましょう。
先ほど保留していたテキストの第1問目を上に示したのですが,左端に「Challenge Level」という形で難易度が書かれています。
設定されているレベルは全部で3つあり,内訳は以下の通りです↓
- レベル1:8問
- レベル2:16問
- レベル3:32問
レベル1の設定は,手順が6番目まで書かれているので,あと1個のブロックを載せれば終わりまで来ている段階で,とても簡単に完成できます(全7手順で完成)。
賢人パズルで育みたい能力としては,設計図を読み取る能力や手先を器用に使う力が主にはなりますが,テキストでは見えていない部分の形を想像する力も多少鍛えることになるので,まさに空間把握能力を高めるための第1歩にふさわしい段階だとも言えるでしょう。
例えば,上の画像の手順4から5に至る過程で,新しく赤ブロックを載せるときは,見えていない部分の形を想像する必要があるわけです。
なお,ブロックを組み立てるという作業は,特に低年齢の子どもにとっては面白い経験なので,完成して「できたー」と得意げになっているときは大いに褒めてあげるようにしましょう。
自己肯定感は,こういうことがきっかけで高まるものです。
レベル2からは,1ページに2問が収録されていますが,例えば第9問では,残った2つのブロックをどう組み合わせて立方体になるかを考えなければなりません↓
この場合,どうしても立体になってしまう藤色のブロックを,赤いブロックに接するように組み立てることに気が付けることが最初のポイントです。
あとは残った水色のブロックの形ができることを想像しながら,正しい形で載せていくことになります↓
もちろん,ただひたすら試行錯誤するだけでもよいのでしょうが,できるだけ頭の中で考えて,ブロックに触れる回数を極力少なくするのが上達のコツです。
もっとも,それをいきなりはできないでしょうから,その前段階としては,各問題の一番最後の形だけをもとに,そこまでの手順を見ずに組み立てさせてみるというのも,子どもの創造力を育むことに一役買うことになるでしょう。
ところで,同じレベル2であっても,第17問目からは,ブロックが残り3個の段階から,残りの組み立て方について考えなければならなくなります↓
ここでまた難易度は上がるわけですが,この場合もやることは変わりません。
例えば,緑と藤色のブロックは平面にはならない形ですから,必ず2段目に来るように置かなければなりません。
また,平面的に使う赤いブロックは,どう置いたとしても正方形の中央部分を占めることになるので,中央3段目の空間を埋めないように配置することが大切だと気が付くことさえできれば,緑のブロックが左下に来ることがわかるのです↓
このように問題を解くことを通して,それぞれのブロックの特性について理解が深まってきます。
そうすれば,残り4個(第25問)から,5個(第33問)を経て,残り6個(第41問)に至るまでのレベル3であっても,解きやすくなること間違いなしです↓
全ての問題には,解答例が載っています。
なお,組み立ている最中に,テキストにブロックの色が少し移ってしまうことがありましたが,消しゴムで擦ると消えます。
まとめ
以上,エド・インター社が販売している賢人パズルについてレビューしてきましたが,いかがだったでしょうか。
とにかく,レベル2までは残ったブロックの形をよく観察し,残った空間の形を想像する癖をつけるようにしてください。
そうすることで,「ただ偶然できた」という段階から,「論理的に思考しながら,占めることになる空間の様子までしっかり想像できる」というレベルに達することができるのです。
まな,レベル3の難度からは考える量が大きく増えるので,最初の数個は適当に当てはめることもあるでしょう。
ですが,その場合であっても,残ったブロックを見て,なるべく頭の中でできるかできないかの判断を下すなど,ブロックを闇雲に載せることなく,出来上がりをイメージすることが大切であることをお忘れなく。
親と子どもが,完成までに何分かかるかをかけて,ストップウォッチ片手に勝負してみても良いでしょう。
まとめますが,普段の生活においても,頭を使おうとしている人とそうでない人の間には差が出てきてしまっているものです。
例えば,カレンダーを見て,「5日から17日まで全部で何日ありますか?」と尋ねたとしましょう。
その際,指折り数えていくような子どもだと,先行きが心配になってしまいます。
逆に,しっかりと頭の中で17-4(または17-5+1)を計算できる子どもが,中学受験などで結果を残せるわけですが,こういった態度は,普段の習慣から形成されると言っても過言ではありません。
大人であっても,思考するのを放棄して指折り数えている人がいるくらいですから,自分の子どもがそうならないよう,日ごろから注意深く観察して,誤りに気づいた際はさりげなく誘導して正してやりましょう!
是非,今回の賢人パズルを,そういった訓練の一助として用いてもらえたらと思います↓
ちなみに,私はナチュラルリビングというショップで購入しましたが,無料でラッピングをやってもらえた他,すぐに送ってもらうことができたのでおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございました。