「ねんどろいど」は可愛らしくデフォルメされたアクションフィギュア(2.5頭身で100mmサイズ)で,そのラインナップが幅広いこともあって大変購入しやすいものです。
なお,通常のフィギュアであればポーズがほぼ固定ですが,このねんどろいどは「アクション」の文字が入っているだけあって,手足パーツはもちろん,表情パーツを交換して見た目を大きく変えられたり,ボディーを「どーる」と呼ばれるものに交換して遊ぶこともできたりと拡張性に優れています。
多少フィットするしないの問題は生じますが,発売時期が近いものの多くは互換性があるため,色々なパーツ交換を試すことも可能です。
衣装や背景も専用のものが購入でき,本体の耐久性もある程度は期待できるため,長く遊べる玩具である点も大きな魅力なのですが,本記事でできるだけ多くを語っていくことにしましょう!
ねんどろいどの歴史
ねんどろいどは,これまでに2000種類以上のキャラクターが採用されてきました(同じキャラの別バージョンも含む)が,記念すべき最初の000番であるネコアルク「換装!ブーブー顔」編が発売されたのは2006年2月のことです。
これはつまり,すでに17年以上の歴史があることになるわけですが,私も不定期ながら買い続けており,現在我が家にあるもので一番古いねんどろいどは037番のぱすてるインク(2008年8月発売)になります。
上の画像にも示しましたが,ちょうどその頃は「萌える単語帳(もえたん)」が注目されていた頃で,このようにねんどろいどは流行りのキャラ,その時代を象徴するキャラを発売することが多いです。
人気アニメやゲームのキャラクターはもちろん商品化され,これまでの全ラインナップは販売元のグッドスマイルカンパニーのHPで確認することができますが,単純に平均しても1年で100体を超えるペースでねんどろいど化されている事実に大変な驚きと感謝の念を抱かずにはいられません↓
中にはマリオやミッキーのように絶えず人気のあるキャラがねんどろいど化されることもありますが,今自分が持っている顔ぶれを改めて見返してみると,当時のことを鮮明に思い出せるあたりが趣深い玩具のように感じます。
特に2011年の6月に発売された170番の「初音ミク応援Ver.」は,東日本大震災の復興のために購入金額の3分の1が日本赤十字社に寄付されたこともあって,目の届く範囲にいつまでも飾っておきたいねんどろいどとなりました(似た試みは,複数の災害が一斉に発生した2018年にも行われました)↓
初音ミクのねんどろいどは,ツインテールのおかげで台座なしで自立するところが,その人気の高さに貢献しているように思います。
なお,基本的には過去の作品を後から購入することはできず,タイミングが合わずに後になって,
「あのとき買っておくべきだったなぁ。」
と後悔の念に駆られることもあるのが玉に瑕です。
なお,ねんどろいどから派生したシリーズ(「ねんどろいど〇〇」などと記載される)には数多くの種類が存在し,それぞれの簡単な紹介としては以下のようになります↓
もあ:ねんどろいどの着せ替え用衣装やパーツから飾って魅せるための便利グッズまで多岐にわたる。
どーる:頭部はねんどろいどで体サイズは通常のねんどろいどより大きめ。衣装は布製。
ぷち:全長6.5cmの小さなねんどろいど。
Swacchao:より身近かつ手軽に飾れるようにと椅子に座る形をしたねんどろいど。
らいと:通常のものより構成パーツを簡略化し価格を抑えたシリーズ。
こ~で:パーツは4つ(ヘッド・トップス・アンダー・シューズ)のみで構成され,同シリーズ間で着せ替えが可能。
じゃんぼ:全長27cmにも及ぶ巨大サイズのねんどろいど。
さぷらいず:サイズは全長7cmで集めやすさに重点を置いたシリーズ。
ぷらす:アクスタやストラップ,ぬいぐるみの形態を取る。
ぴんず:ねんどろいどをピンズにしたものでサイズは約2~5cmと小さめ。
とはいえ,全てのシリーズが同じように今でも入手可能かと言えばそのようなことはなく,例えば上で赤字にしたものは2023年において販売が見られませんでした。
そこで今回は,上記シリーズのうち「もあ」と「どーる」を詳しく紹介していきたいと思います。
前者はねんどろいどをさらに楽しむためのもので,他のシリーズに含まれないものはすべてここに含まれると考えて構いません。
後者はその登場が2018年と比較的新しいものですが,最近は発売のペースが増して活気づいており,ねんどろいどどーる用の衣装やパーツもこちらに含まれます。
次章から,これら2つについて詳しくみていくことにしましょう!
ねんどろいど兎田ぺこらのレビュー
ねんどろいどの例として,2022年10月に発売された1823番の「兎田ぺこら」を例に説明していきますが,最近はVTuberがねんどろいど化されることも多くなりました。
なお,2023年が兎年だったこともあり,「全人類兎化計画」の名の下,年末には有明アリーナでの単独ライブも成功させた彼女ですが,同年の世界女性ストリーマーNo.1の座を勝ち取り,チャンネル登録者数は240万人を超えています↓
そんな彼女のねんどろいどですが,ちょうど2010年9月に発売された112番の小早川凛子が手元にあったので並べてみると,パッケージはこの10数年でスリムになったものの,定価は1.5倍以上になっているあたりに時代の流れを感じました。
原型の制作者は様々ですが,制作協力がねんどろんとなっているところは昔と変わりません。
セット内容としては塗装済みの可動フィギュアに,そのキャラに特徴的なパーツや専用台座が付いてくる点は共通ですが,細部の作りについては年々改善されてきていることがわかります↓
左が兎田ぺこら,右が従来のものですが,印刷技術が良くなった他,台座と本体を繋ぐジョイントパーツが長くなって安定化に貢献していたり,首ジョイントのパーツ数が増えたり,パーツの収縮防止ピンが付けられた状態で納品されたりするようになりました(台座は2020年9月発売のレムのものです)。
今回紹介するねんどろいど兎田ぺこらは細かいパーツが多く,表情を3つのパーツから選択できるだけでなく色々なポージングができて楽しいです↓
ドンちゃんや野うさぎも良い味を出しています。
彩色は細かく,手に取ってまじまじと眺めてみることで初めて気が付くような造形もあるでしょう。
足や指先,顔の角度などを細かく変えられる他,サングラスとマイクを使って印象的なぺこらっぷも再現できました↓
キャラを特徴づける箇所は,ねんどろいどであれば必ずどこかに見つけることができます。
なお,使わなかったパーツは100均の小物ケースに収納するのが昔ながらの定番です↓
この状態で保管するときは定期的に風を通すことが重要で,湿度や密封された環境が原因でパーツが加水分解してしまうことを低減できるように思いますが,万一べたついてしまったときは中性洗剤を水で薄めたものを含ませた布でふき取ることにしています。
ひどい汚れはラッカー系の薄め液で落ちる可能性がありますが,印刷部分に触れると色が落ちてしまうことにご注意ください。
長期保管には防湿庫を使用するのが一番です↓
ねんどろいどどーるのレビュー
ねんどろいどどーるは,そもそもがその形で売られているものもありますが,ここでは兎田ぺこらをねんどろいどどーる化してみましょう!
別に使用するのは,本体ボディと衣装です。
本体ボディ
開封してみると,本体以外に台座とハンドパーツさらには首ジョイントパーツ,さらには支柱パーツが付属していました。
本体ボディの足裏には磁石が内蔵されていて自立を補助してくれますが,頭の重いねんどろいどだけに倒れる不安が付きまといます。
特に長時間放置するような場合は,支柱の使用が推奨されていることに注意してください。
なお,ねんどろいどどーるの本体を購入するにあたって気を配るべき点は,本体のカラーを何色にするかと体型をどうするかの2点です。
本体のカラーは「ノーマル(ピーチ)・シナモン・クリーム・アーモンドミルク」の4色が知られています(引用:ねんどろいどどーるの公式ページ)↓
とはいえ,ねんどろいどのヘッドを使ってどーる化する場合,まったく同じ色とならない方がむしろ普通です。
例えば兎田ぺこらのヘッドに対してボディがクリームだと白すぎ,ノーマルだと濃すぎで(シナモンはあまりにわかりやすくて除外できましたが),アーモンドミルクが近いかなと思いました。
とはいえ,他のいくつかの顔パーツと比べるとどれも色が異なっているように見え,決して容易ではないことを再認識させられた次第です↓
なお,体つきはWomanとGirl,ManとBoyの他,最近になってkidsが加わりましたが,胸囲が数ミリ違うくらいで大差はありません(kidsのみ全高が3.5cmほど低いです)。
詳しいサイズについては,すぐ上で紹介したリンク先に比較表が載っているので参考にしてください。
身長を大きく変えたい場合は「身長調整セット」を使いますが,それにより股下が1cmアップします(kidsは除く)。
通常のねんどろいどとの身長差は以下のような感じになり,どーるはボディーだけで10cm(ねんどろいどの身長と同じ)となり,頭まで含めると14cmほどの高さです(どーるは左がGirlで右がWomanです)↓
また,ねんどろいどどーるのパーツ類と言うのは年がら年中購入できるわけではないので,再販されて在庫があるうちにまとめて買っておくようにします。
アリス和風ドレスVer.
ねんどろいどどーるのおようふくセットとして,ここでは「アリス和風ドレスVer.」をレビューすることにしましょう!
ドール服と言えばアゾン製のものばかり買ってきた私ですが,グッドスマイルの衣装も丁寧な作りに見えました↓
とはいえ,首回りが黒なのでここから色移りが生じますし,繊細な作りであることに変わりないので,着せ替えの際は慎重に扱わなければなりません。
本体ボディに互換性があるものとして他にオビツ11用の衣装が挙げられますが,どーる用の衣装は背中に台座やイーゼルを挿し込める専用の穴が開いているなど,独自の工夫が見られます↓
とはいえ,どーる用の衣装はそれ相応の値段が付けられているので,予算次第ではメルカリで個人製作したものを買ってみるのも良いかもしれません。
なお,個人ディーラー様からカスタムヘッドを購入してオリジナルのドール(オビツろいど)を作った記事も書いているので,オリジナルカスタムに興味がある方は以下の記事も参考にしてください↓
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ねんどろいどのカスタム方法!素敵なヘッドや衣装を探そう
すでにねんどろいどの基礎的な内容の記事は書きましたが,今回は自分でカスタムしてオリジナルのものを作ってみようと思います。 とはいえ,自分で顔にメイクをしたり衣装を縫って作ったりすることはしません。 こ ...
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ねんどろいどもあのレビュー
ねんどろいどもあに分類されるものは,2023年に発売されたものだけでも以下のように多種多様です↓
2023年に発売されたねんどろいどもあ
フェイスパーツ,衣装パーツ(布製ではない),収納コンテナ,ゆりかご,ポーチ,きぐるみ,ハンモック,背景シート,クッション,交換用台座など
なのでここでは,イーゼルと背景の2つを紹介していきたいと思います。
イーゼル
イーゼルはねんどろいど用のものとねんどろいどどーる用のものの2種類があることに注意してください↓
土台部分の大きさ分だけ高さが異なるので,どーるにねんどろいど用のイーゼルを使うことはできません(高さが足りませんでした)。
どーる用のものをねんどろいどに使うことは可能ですが,やや斜めにして固定することになるので,どちらか1つを買うのであればこちら一択ですが,専用のものを使い分ける方が無難です↓
なお,地面ががツルツルしている場所(例えば机の上)だと滑ってしまい,単独でねんどろいどを上手く保持することができませんでした。
後に壁があればそこで止まってくれるので使いやすいです。
背景BOOK
続いて背景BOOKになりますが,側面パーツ付きの3面背景BOOKです。
サイド部分が存在するので立体的に撮れるのが魅力ですが,1冊につき5種類の背景が付属しており,紙製なので軽く,薄くした状態で保管することができ,使用感は卓上カレンダーに似ています。
ただし,側面を付けるとやや扱いづらくなるため,使い勝手はそこそこと言っておくのが無難でしょう。
これまでに出た2冊は以下の通りです↓
- Sakura,Tea party,Easter,Wedding,Picnic in the forest
- Ginkgo Trees,Book Cafe,Winter Market,Illumination,Snow
実は先に示した初音ミク応援Ver.のところでSakuraの背景を使っていたのですが,どーる化した兎田ぺこらにEasterの背景を使ってみるとこのようになります↓
「年末のポケモン配信と年始から引っ張りだこで,さすがに疲れたぺこ」
といった声が聞こえてきそうです。
なお,次に出てくる写真はPicnic in the forestのものとなります。
まとめ
以上,ねんどろいどの簡単な説明と兎田ぺこらのレビュー,さらにはねんどろいどどーるともあから,アリス和風ドレスVer.やイーゼル,背景BOOKなどを紹介してきました。
ねんどろいどは箱やビニール袋などにしまった状態で長期間放置しておくとべたついてしまう恐れがあります。
UVカットをしていない窓際に放置しておけば色褪せてしまうでしょうが,UVカットのレースカーテン1枚あれば紫外線量はそれほど心配することもなく,換気の面からも室内に出した状態で遊ぶ方が長持ちするように感じますし何より楽しいです。
是非,ねんどろいどもあやねんどろいどどーるなども買い合わせて手の届くところに飾ってみてください。
私は自分がハマったものに限定して,ねんどろいどを購入するようにルール化しているのですが,イーゼルが登場してからは気軽に飾りやすくなったので,箱から出すことが多くなりました。
頭が重いねんどろいどだけに,台座との相性が悪いと最初はひっくり返ってしまって大変でしょうが,すぐになれると思います。
また,発売終了したものを後から入手するのは難しいので,これから発売されるものに目を向け,定期的にグッスマのサイトの方でラインナップを確認するようにしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。